債務整理についてのQ&A

Q3.債務整理の手続きはどれくらい時間がかかりますか?

債務整理のどの手続きを行うか、相手方(債権者)がどこかによっても変わります。

まず、相談から依頼を受けるまでは、依頼者の方と司法書士の予定が合えば即日でも可能です。

相談では、取引内容や債務額等について、どのような手続きがあるのかの説明等をいたしますので、約1時間程度かかります。その後、司法書士事務所尼崎リーガルオフィスに債務整理の手続きを依頼することになれば、契約書の記入や説明をしますので、30分程度かかると思います。

契約をいたしましたらすぐに(その当日か翌日)には債権者に対して受任通知を発送いたします。

受任通知は郵便で送付しますので、1~2日の間、さらに受任通知が債権者に到達しても、その会社内での事務作業等があるので、契約をしてから1週間の間は債権者から依頼者の方に直接にお電話などがいくこともありますが、その場合でも債務整理に関する契約は司法書士と行っておりますのでその旨を告げていただければ、それ以上依頼者の方に連絡がいくことはありません。

受任通知送付と同時に、過去のすべての取引についての取引履歴(一覧表)の送付を請求します。

この取引履歴の開示は債権者によって大きく異なってまいります。経験上のことですが、

・大手の消費者金融(武富士・アイフル・アコム・レイク・CFJなど) 
1週間から1ヶ月程度

・クレジットカード会社(三菱UFJニコス・セディナ(旧OMCカード)・ジャックス・イオン)
2か月から3ヶ月程度

中小の消費者金融会社はまちまちです(早ければ2、3日で送ってくることもありますし、廃業をしていて記録がないと主張し開示してこない業者もあります)。

債務整理のどの手続き(任意整理や自己破産など)を選択するかは、受任したすべての債権者から取引履歴の開示を受け、総債務額を確定しないと決めにくいのが現実ですが、このように債権者によって数か月の時間差が出てしまいます。

ただ、すべての取引履歴が揃うまでの間も、依頼者の方は債権者に支払をすることはありません(債務整理の手続きを司法書士に依頼した時点から、相手となる債権者からの借入はもちろんですが返済もストップします)。そのため、すべての取引履歴が揃うまでの間も、依頼者の方から支払をするという負担はありません

すべての取引履歴がそろってからは、各手続きによってかかる時間は異なります。個別の事情がありますので、すべてこのとおりとはならないのですが、参考までにまとめてみました。

※ まずは、受任したすべての債権者から取引履歴が揃ったことを前提として、各手続きに応じた時間を下記に記載しております。取引履歴の開示は債権者によって異なることは説明したとおりで、
数週間から2~3ヶ月かかります。



1.任意整理

すべての債権者の取引履歴を利息制限法に基づき再計算することで、法律上の残債務額が算出できます。毎月の返済可能額をもとに返済プランを計画し、各債権者に分割返済(または一括返済)の和解交渉をすすめていきます。

実際の支払い開始は、交渉をする翌月末からの場合が多いですので、一般的なパターンとしては、受任してから返済開始までは3ヶ月程度です(※手続きをする債権者や依頼者の方の個別の事情で変更)。


2.自己破産

任意整理と同様、すべての債権者から取引履歴が開示されることが前提です。むしろ、任意整理では一部の債権者と先に和解の交渉を進めることはできますが、自己破産はすべての債権者を債権者一覧表に記載する必要がありますので、取引履歴が揃うことは絶対必要です。

自己破産の場合には、債務を返済していくための和解交渉はしません。代わりに、裁判所に対して破産手続き開始決定及び免責決定をしてもらうため、多くの書類を揃え、作成しなければなりません。

それらの書類を作成いただき、また、揃えていただくのは主に依頼者の方に進めてもらうことになりますので、どの程度時間がかかるかは依頼者の方次第です。

書類を速やかに揃えていただければ、取引履歴が揃ってから、1か月内に申立をすることも可能ですが、書類を揃えていただけない場合にはいつまでたっても申請ができません

裁判所に破産手続の申立をした後、裁判所が不十分な点や質問事項を聞いてきます。それに対して、補足をした後に、破産手続開始決定がなされ、約2か月の期間、債権者からの異議の申し出を受け付けます。その後、免責決定が出て、さらに2週間が経過することで自己破産手続きは完了となります。

自己破産手続きの場合には、ケースによって裁判所での面接(審尋といいます)が1回から2回設定されることがありますので、その場合には手続き完了までより長い時間がかかることもあります。

このように自己破産手続きはケースによってかかる期間は異なりますが、平均して受任から6か月~1年程度要します。


3.個人再生

個人再生手続きも、裁判所で行う手続きであり、すべての債権者を相手にしますので、大まかには自己破産手続きと同様の期間がかかります。個人再生手続きは、裁判所で再生計画案を認可してもらうことが必要であり、その前提として毎月積立金を置いておく実績が求められますので、自己破産手続きよりも若干時間がかかります


4.過払い請求

取引履歴が開示され、利息制限法に基づき計算した場合に過払い金が生じていた場合には、即時に過払金返還請求通知を相手方に送ります。その場合、相手方からの回答を2週間程度の期間を設定して求め、その期間が経過した後に交渉を進めていきます。

現実として、過払い金の全額で和解交渉ができることはありません。たとえば、大手の消費者金融でも、過払金額の5割~8割程度の提示ですし、中小の消費者金融(貸金業登録を廃止した業者を含む)の場合には過払金額の1割~2割、さらには返還できない、と申し出るところもあります。

相手方の交渉担当もそれぞれの会社の方針に従って、和解額を提示しておりますので、電話で交渉をしても一定の和解額を超えることはあり得ません。その場合、その額で譲歩して和解をするか、もしくは訴訟を提起することになります。
  
訴訟提起した場合には、訴状を裁判所に提出してから約1か月(裁判所によってはそれ以上)後に1回目の口頭弁論期日が設定されます。1回目の口頭弁論前に、相手から訴訟を取り下げる前提で、和解交渉を提示することもよくあります(当然、電話での交渉額よりアップした提示が通常です)。それで合意をすれば、和解をして和解金の入金確認後に訴訟を取り下げることになります。

訴訟が続く場合、1回目の口頭弁論期日には相手方は90%以上の確率で出廷することなく、2回目の口頭弁論期日が設定されます。これも1か月程度後になります。この段階で、訴訟外で和解をすることもありますが、和解ができない場合には、次回の口頭弁論期日が設定され、最終的には判決を出してもらいます。
  
この場合、訴訟の進行によりますが、訴訟を提起してから判決まで続く場合には3~4か月程度かかります。判決が出た後、任意の支払いがなければ強制執行をすることになりますので、さらに数か月単位で時間はかかります。

また、和解をした場合の和解金の返還期日ですが、昨今の過払い請求による減収により、各業者とも経営が圧迫されているという理由のもとにかなり後になります。たとえば、大手消費者金融のアイフルや武富士でも4~5か月先の返金期日を提示されています(アコムやシンキなどは和解をしてから1~2ヶ月と比較的早い提示が現状ではされています)。