宮古のあやぐ(あーぐ)について
 宮古島を離れて、故郷の民謡を歌ったり聞いたりするとき、ふるさとの愛情の温かさを再認識し、感動を覚える。「民謡は心のふるさとである」と言われる所以である。
 「あやぐ」、または「あーぐ」は、歌のことであり、歌詞にメロディーを付けたものをいう。
 宮古島は、台風襲来、干ばつ、飢饉などの厳しい自然環境、また、約260余年間の人頭税制度、このような過酷な状況下にも負けず、アララガマ精神の如く力強く、逞しく明るく生き抜いた。そのような中から「あやぐ」は誕生している。
宮古民謡は、沖縄本島、八重山の島うたとは異なり、庶民的文化の色彩が強く、琉歌の影響もほとんど受けず独自に発展してきた。
 宮古民謡は役人が関与して作られたものは少なく、その多くは名もなき農民たちの共同所産だといわれる。そのためか宮古民謡は歌詞、メロディーとも素朴で独自の香りを持ってる。
 宮古民謡は三線を伴わず、すべて素歌(すぅうた)であったが、近年になって三線伴奏が付くようになり、工工四も戦後発行されたと言われる。
 宮古のクイチヤーの集団エネルギーはすごい。薩摩、琉球の二重政下にあって、その苦しみを個人の中におさめることなく、常に共同体の集団性で跳ね返した。それ故に宮古の歌は旋律も明るく、生き生きしたものが多い。
 宮古の「あやぐ」は、古くは神歌、長あーぐ、叙事歌、叙情歌、トーガニ、クイチヤー、恋のうた、遊び歌、子守歌があり、島人の生活に生き続けている。
 叙事歌は神々を対象とした古謡の神歌から人々の暮らしや社会事象へ移っていく歌が多い。
 民謡は地域の風習、生活などを歌った文化遺産である。宮古民謡に興味のある方、宮古民謡を稽古したい方、どうぞ気軽に連絡下さい。

なりやまあやぐ発祥の地
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マムヤの墓
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