好きな怪獣


水爆大怪獣ゴジラ/怪獣王ゴジラ
 いきなりですが、実を言えば取り立てて好きな訳ではありません。寧ろ敵に心惹かれる性質なので、ゴジラよりも敵対している怪獣を応援する事の方が多いくらいです。しかしながら、幼い頃より怪獣の元祖であると言う事を知らずにもウルトラ怪獣を肇とするテレビ怪獣とは一線を画す、言ってしまえば一つ格が上の存在であるとの認識を持っていました。だから設定とは別に、ウルトラ怪獣とゴジラが対したら何となくゴジラが勝利する様な、或いは抑抑勝負にならない様な、そんな印象がありました。そういう意味に於いてはある種、好きだったのかも知れません。ゴジラが口から吐く放射能を帯びた吐息や破壊光線は『白熱光』、『放射熱線』、『放射能火炎』等と呼ばれていますが、私は昔から『放射火炎』と呼んでいました(『熱線』を併用。熱線は略称の様な感覚で使っていたので放射熱線と言うのには違和感があります)。近年では書籍でも余り用いられない呼称ですが、馴染みがあるので放射火炎と呼び続けています。
初代ゴジラ:第一作目の『ゴジラ』に登場した最初のゴジラと言う事で、ゴジラの中でも特別な個体ですね。しかし私自身は特に思い入れがありません。白熱光で建物や鉄塔がが発火したり溶けるのが印象的でした。
二代目ゴジラ:幼い頃は外見では初代ゴジラと見分けが付きませんでした(ぉ 昭和の作品に登場したと言うだけの共通項で、ある意味同一視していたのでしょうね。登場した作品によって微妙に形状が異なり、作品名からとって其其俗に逆襲ゴジ、キンゴジ、モスゴジ、三大ゴジ、大戦争ゴジ、南海ゴジ、息子ゴジ、総進撃ゴジ、メガロゴジと呼ばれていますが、ぶっちゃけ私には見分けが付きません。どれも二代目ゴジラとしか認識していないのですよね。
三代目ゴジラ:この個体は八十四年の『ゴジラ』と『ゴジラVSビオランテ』の二作に登場しましたが、個人的には84’ゴジラと呼ばれる方こそ三代目と言う印象が強いです(ビオゴジは外見が四代目ですからね)。凶悪な三白眼が他には無い特徴であり、例えデフォルメされていても一目で三代目だと認識出来る程でした。
四代目ゴジラ:好きなゴジラです。特別に好みと言うほどでもないのですが、消去法で残るのが四代目なのですよね。平成VSシリーズに当たるので一番馴染み深いゴジラとなりました。ファイヤーラドンとの合体やスペースゴジラのエネルギー吸収を経て、赤色熱戦『ウラニウムハイパー熱線』、『バーンスパイラル熱線』を使う様になりましたが、これぞ必殺技と言うべき迫力を醸していました。それがあるからこそバーニングゴジラが常に赤色熱線を吐いている事で、体内の放射能が暴走していると言う事が理解りました。
五代目ゴジラ:ミレゴジとギラゴジが外見的に酷似している事から、作品間の矛盾は無視して勝手に同一個体と見做しています。そしてまた勝手に五代目と位置付けました(ぉ 燃え盛る炎の様な背鰭や攻撃的な口が特徴のこのゴジラ、最初に見た時はとても格好良いと思い四代目以上に好きな時期もあった程です。しかし全体的に尖っているので、見慣れると飽きが早いのですよね。そういう理由で現在は嘗て程好きな訳ではありません。放射火炎の色が赤い(明確に赤いと言うよりも橙に近い色ですが)のも、通常状態でありながら四代目の赤色熱戦に匹敵する威力なのかと思ったものです。
六代目ゴジラ:GMKゴジを六代目としています。昭和ゴジラの匂いを持ち、これまた中中に格好良いゴジラです。最大の特徴とも言うべき白目ですが、私としては好きではないが否定はしない、消極的肯定でしょうか。黒目がある方が好みですが、数あるゴジラの中にこういうのが存在するのも面白いと思います。
七代目ゴジラ:機龍ゴジ(当然ながらSOSゴジを含む)を七代目としています。正直に言うと歴代の中で苦手なゴジラです。胸に大きな傷を負ったSOSゴジラを見た時に思ったのですが、どうにも首の辺りが好きになれないのですよね。生物らしさが感じられず不自然で良い印象はありません。
八代目ゴジラ:FWゴジを八代目としています。基本的にはオーソドックスな平成ゴジラと言う感じですが、これまでに無い細身の体躯が特徴的でした。同作のガイガンほどではありませんが、怪獣と言うより怪人を思わせるラインが少少苦手です。その反面、通常の放射火炎の他に『ハイパースパイラル熱線』や、『バーニングGスパーク熱線』と言った強力な“必殺技”を持っているのは好ましい点でした。ハイパースパイラル熱線は宇宙から迫り来る隕石状態のモンスターXを迎撃した熱線で、映画を見ている時はその作風から何とも思いませんでしたが、考えてもみれば地表から宇宙空間までと言う驚異的な射程を誇っているのですよね。そしてバーニングGスパーク熱線は四代目を思わせる赤色熱戦で実に格好良く、またVSシリーズ世代としてこれが最後の一撃である事を嬉しく思いましたが、片仮名と片仮名の間に英字が入る名前が好みではありません。

暴竜アンギラス
 大好きな怪獣の一種です。ゴジラの相棒としての活躍はこの上なく愛くるしく魅力的でした。『VSメカゴジラ』でラドンが登場した時に、ラドンが許されるのなら今度はアンギラスをと、その復活を望むもそれが実現する事は中中ありませんでした。しかしシリーズ最終作で遂に銀幕でその姿を見る事が出来たのです。アンギラスの哀しい所、或いは限界はゴジラありきの存在であると言う事ですよね。ゴジラは言うまでも無く、ラドンやモスラは主役として単体で銀幕デビューを果たしていますが、アンギラスは飽く迄もゴジラの対戦怪獣でしかありません。それがラドンとの間にある差なのでしょうね。哀愁の漂う鳴き声がその哀しさを際立たせます。しかしそんな慎み深い所もアンギラスの魅力であり、矢張りアンギラスは大好きな怪獣です。
初代アンギラス:ゴジラよりも大きく、そしてゴジラ以上の脅威と説明されたそうです。非常に狂暴で好戦的な性格であり、また敏捷性の高さから恐れられたそうです。おぉ、何だか凄い怪獣に思えて来たぞ(笑)。ゴジラが初めて戦った怪獣なのですが、映画の題名は『ゴジラの逆襲』で名前が使われませんでした。・・・以後、ずっと。
二代目アンギラス:私にとってアンギラスと言えば他でもないこの二代目こそがアンギラスです。初代と違って温厚で健気な性格でした。初めて登場したのは『怪獣総進撃』でこの映画に於ける扱いの差が、それまでゴジラの仲間としての立場を確立していたラドンと決定的な差を生んだ様な気がします。二代目アンギラスは単独で暴れる場面こそありませんが、富士の裾野の決戦では主要戦力としてキングギドラと戦いました。対してラドンはギドラと直接戦う事は無く、見せ場である空中戦でもファイヤードラゴンに敗北を喫します。この映画の後にアンギラスは出番を増やしましたが、二代目ラドンはこの映画が最後となったのです。そういう視点で見ると面白いですよね。閑話休題。ゴジラの相棒と言う印象が強いのですが、相棒として活躍したのは『対ガイガン』だけなのですよね。異変を察知したゴジラに「すぐにていさつにゆけ」と命令され従う姿は相棒と言うよりも舎弟に見えてしまいます。・・・相棒です、絶対。タッグマッチでは見事な活躍を見せてくれました。しかし二代目の目立った活躍はこれが最後であり、『対メカゴジラ』では偽ゴジラが偽者である事を瞬時に見抜き迎撃しましたが、顎を割かれ血を流すと言う痛痛しい様子を見せ銀幕から姿を消しました。何か不吉ですね。
三代目アンギラス:FWアンギラスを勝手に三代目と位置付けています。平成に入ってからアンギラスの復活を心待ちにしていました。GMKや東京SOSで候補に上がりながらも実現に至りませんでしたが、それが遂に最終作にて復活を果たしたのです。不細工な顔はどうしても好きになれませんし、ゴジラの相棒ではありませんでしたが、それでもその姿を拝めた事が嬉しいです。しかも暴竜怪球烈弾(アンギラスボール)と言う技が与えられて、これまでとは違った魅力を発揮させました。

むささび怪獣バラン
 GMKで復活予定があったそうですがそれも見てみたかったですね。
初代:可哀相な最期を迎えたそうです。
二代目:『総進撃』には全部で十一体もの怪獣が登場しましたが、その中で二代目バランだけは何の為に登場したのか全く理解りません。十一体の怪獣も扱いは別れ活躍の多寡は異なりましたが、全く活躍が描かれず、描かれる予定も無かったのはバランだけです。取り敢えず活躍云云は関係無く、全ての東宝怪獣を出すと言う意図だったのですかねぇ? また『総進撃』に登場する全ての怪獣が写った有名なスチールがありますが、その中でバランはとても小さく見えました。遠近法の類かと思ったのですが、どうやら幼生と言う事で設定上も小さかったそうです。言われてみればとても可愛いですね。

宇宙超怪獣キングギドラ/宇宙超恐獣キングギドラ/超ドラゴン怪獣キングギドラ/空の聖獣 千年竜王キングギドラ
 とても好きな怪獣ですが幼少の頃はそれほどとも思っていませんでした。ゴジラの永遠のライバルと紹介されていても実感は無く、ひょろひょろとした長い首が簡単に折れそうに見えて弱そうに思っていたのです。それに腕が無いと言うのも何だか良い印象を受けません。好きではあるもののそれ以上に好きな怪獣が多く居ました。しかし何時頃か・・・ミレニアムシリーズの展開中でしょうか、キングギドラが格好良く見えて好きな怪獣となったのです。推測するしかありませんが、キングギドラが最初に誕生した時の衝撃は大きかったのではないでしょうか。三本の首に巨大な翼、そして全身が黄金の鱗に覆われていると言う派手でありながら非常にソフィスティケートされたデザインは、ゴジラやラドンと言ったそれまでの怪獣とは全く異質でインパクトのある魅力を放っています。長く愛されているのは伊達ではありませんね。
初代キングギドラ:初登場でゴジラ、ラドン、モスラの三大怪獣と戦ったからか強いと評判ですが、個人的には期待していた割に余り強いと言う印象は持ちませんでした。しかし空を飛びながら上下左右に動く首から引力光線を発射する操演は確かに見事です。
二代目キングギドラ:ガイガンの兄弟分として紹介されていましたが、ギドラが弟分であると言うのに不満を持っていました。肝心な劇中の活躍は覚えていません。『対ガイガン』のゴジラとアンギラス、ガイガンとキングギドラと言う組み合わせはとても魅力的だと思うものの、デザイン的にギドラは他の怪獣と組むのが似合わないとも感じます。尤も、縦と横に広いギドラに対して、スマートなガイガンは方向性が異なりますので、逆に似合っていると言えるのかも知れませんが。肩書きが違っていますが『流星人間ゾーン』にゲスト出演したギドラもこの個体なのでしょうか?
三代目キングギドラ:VSギドラを三代目と呼んでいます。私は『VSキングギドラ』が初めて映画館で見た劇場映画であり、当然ながら最初に見たゴジラ映画でもあります(もしかしたらそれ以前にビデオやテレビで過去の作品を見ていたかも知れませんが、少なくとも記憶にはありません)。九十一年末から一年間は、このキングギドラが一番好きな怪獣でした。現在でもキングギドラの中で特に好きなのはこの三代目であります。特に顔が良い! 西洋のドラゴンに近い顔がとてもお気に入りなのです。また今から思えば、歴代キングギドラの中でも屈指の強さと言えましょう。しなやかにして強靭な翼はゴジラの放射火炎を跳ね返し、口から吐くプラズマ引力光線の威力は初代、二代目の引力光線を上回っています。随一の巨体でゴジラを弾き、踏み潰し、後一歩の所まで追い詰めました。M101、M102からのコントロールが切れて弱体化しましたが、それでもいきなり敗れた訳ではなく長い首でゴジラを締め付けて泡を吹かせたのです。これがある事で大分印象が違うでしょう。最後は真ん中の首が熱線で吹き飛ばされてしまいましたが、瀕死の状態で二百年間を生き延びたのです。その長寿と生命力には感服しますね。空中を飛行する時は昭和ギドラほど首を動かしませんが、寧ろ厳かで大物に見えました。でも、VSキングギドラ超全集でドラットが融合してこの姿になった事についてクローン説と擬態説が示されていましたが、それはどちらにせよ格好悪いと思います(笑)。
四代目キングギドラ:モスラ3のギドラを四代目としています。『モスラ3』を見た時は未だギドラが然程好きではなく、だからキングギドラが登場すると知っても何とも思いませんでした。しかし劇場で映画を見て、ヤングギドラとも呼ばれる白亜紀型ギドラに心を奪われたのです。現代型の通称グランドギドラが、それまでのキングギドラと余り変わらないのに対して、白亜紀型ギドラが火炎弾を吐く姿はとても格好良く見えました。今はその気持ちも薄れてしまいましたが、それでも当時白亜紀型ギドラがとても好きだったのは良く覚えています。逆にグランドギドラは当時こそ何とも思いませんでしたが、キングギドラと言う怪獣そのものが好きになって行った中で、格好良いと思う様になりました。筋肉質で引き締まった躰が魅力的ですね。しかしごわごわとした翼や角張った首の根元は未だに苦手であります。この個体はエネルギーを吸う為に人間の子供を誘拐しましたが、他のギドラに比して知的に見えました。余談ですが当初は『3』に火の属性を持った新怪獣が登場する予定だったそうです。その事実を知ってからは後述するデスギドラやダガーラの件もあって、現在では『3』にキングギドラが登場した事は余り好意的に思わなくなりました。
五代目キングギドラ:GMKギドラを五代目としています。護国聖獣と言うそれまでとは正反対の属性、設定を持ったキングギドラですが、これはこれで嫌いではありません。最初は完全に覚醒しておらず単にギドラとしか呼ばれない状態ですが、閉じた翼や短い首からもそれが見て取れます。また攻撃のサンダースパークも、完全復活していないから光線が吐けず、噛み付く事で相手の体に直接触れなければ攻撃が行えないのだろうと納得しました。そしてモスラの命を得て完全覚醒を遂げるのですが、その時に巨大な翼をばっと広げるのが格好良く、そしてゴジラの放射火炎を受け止めてから、球状のエネルギーにして跳ね返す場面は頓に興奮しました。しかしながら、その後は頂けません。結局はそれほどの強さも発揮せず、ゴジラに敗北してしまった事で一気に印象は下がりました。だから最終的に、不完全な“ギドラ”は好きだけれども、完全体である“キングギドラ”は好きではないと言う何とも複雑な評価となってしまいます。

地底怪獣バラゴン/地底怪獣 地の聖獣バラゴン
 本邦初の『地底怪獣』だそうです。幼い頃に怪獣図鑑を開いて、母親にどの怪獣が好きか訊ねた事がありました。すると母はバラゴンを指して、「これが一番強そう」と応えたのです。勿論真面目に見ていた訳ではなかったのでしょうが、ミオさんは人を食べると言う説明や口からマグマ熱線を吐くと言うのが強そうに見えるのだろうと深く納得していました。
初代:マグマ熱線、熱核光線を吐く唯一のバラゴンなので一番強そうですね。
二代目:得なのか損なのか理解りませんが本人は何もしていないのに劇中の人から凱旋門を破壊した事にされています。当初はバラゴンの予定が急遽ゴロザウルスに変わったとかで、結果的に実現はしませんでしたが活躍させる意図はあったのですね。。
三代目:GMKバラゴンを三代目としています。ゴジラと大きな体格差がありながら果敢に挑む様には胸を強く打たれました。外見や能力ではなく、性格を好きになった数少ない怪獣です。映像を見る限りでは理解りませんでしたが、ゴジラの放射火炎に強いと言う設定があるそうです。

サイボーグ怪獣ガイガン
 宇宙恐竜をM宇宙ハンター星雲人が改造したそうですが、鱗が見える事からギドラ族との関連が気になります。そういえば名前の前に付く肩書きは出版社によって異なったりしますが、同じ出版社でも時期によって変わったりするのですね。ある資料では未来怪獣ガイガンと書かれていました。統一されていないと言う事は公式な肩書きは存在しないのですかねぇ。
初代:二代目ギドラやメガロと組んで、或いはガロガの配下として登場しました。両腕の鎌が強そうです。
二代目:FWガイガンを二代目としています。初代よりも格段に鋭さを増した鎌を肇として、全体的にガイガンを現代風にした印象を受けました。しかし全体的に細身の体型で、特に殆ど人間と変わらない下半身には大きな違和感を抱きます。上半身だけならば格好良いものの、下半身を見てしまいますと気持ち悪いとすら思いました。外見上の大きな不満ですね。一度は敗北しながらも強化改造されて復活しました(この状態はガイガンII、パワーアップタイプ、強化ガイガン等と呼ばれます)が、その際に両腕の鎌がチェーンソーに換装されているのが、如何にも強くなったと言う風情で分かり易いです。しかし私がこの二代目ガイガンを好いている理由はそれではなく、性格にあります。予告映像で爆発を背景に見得を切る姿が格好良い上に、そんな性格がとても気に入りました。しかし映画本編を見てそれ以上に好感を持ったのが、格好良くポーズを取りながら自分の放った攻撃を避けられずに首を落としてしまう間抜けさです。何と可愛いのでしょうか。

サイボーグ怪獣メカキングギドラ
 九十一年末からの一年間は、メカキングギドラが東宝怪獣の中で一番好きでした。硬質のメカを鎧の様に纏い、金と銀の色合いがとても豪華です。戦闘中に翼が破れてしまいましたので、その影響で翼が脆そうに見えるのが難点でしょうか。改造されたエミーが操縦していましたので、言わば正義の(と言うか人間の)味方であります。その事に気付いた時は嬉しく感じました。余談になりますが、当時のガシャポンでデフォルメされた東宝怪獣を扱っているものがありました。小生はそれを大量に所有していたのですが、その中でもメカギドラは他よりも一回り大きく、しかもゴジラを捕獲する為のマシンハンドまで再現されていると言うお気に入りの一品でした。今では最早手元に残っていないのが残念でなりません。

戦闘魔獣バトラ
 『ゴジラ怪獣図解超百科』では戦闘破壊獣バトラと記載されていました。九十二年末からの一年間は、バトラが東宝怪獣の中で一番好きでした。何故かと言えば、能力や外見も魅力ではありますが、左右性格が格好良いのです。地球の意思が生み出した存在であり、邪悪なものに正義の鉄槌を下しました。宿敵であるモスラとは激しく対立しましたが、助けられたからか、或いはゴジラこそがより環境を破壊する存在と認識したからか、モスラと共闘してゴジラを追い詰めました。これだけでも燃える展開ですが、最後はゴジラを海へ運ぶ途中に命を落としてしまうのです。だから『VSモスラ』での結末にはとても哀しく思い劇場で最初に観賞した時も含めて、見る度にモスラが身代わりになれば良いのにと強く思います。劇場で見た時は気付きもしませんでしたが、『VSモスラ超全集』で成虫よりも幼虫の方が強かったと書かれていました。言葉からは幼虫よりも成虫の方が成熟した、優れた印象がありますが、バトラは活躍だけ見ればそうではありません。同書では状況に応じて形態を変化させると言う考察が成されており、その通りだとすれば幼虫や成虫と言う呼び名は便宜上のものでしかないとも言えます。矢張り同書の同項目に於いて、『もし、人類が、このまま、地球の環境破壊を続ければ、地球生命は、第2、第3のバトラを誕生させないとも限らないのだ。それは、攻撃能力、防御能力、すべての能力を完璧に兼ね備えた、新たな形態をもって出現するだろう。』と結ばれていました。そんなバトラが見れる日を楽しみに待ちたいです。
幼虫:戦いを専門としているだけあって同じ幼虫でも、モスラよりもずっと攻撃的で強そうな外見です。陸上のみならず地中、海上、海中と戦場を選ばず、目から発する破壊光線プリズム光線Aと角からの放電攻撃であるプリズム光線Bで眼前の障害を破壊し尽くします。幼虫の戦闘力には特筆すべきものがあり、ゴジラの放射火炎にも全く怯まず互角以上の戦闘を見せました。事実、水中火山の噴火で戦いは水入りになっており決着は付いていません。成虫とゴジラの戦闘と見比べれば幼虫の方が強かったと言われるのにも納得してしまいます(尤も、例えば相手がモスラ成虫の様に空を飛べる怪獣であればまた話は変わるのでしょうが)。
成虫:黒いモスラと呼び名に相応しい姿で、全身の突起や翼を彩る模様、そして黒と赤と言う組み合わせが格好良くも禍禍しいです。幼虫の時と違い光線は目から発するハイパワープリズム光線のみとなりましたが、破壊力はより増していると思われます。しかし(超全集の指摘を読むまで気付きませんでしたが)、攻撃力や移動速度、行動範囲の増大とは裏腹に防御力は寧ろ低下しており、ゴジラの熱線を一撃でも受ければ瀕死に追い込まれると言う脆弱性を見せています。幼虫よりも成虫の方が好きな小生はこの事実を知った時は残念に思いました。しかし怪獣の中でも昆虫怪獣と言うのは耐久力が弱い印象がありまして、バトラの場合は幼虫よりも成虫の方が昆虫を想起させる外見をしています。だから同時にある程度納得する側面もありました。

ヤマタノオロチ
 『超時空SFアドベンチャーヤマトタケル』に登場した怪獣のヤマタノオロチです。八本もの長い首、他を圧倒する巨体、その格好良さには痺れるばかりです。こんなギドラが見たいなぁ。

リトルゴジラ
 成長前であるベビーゴジラとも、成長後であるゴジラジュニアとも似ていませんが、とても可愛いので大好きです。一回限りには勿体無い可愛さで、この姿のままでミニラの様に何作にも出演して欲しかったです。

戦闘生物スペースゴジラ
 九十四年末からの一年間は、スペースゴジラが東宝怪獣の中で一番好きでした。だから、宇宙怪獣の中でも最も強くて偉い存在でキングギドラとかも部下に従えているだろうと妄想していました。肩や背中の結晶、凶悪な顔つきがとても格好良いです。宇宙のゴジラと言うのと相俟って、ゴジラよりも強そうに思えました。光線の軌道を自在に変じる『コロナビーム』、六万トンもの重量を誇るゴジラを軽軽と持ち上げた『グラビトルネード』、放射火炎を完全に防いだ『フォトン・リアクティブ・シールド』と実に強力な技を持っているのが特徴ですね。

完全生命体デストロイア
 九十五年末からの数年間は、デストロイアが東宝怪獣の中で一番好きでした。最初に『VSデストロイア』のポスターイラストと『ゴジラ死す』と言うキャッチコピーを見た時、ゴジラが新怪獣のデストロイアに殺されてゴジラジュニアが仇を討つ作品だと信じて疑いませんでした(怖ろしい事にその思い込みは作品を見た後も続いていました)。それもあってかずっと他のどの怪獣よりも好きだったのですが、暫くしてその気持ちが変化し始めたのです。丁度キングギドラに魅力を感じる様になるのと対照的に、デストロイアが一番好きな怪獣ではなくなっていきました。そして同時に、当初から感じていた違和感が強まりました(好きではなくなったから強まったのか、強まったから好きではなくなったのか定かではありませんが)。そう、東宝怪獣らしからぬデザインなのですよね。以前までなら多少の引っ掛かりを覚えつつも、好きだと言う気持ちの方が強かったのですが、それが無くなると気になってしまう部分がどうしてもあります。そして強いと信じていたデストロイアですが、改めて作品を見ていると実は大した事がありません。ゴジラを殺すなんて持っての他、それどころかデストロイア自身は自衛隊の攻撃で滅んでいるのです。人間の手で斃される、これほど怪獣に弱いと印象を与える要素はありません。実は冷凍攻撃を受けた後にゴジラと戦いメルトダウンに巻き込まれると言う場面がありながらカットされてしまったそうです。メルトダウンに巻き込まれるのであれば何とか最強怪獣としての体裁が保てますから、其方が実現して欲しかったですなぁ。現在でも好きな事には変わりはありませんが、当時ほどではありません。
微小体:最初の形態ですが、劇中では姿を見せていませんよね・・・? しかし一番好きだった頃は数多くの姿に変化すると言うのが一種のステータスでしたので、例え姿を見せようが見せまいが重要でした。
クロール体:水が魚を食べる様子が印象に残りました。
幼体:人間と同程度の大きさと言うのが新鮮です。また口から吐くミクロオキシゲンで、自衛隊員の腹部に穴を穿ったのはとても印象強かったです。
集合体:当時は途中形態の一つとしか思っていませんでしたが、今から思えばこの姿が最終形態でも良かったのではないでしょうか。その場合は一時的にでも一番好きな怪獣となる事は無かったでしょうが、デストロイア独自の姿として他の怪獣との差別化が図れたと思います。
飛翔体:ヘドラの飛行期に続く伝統なのです。
完全体:デストロイアが一番好きな怪獣だった時期があったのも、この完全体があってこそです。とにかく格好良くて強そうでした。印象的な場面として長い尻尾でゴジラの首を締め付け、そのまま引き摺って飛行すると言うのがあります。残虐な性格が表現されていましたが、元元が格好良いと言う方向性ではなかったのですね。口からはオキシジェンデストロイヤー光線(レイ)を吐きますが、映像では何の変哲も無い破壊光線でした。これが触れる建物を液状化させてしまうとかであれば、もっとデストロイアがオキシジェンデストロイヤーの産物と言う側面、そして如何に脅威であるかが伝わったのでは、と思わされます。その他にゴジラの皮膚を切り裂いたヴァリアブル・スライサーが所謂“技”として名前もありますが、昔はスペースゴジラに比して技の数が少ない事が不満の一つでした。

宇宙超魔獣デスギドラ
 キングギドラとは別のギドラ族と言うのが新鮮なのですが、『モスラ1』は劇場で見なかったので当初は存在すら知りませんでした。どうやってデスギドラを知ったのかは忘れてしまいましたが、最初に見た時はその余りの格好良さに見惚れてそれこそデストロイアに匹敵するほど好きになった様な気がします。特に口から本物の火炎を吐くのは好感度が高いですね。ビデオを一度見ただけのおぼろげな記憶ですが、森林を激しい勢いで突進する姿が迫力満点でした。後に登場するダガーラやキングギドラよりも強そうな印象があるのですが、設定の凄さはそれ以上です。本体はマグマ状の不定形物質であり滅びる事が無く、これまでに交戦した相手の長所を併せ持った姿と言うのです。しかしその設定は凄さに感嘆する反面、ギドラ族と言う側面が薄れてしまいました。また後に『モスラ3』で本家であるキングギドラが登場してしまい、デスギドラの立場と言うものが不鮮明になってしまった感があるのが残念です。

海魔獣ダガーラ
 資料によっては魔海獣ダガーラだったり、魔怪獣ダガーラだったりしますが、個人的には海魔獣表記が一番好きですね。それに今気付いたのですが、デスギドラと魔獣シリーズとしての統一感があります(尤も、『3』のキングギドラには継承されていませんが)。とても知名度が低い怪獣ですが平成の東宝怪獣では非常に少ない完全な新怪獣です(他には海神ムーバくらいでしょう)。その事実と知名度の低さから来る扱いの悪さから好きな怪獣となりました。また水中怪獣と言うのも矢張り平成の東宝怪獣では珍しいですね。しかし平成モスラ三部作では一作目と三作目の怪獣が共にギドラ族であり、その中でダガーラだけが浮いている様に見受けられます。知名度の低さもそれが一因でしょう(それを別にしても、概して二作目と言うのはマイナーになりがちですが)。ちょっと残念ですね。

超翔竜メガギラス
 古代昆虫メガヌロンが再登場する、最初にそれを聞いて喜びました。しかし改めて考えると、それが枷となりまた完全な新怪獣が登場しなかった事を意味しています。だから嬉しい反面少しばかり残念にも思いました(尤も、それはメガギラスと言う怪獣の価値を貶めるものではなく、飽く迄も平成に入ってから純然たる新怪獣が少ない事への不満でしかありません)。そう思いはしたものの、メガヌロンから古代昆虫メガニューラを経て、メガギラスに繋がるこの怪獣自体は好きです。単体で人間を襲う幼虫メガヌロン、大量の個体が一気に脱皮する姿、そしてゴジラに纏わりつくメガニューラと魅力的な描写が多多見られました。特にゴジラとメガニューラの戦闘は『×メガギラス』でも白眉と言えます。更に、大量の個体が親玉にエネルギーを注入して誕生するメガギラス。これまでの飛行怪獣に多く見られた衝撃波ではなく超高周波による攻撃描写は新鮮でしたし、何と言っても注目したのはゴジラとの一騎打ちです。その戦いでは非常に素早い動きを見せ放射火炎を何度も躱し、逆に尻尾をゴジラに突き刺してエネルギーを吸収しました。この戦闘が左右魅力的で、映画そのものがとても面白く感じられたのを今でも鮮明に記憶しています。その他に吸収したエネルギーを球状にして撃ち出すと言う、一度限りの大技を見られましたが、他に比べると印象が薄く感じられました。最後にこの怪獣を好きになった理由がもう一点挙げられます。それは蜻蛉をモティーフにした怪獣だと言う事です。既存の生物を巨大化させて怪獣として仕立てると言うのが近年の東宝怪獣では珍しい事から好感を持ちました。

宇宙隕石怪獣モンスターX/宇宙最強超怪獣カイザーギドラ
 モンスターXを最初に見た時は怪人に近い体型を見て東宝怪獣らしからぬデザインだとは思ったものの概ね好意的に捉えていました。ゴジラやガイガンの様な既存の怪獣が人間的な細身にアレンジされる事には抵抗があるものの、全く新しいのであれば中にはこんな怪獣が居ても良いだろうと思ったのです。しかしまさかその正体がギドラ族であったとは、はっきり言って劇中で開かされる瞬間まで考えもしなかったので豪く驚かされましたよ。特別に好ましく思った訳ではありませんでしたが、劇中でゴジラと全く互角の戦闘を繰り広げるのを見て格好良いと感じる様になりました。両肩にも顔らしきものが配置されており、小生はそれを脱皮した後の抜け殻を連想していましたが、カイザーギドラへと変貌する場面を見て三つ首だった事に初めて気が付きました。攻撃方法は主にパンチやキックと言った格闘ですが、長く撓る尻尾を鞭の様に利用するのが特徴的です。また『引力光線デストロイド・サンダー』をも使うのですが、これまでの引力光線とは異なり曲線的な軌道が印象に残りました。モンスターXの装甲は硬く、事防御力に限ってはカイザーギドラを上回るそうですが、個人的な妄想では拘束具を想起します(GFWの感想を見直したらそう書いてあったので当時のミオさんはそう思っていたらしいです(ぉ )。カイザーギドラを御するのは難しいので骸骨を思わせる拘束具でその躰を覆い尽くし、力を抑える事でどうにか操っているのでは無いでしょうか。時にモンスターXと言う名前は、『怪獣大戦争』でキングギドラがX星人から呼ばれていた『モンスターゼロ』からとられているのですかね?
 真の姿であるカイザーギドラの登場には驚き、当時はこれぞ理想のギドラと喜んだものです。ドドンゴを思わせる(実際、巷では三つ首ドドンゴと呼ばれていました)四足歩行の巨躯でゴジラを圧倒する姿は格好良い以外の何物でもありませんでした。そのまま疾走する姿や後足で立ち上がると大迫力です。『引力光線デストロイド・カイザー』の威力も見物でした。しかし実を言えば、現在は理想のギドラとまで思っていないのが真相です。鱗に覆われていない皮膚はキングギドラほどの美しさが無く、同じ四足歩行であればデスギドラの方が魅力的で、小さな翼は何とも貧相でした。何もこれは今になって思い始めた訳ではなく、多かれ少なかれ同種の感想を最初から抱いてはいたのです。その時は気にしない様に努めていましたが何時までも気持ちを偽り続けられるものではありません。デストロイアの時と同じ道を歩んでいますね(苦笑)。それからこれはその流れとは関係がありませんが、『宇宙最強超怪獣』と言う肩書きは語呂が悪くエレガントではありませんね。モンスターXの『宇宙隕石怪獣』は特徴を巧く評していると思うのですが、此方は今一です。ギドラの宇宙超怪獣を基本に最強と言う単語を付け加える意図は理解りますし、それ自体は好きな調子ではありますが語呂の悪さは如何ともし難いものがあります(実際、東宝怪獣ではありませんがUキラーザウルスの『究極超獣』も近いのりです。しかし音にした時の美しさは雲泥の差でしょう)。
 最後に、カイザーギドラの果たせなかった小生にとっての理想ギドラですが、キングギドラとヤマタノオロチとデスギドラとカイザーギドラを足したのが印象としては近い事を附記しておきます。余談でした。

超音波怪獣ギャオス/超遺伝子獣ギャオス
 ガメラが敵対した怪獣の中では最も有名で代表的な存在です。有名だからか復活したのか、復活したから有名になったのかは理解りませんが、昭和に登場したガメラ以外の大映怪獣では唯一平成の世に復活しました(私の認識では平成三部作以前からギャオスがガメラの敵として代表的な座についていたと思いますが)。とても好きな怪獣で飛行怪獣として似ているラドンよりも好きです。しかしガメラよりも弱いと言う印象を持っており、何となくではありますが火炎噴射やプラズマ火球の一発で撃墜されそうです。多くに共通して人肉を食すと言う特性を持っています。平成のガメラ作品に於けるギャオスの影響は大きく、登場回数が多いばかりかレギオン以外が多かれ少なかれギャオスと関連を持っています。しかし大量に登場した事もありギャオスと言う存在が軽んじられてしまい、すっかり雑魚と言う印象が定着してしまったと思うのは私だけでしょうか?
超音波怪獣ギャオス:昭和ガメラに登場した個体で超音波メスが主な攻撃手段、他に胸から消化液を噴射すると言う特殊な能力を有しています。
宇宙ギャオス:ギロンに両断された事で有名な銀色のギャオスです。幼い頃にこの場面を見た時は『対ギャオス』に登場した個体で、少年漫画にありがちな展開でガメラに敗北してから仲間になったのだと思っていました。仲間になったばかりなのに死んでしまって可哀相だと思ったものです。インターネットに触れるまで別の個体であると言う事を知りませんでした。それがあり初代よりもこの宇宙ギャオスの方が好きです。それにしても宇宙ギャオス・・・ギャオスと言うのは地球ばかりか、宇宙にも殆ど同種の怪獣が生息しているのですなぁ。何気無いながら凄い事なのではないでしょうか? ・・・いあ? 宇宙超怪獣と千年竜王が存在するキングギドラも似たようなものかしら?
超遺伝子獣ギャオス:平成ガメラの第一作『大怪獣空中決戦』に登場したギャオスで、私はこのギャオスが一番好きです。現代風にアレンジされた姿がとても格好良いと思わされました。しかしこの時を絶頂に、この後に出て来るギャオスでこれを超えるギャオスには出会えていません。玩具では商品名としてスーパーギャオスと言う名称が使われたそうですが、これがもっと広く知られ定着していれば名前を呼ぶのに分かり易くて良かったですなぁ。
ギャオスハイパー:スーパーギャオスとは対照的に余り好きではありません。理由? ・・・うん、言わなくても理解るかも知れませんが、例によって例の如くCGです。
オリジナルギャオス:ギャオスハイパーとほぼ似た印象です。体色はハイパーの方が好きなので、そういう意味ではハイパーよりも更に評価が下がるのかも知れません。

宇宙大群獣レギオン
 時時によってスーパーギャオスと入れ替わる事もありますが基本的に一番好きな大映怪獣です。ガメラと並ぶとその全長に圧倒されますね。

海魔獣ジーダス
 SFムービーセレクションで見て好きになりました。顔の両側に展開している襟巻きや背中に生えている突起状の背鰭が格好良いです。エリマキトカゲがモティーフと言う事で、既存の生物を巨大化させた初期の東宝怪獣を想起させました。好きになってから色色と調べて、肩書きがダガーラと同じ事に驚きました。