債務整理についてのQ&A

Q8.ずっと支払っていない借金は払わなくてもいいのですか?

原則として5年間、支払をしていなければ時効が成立して、支払が不要な場合があります。

貸金業者からの借金の時効期間は原則として5年間です。ただし、貸金業者との間で裁判になっており、判決が出ていたり、裁判所で和解をしていたりすると時効の期間は10年になります。

何らかの事情で、住民票の住所を変更していなかった場合や行方がわからない状態であったら、自分が知らないうちに裁判所で判決が出されていた可能性もありますが、裁判上の手続きがなされていなければ、最後の借入もしくは返済のときから5年間を経過していれば時効が成立し、支払義務を免れることはできます。

時効に関して注意したいのは、5年間が過ぎれば自動的に支払義務がなくなるわけではないということです。

時効は援用することで成立します。援用とは、「時効だと主張します」と相手方に表明することだと理解下さい。5年間を経過することは、時効を主張できる土台ができただけなのです。そのため、5年を経過したが時効を援用する前であれば、貸金業者に支払をしたり(たとえ1円でもです)、債務があることを認める文書を書いてしまうと支払義務は復活してしまいます。

※ 貸金業者が、「今日は1000円でもよいから払ってください」というのは、任意に支払をさせることで、債務があることを承認させ、時効とならないようにするためです。


■時効の中断

時効の進行は、裁判上の請求・差押・債務の承認 があれば中断します。これらの中断事由があると、時効の進行はゼロになります(いったんストップではなく、リセットされてゼロの時点から新たに時効期間が進みます)。

裁判上の請求は、判決(いわゆる通常の裁判)だけではなく、簡易裁判所の<支払督促>も含まれます。貸金業者はよく支払督促を使います。支払督促は、訴状のような仰々しい書類ではなく、細長いダイレクトメールのような形式ですので、受け取った方も裁判所の書類と思わないこともありますが、これも裁判手続きの一つなので、ここでいう裁判上の請求に該当します(支払督促については支払督促のページ参照)。


■よくあるケース

『あなたの債権を譲り受けましたので、**円を払って下さい』という通知書が郵便で届いた!という相談を受けることがあります。この場合、まるっきり覚えのない請求であれば架空請求ですが、たいていの場合には「そういえば、昔借りたことがあるところの名前が書いてある。いくらか残債務もあったかも・・・」という事実があり、通知書を送ってきた相手方に連絡をして支払をしてしまうというケースです。

この場合、確かに通知書記載の取引はあったのでしょうが、支払をしたり、債務を承認する行為をする前に、まずは時効が成立していないかを確認すべきです。支払や債務承認は時効中断事由となりますので、支払をしなければならないことになります(さらに、その支払額は遅延損害金が加算され、かなり高額になっていることもあります!)。


■ではどうする?

時効を考える場合、通常は長い期間支払を放置していたわけで、相手方もしくは相手方から債権を譲り受けたという会社から通知書や請求をされて初めてどうしたらよいか?を思ったわけです。

ここで債権の内容を確認せず、任意の支払いや書類を記入すると、時効がゼロになってしまいますので、司法書士事務所尼崎リーガルオフィスにご相談ください。

当方で、債権の調査をして、時効が成立しているようであれば、時効を援用することになります(もちろん、ご本人で債権の調査や時効援用も可能ですが、時効が成立することを阻止するために、相手方もいろいろな手段を取ります。そういった場合にこそ法律の専門家が関与していく意義があります)。

時効の援用は、司法書士事務所尼崎リーガルオフィスでは内容証明郵便を用いて行います。内容証明郵便は後に記録が残ることから、余計な紛争を防止することになります(内容証明郵便については内容証明郵便のページを参照)。

経験上ですが、時効を援用した後に、時効を中断する事由(実は裁判を行っており、判決が出されていたなど)がなければ、それ以上請求はしてきません。時効を中断する事由がなければ、相手方もどうしようもないからです。