ひげコンサルティング塾
   営業力強化
5.釣り場の発見と攻略の考え方(1)



4つのポイント・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
 今回は釣り場をどのように発見するか、 すなわち購買力のある顧客をどのように見極め、
どんな考え方でアプローチするかについて説明しましょう。それは4つのポイントから構成さ
れます。
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 @市場・顧客を層別して潜在的な候補を抽出する
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 A攻略対象を明確にする
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 B必要により攻略対象を絞り込む
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 C攻略方法を考える
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 基本は販売実績に基づくABC分析と成長性、将来性、信用力などを組み合わせ、評価し、
攻略法に展開していきます。
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 「市場・顧客リストから層別・抽出」では、まずお客様リストを準備します。すでに取引し
ているお客様のリストはもとより、引き合いのあったお客様、最近開拓を始めたお客様、今後
対象地域としたいお客様、 他社製品を利用しているお客様などが対象です。すでにEXCE
Lシートや顧客管理システムがある場合には、お客様データベースを読み出して、今後の見込
客と合わせて層別・分類します。
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ABC分析の限界
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 ABC分析では、顧客別の年間売上額を算出し、売上額の多い順に並べて累計し、全社年間
売上額の80%に相当する顧客群を重点顧客(A)としています。これは一般に全顧客の2割
程度になります。中位の顧客群(B)は、その次の90%までに相当する顧客です。残りの顧
客群(C)が一番重要度の低い顧客グループとなり、ABCの順に重要度を考慮して対応しま
す。しかし、最近の厳しいビジネス環境においては、一部上場企業、あるいは銀行といえども
倒産しかねません。小さくてもみるみる頭角を現し、元気で将来が頼もしい企業も生まれやす
くなっています。このように、変化の激しさが企業の盛衰を一層顕著にしています。それだけ
に販売実績に基づくABC分析だけでは判断できないことが分かります。
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将来の可能性を診る
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 そこで、取引実績の多寡に加えて、企業の成長性、将来性、信用力などの点を考慮します。
具体的には、その企業の伸び率、トップの人格や経営理念など経営姿勢、その顧客のお客さま
の層や対象市場の魅力度、得意としている技術や人財・スキルのレベルなど、強さや独自性な
どの面から考察し、診ていきます。すると、次のパターンに分類することができます。
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 @取引高大、成長性・将来性・信用力等が良好
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 A取引高大、成長性・将来性・信用力等が良くない
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 B取引高小、成長性・将来性・信用力等が良好
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 C取引高小、成長性・将来性・信用力等が良くない
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 さて、どうでしょう?これまでのABC分析では、@、Aの取引高が大きいので、ここに注
力していたと言えます。
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 確かに@は良いでしょう。取引額は大きい、将来性もありますから。便宜を図りシッカリお
付き合いして、一緒に成長して行きたい。そう考えます。しかし、Aに積極的に働きかけても
難しいですね。この顧客グループは伸び悩みか、下降線を辿っている顧客群です。もちろん、
失う訳にはいきません。が、頑張ってもそれほど成果は望めず、リスクも大きい状態です(以
下、次号に続く)。
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