ひげコンサルティング塾 

 IT短歌集

56.CTが 義父の脳内




 強運の持ち主・義父は、広島で被爆、一瞬の差で助かりました。洗濯物を干し、もう少し寝
ようとフトンにもぐりこんだ直後のキノコ雲でした。仲間を失い、機密書類の届け役を志願、
数日後戻ると、何日も散在する死体を焼き続けたそうです。ただ、志願したことで被爆地から
離れたことがかえって良かったようです。その後、神奈川県に移り住み、バイクの義父は第一
国道で乗用車にぶつかり、飛び跳ね回転して他の車のボンネットに落ち、 無傷で助かりまし
た。また、工場の現場で大きな鉄骨がスグ隣にドスンと倒れてきました。その日、飼っていた
ヒヨコが亡くなり身代わりになってくれた、と。
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 その義父がこの8月1日、突然、左手が利かず、ボタンもかけられない、そして転ぶ、ぶつ
かる、入院です。原因は脳血栓。 頭頂部から7oピッチで順に撮ったコンピュータ断層撮影
が、脳の動脈に生じた血栓の状態を示します。まさに一目瞭然、医療分野のコンピュータの威
力を実感します。脳組織の壊死による視野狭窄でした。でも今は左手も回復し、視野が狭めら
れた程度で済んでいます。
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 義父は「第一に平和、戦争は絶対にしないこと、第二に健康」と言います。そして「得意泰
然 失意平然」を座右の銘に、今も快活です。人生の先輩の言葉として心に刻み、順送りの人
生・役割を感じています。
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