好きな仮面ライダー


仮面ライダーオーガ
 『帝王のベルト』の“地”でありスマートブレイン社のライダーの中では最強、フォトンブラッドの色は最強を示す黄金、漆黒に輝くボディはファイズやカイザに使われているソルメタルを上回るルナメタル、風に靡くマント、ギリシャ文字の『Ω』がモティーフと、これだけミオさん好みのポイントが集まっていながら、凄く格好良いという印象を抱かないのが不思議なライダーです。事実、上記のポイントは非常に好みな物ばかりですが、どうしてもオーガ自体は凄く格好良いというところまでは及びません(無論格好良い事は格好良いですし、好きな事は好きなのですけれどね)。その要因の一つに、ファイズやカイザ、サイガ等のライダー達とのデザインの差異があります。それらのライダーと比してメカニックな部分が足りないかなぁ、と思います。実際細かい部分を一つずつ比較すると基本ラインは同じものを則っているのですが、印象がどうしても異なるのですよね。しかし、武器である『オーガストランザー』のデザインは秀逸だと思います。初見の印象こそ世界観が異なった風に思えましたが、よく見ると中心部位にはファイズエッジやカイザブレイガンと同様のフォトンブレードが存在、そしてサイドにそれを補佐する如く実剣が装備されている辺り、ファイズエッジやカイザブレイガンと共通の要素を持ち合わせながらも、それよりもワンランク上と言った雰囲気が漂っていて素晴らしいです。ミッションメモリーを装填し現れる巨大なフォトンブラッドの刃も良いです。必殺技の『オーガストラッシュ』はこの状態で斬りつけるのでしょうか。唯、武器がこれ一つと言うのは少々残念です。同じ武器が一つでも、サイガのフライングアタッカーの様にその不足分を補って余りある武器を装備していれば良いのですが、残念ながらオーガの場合はそれには及びません。個人的に理想として、現在の状態に加え、フライングアタッカーに匹敵するツール、ファイズブラスターに匹敵するツール、変形する愛機を兼ね備えた、最高のオーガを何らかの形で見てみたいものです。オーガの戦闘スタイルは極めて単純で、その高い基本能力で敵を圧倒します。ファイズとの戦闘では殆ど右腕しか使っていません。派手さにこそ欠けますが、最強のライダーとしての風格が感じられ、右腕一本でファイズを斃せると言う強さが感じられました。オーガに変身するのは木場勇治。勇治が嫌いだと言う訳ではありませんが、装着者が勇治と言うのはあまり似合っていないと思います。それなら誰が良いのかと問われても困るのですが・・・そうだ、村上社長ならどうでしょうか。勇治よりも似合っていると思います。

仮面ライダー一号
 切欠はとんと記憶しておりませんが、何時の間にやら好きになっておりました。コアなファンの間では旧一号の人気が高いようですが、私は銀のラインに彩られた新一号の方が好きです。それまで(良し悪しは別にして)地味さが漂っていましたが、新一号はそれを吹き飛ばす、実にヒーローらしいカラーリングと思います。

スカイライダー
 昔は特別好きだったわけではないのですが、ある時から急に好きになりました。何処と無く一号、二号を思わせる風貌や、同じく彼らを思い起こさせるかのように、旧バージョンと新バージョンに分けられる所が良かったです。

仮面ライダースーパー1
 昭和ライダー(第一期、二期、そしてZX)の中で間違い無く一番好きなのがスーパー1です。これまでには無いつり目、銀と言う高貴な色で全身を染め上げられ、雀蜂と言う他に類を見ない格好良いモティーフを持つ彼は、最高の輝きを放っておりました。設定的にもそれまでの八人を圧倒する、強力な能力を与えられている所も嬉しいです(スカイライダーの様に空を自在に飛ぶ事は出来ませんが(厳密に言えばスカイライダーも空を飛ぶ事は出来ないのですがね。単に長い滞空時間と、跳躍中に自由に向きを変えられると言うだけで)、そのジャンプ力は無限!)。兵器と言っても差し支えない、強力なファイブハンドを備え、用途によって使い分ける二種のマシンを持つ(個人的には昭和ライダー中最速の最高速度を持つ、Vジェットが好きです)。ライダーマンのカセットアームを受け継ぐファイブハンド、Xライダーの深海やスカイライダーの空中をも越える宇宙で活動可能、エレキハンドによる電撃など、これまでのライダーの良い所取りの様な印象があって嬉しいです。非常に豪華な事この上ありません。両腕のフリンジは時代を感じさせますね(笑)。

仮面ライダーZX
 幼少の砌から今日に至るまで、素直に格好良いと思った事は決してありません(ぉ しかし外見が格好良くない、即ち好みに合致していなければ嫌いと言う訳ではないことは言うまでも無く、寧ろ十人の中ではスーパー1が格好良ければそれで良いのです(ぉ つまり何が言いたいのかと言えば、小生はZXが好きなのです。
 村雨良をZXに改造したバダンの出自を考えれば、ZXの性能が単純比較では歴代ライダーを上回ると言うのにも納得がいきます。核エネルギーを動力とする点からも他のライダーを上回ると言うのが伝わりますね。躰の九十九%が機械改造されたパーフェクトサイボーグであるZXは全身に武器を隠し持っていると言います。肘には十字手裏剣を、手の甲にはマイクロチェーンを、膝には衝撃集中爆弾を、ベルトには虚像投影装置を、左太腿には電磁ナイフを装備し、手足のスリットからはレーダー攪乱煙幕を噴射する事が可能です。これだけの武器を内蔵していると忍者ライダーと言う異名にも説得力があります。

仮面ライダーBLACK
 これまでとは一線を画し誕生した新たな仮面ライダーはとにかく格好良いです。先ず印象に残るのが変身シークエンスでしょう。拳をぐぐ、ぐっと固め精神を集中、一定の変身ポーズを決めながら『変、身!』の掛け声、キングストーンが輝きバッタ男へと変身、その上から装甲が躰を覆い全身から蒸気を噴出し、「仮面ライダーブラック!」。この格好良さは全ライダーの中でも群を抜いております。そしてそのフォルムも負けておらず、関節の露出した筋肉が格好良さを引き立てました。またブラックのライダーキックは、数あるライダーキックの中でもトップクラスに好きな部類です。空気との摩擦熱で脚が赤く発光する所が特徴的ですな。

仮面ライダーZO
 嘗てはベルトをしていないと言う点に違和感があり好きになれない面が確かにありました。しかし時を経てそれを割り切る事が出来るようになってから好きなライダーとなりました。特筆すべき点と言えばクラッシャーの開閉機能が備わっている事でしょうか。あたしは地味ながら仮面ライダーを構成する部位に於いてクラッシャーを重要視しています。しかしクラッシャーの開閉が再現されているライダーは意外に少ないのですよね。だからそれがあると自然評価が高くなります。ZOのクラッシャーが格好良いかどうかは別問題ですが(ぉ とても格好良いZOですが、頭部から噴き出す蒸気は滑稽に見え、同じ蒸気でもブラックとは豪い違いだと思った事を付記しておきます。

仮面ライダーJ
 設定的な繋がりが存在しないのにZOに酷似している、その一点が引っ掛かって好きになれませんでした。しかしある時にふと割り切る事が出来たので現在では問題と思っていません。そしてそれを除外すれば決して嫌いではありません。単純に外見を比較するとZOの方が格好良いと思いますが、ZOをも上回る跳躍力は魅力的ですし、そして何と言っても特筆すべきは巨大化能力でしょう! 周知の通り巨大化が出来る仮面ライダーはJだけです。それは決して他のライダーには無い大きな魅力でしょう。でも名前の由来が『ジャンボ』と知った時は格好悪くて幻滅したというのは画面の前の君と僕だけの秘密だヨ♪(ぉ
 蛇足ですがテレマガでライダーキックの威力を示すランキングが掲載された事がありました(似た様な企画は私が知る以外にも沢山あったのでしょうが)。その一位に輝いていたのがJのジャンボライダーキックです。当時はJが最新の仮面ライダーだったからなのでしょうが、私はその結果に妙に納得してしまいました。一人だけ巨大化するのですからそりゃ桁違いでしょう。ちなみに二位はRXのRXキック、三位が一号、二号のライダーダブルキックでした。その記事でRXキックは両脚で放ち、しかも先端が白熱すると知ったのです。見るからにRXキックは強そうでしたし、ライダーダブルキックも二人の協力技ですから矢張り高い威力を誇るのでしょう。実際の設定はさておいて、当時のミオさんが得心がいった結果でした。

仮面ライダークウガ
 新世代ライダーとして銘打って登場した新たな戦士は、鍬形虫をモティーフとしていました。プロテクター状のボディや大きな角が外見的には印象強く、ストロンガーに似ていると感じさせました。その最大の特色は複数のフォームを持つ事です。今となってはそれも珍しくありませんが、恐らく一番それが丁寧に描写され、その必然性も感じられた様に感じます。マイティ、ドラゴン、ペガサス、タイタンフォームの必殺技名は玩具のパッケージで初めて知り、クウガキックだと思っていたので驚きました。
グローイングフォーム:未完成形態との設定で、能力を使い果たした時にもこの形態になってしまいます。蛹(その時、クウガの怒りは頂点に達した!(違))をイメージしたであろう白色のボディや、通常よりも短いコントロールクラウンが未完成形態なのだと感じさせます。その白いボディは清潔感があり好きなのですが、ゲームではそれが再現されていなかったのが残念です。
マイティフォーム:クウガの完成形であり、全ての基本となる赤の形態です。能力のバランスが良く、特に武器を使わずに素手による格闘で敵を斃します。必殺技は炎を帯びた跳び蹴り『マイティキック』。
ドラゴンフォーム:跳躍力や俊敏力に秀でた青の形態。画面上でもその高いジャンプ力は見事に再現されていました。この姿で戦う際は、五代雄介の特技である中国拳法を駆使します。非力さをカバーするために使う武器の『ドラゴンロッド』は棒状のものを変化させる事で誕生、それによる必殺の一突き『スプラッシュドラゴン』はマイティキックと同等の威力があります。
ペガサスフォーム:五感が最大限にまで高められた緑の形態ですが、その便利さとは裏腹に変身可能時間には制限が設けられます。制限時間の五十秒を超えると強制的に変身が解かれ、二時間ほど回復させないと再び変身する事は出来ません。武器は拳銃などを変化させた『ペガサスボウガン』で、驚異的な五感で遠距離の相手を射抜く『ブラストペガサス』が必殺技。
タイタンフォーム:軽快さは失われますが、驚異的な装甲の厚さとパワーを得る紫の形態。相手の攻撃を受けながらも前進し間合いに入り込み、『タイタンソード』から放たれる必殺剣『カラミティタイタン』で貫くのが基本戦法です。クウガの初期形態の中で一番好きな形態です。何と言っても武器が剣と言うのが良いですし、いかり肩が格好良いです。思えば最初に主題歌を見た時は、録画したテープを一時停止しながら各フォームを確認していました。その時から剣が武器のこの形態が気に入り、登場が楽しみでした。
ライジングマイティフォーム:マイティフォームが最大限に能力をほうしゅるするその一瞬にのみ、超変身する姿ですがアクセントとして加わった金のラインや、右足のマイティアンクレットがマイティフォームよりも格好良いです。必殺技の『ライジングマイティキック』は破壊力絶大。最初は幼児誌のCFでライジングフォームと言う名前と、その姿を知りました(付録のなりきりセットでしたから明確には理解りませんでしたが)。マイティフォームと殆ど変わっていないので疑問に思いましたが、四つのフォームに其々用意されていると知った時は得心しました。
ライジングドラゴンフォーム:若干貧相な感のあったドラゴンフォームでしたが、パワーアップしてイメージが崩れない程度に逞しくなりました。矢張り金のラインが格好良さを引き立てます。武器の『ライジングドラゴンロッド』も刃が加わり強そうに生まれ変わりました。
ライジングペガサスフォーム:例によって金のラインが加わり、それだけで印象が良くなりました。『ライジングペガサスボウガン』も例の如く格好よくなっております。
ライジングタイタンフォーム:この形態のみ他のライジングフォームとは変更が著しく異なります。そもそもタイタンフォームは紫がメインなのではなく、銀色の装甲に紫のラインでした。しかしライジングになり紫の装甲に金のラインとなりましたので、印象の違いが大きいです。無論格好良くなっています。武器である『ライジングタイタンソード』がかなり格好良いです。ライジングフォームの中では最も早く登場したため、ライジングマイティキックで斃したガメゴを斃せず若干弱い印象があるのですが、ザージャ戦で見せた『ダブルカラミティタイタン』の勇姿は文句無しです。
アメイジングマイティフォーム:予備知識無しの状態で突如登場した為、驚いたのを記憶しています。最初に見た時は『黒いライジングドラゴンの両足キック』という印象でしたが、良く見れば全然ドラゴンフォームの意匠は無いのですよね。体色や暗闇の所為か細身に見えてしまいました。最終形態への途上に当たりますが、ライジングマイティが黒くなり両足にアンクレットが装備されたりと、そのパワーアップが外見からも見て取れました。必殺技の『アメイジングマイティキック』も両足で蹴っているため説得力を感じました。
アルティメットフォーム:初めて目にしたのはホビージャパン誌に掲載されていた、装着変身の紹介写真でした。その瞬間惚れました。黒と金と言う非常に好みの組み合わせ、禍々しいほどの突起の数々が相当格好良かったです。アルティメットウェポンの数々、究極を意味する名前、全てが素晴らしく見えました。満を持して最終決戦に登場した時は、白銀の世界に黒いボディが映えていました。あの最終決戦や最終回への流れに全く不満はありませんが、それでももっと活躍を見たかった、と言う思いもあります。それだけの魅力を感じさせる形態です。

仮面ライダーアギト
 クウガの後を受けて誕生したライダーですが、第一印象はそのものずばりクウガに準拠しているな、と言うものでした。しかしながら、個人的にはクウガよりも格好良いと思っています。モティーフが龍である事や、過剰エネルギーを放出する際の角の展開ギミックが特に格好良いです。難点としてアギトはクウガ同様様々な形態を持っているのですが、その必然性や特徴が初期は巧く描かれていなかった様に感じます。そういえば当時、ボンボンにてベルトがポイントになっていることから、クウガの延長線上にある存在と思われる、と言った趣旨の事が書かれていましたが、全然違いましたな。
グランドフォーム:超越肉体の金。基本形態にして格闘戦を得意とする姿です。特に初期にその傾向が顕著なのですが、翔一とは別人格と思わせる冷静で戦闘のプロと思わせる戦いぶりが格好良いのです。そして戦闘が終盤になると気合いを集中し角が展開、足元に紋章が浮かびそのエネルギーを集中して、必殺の『ライダーキック』が炸裂。敵の爆発を背にポーズを取り余韻に浸る姿もたまらなく格好良いです。また、最強の必殺技として『マシントルネイダースライダーモード』に乗り、その加速力を利用して放つ『ライダーシュート』もあります。本編中ではアクティア戦にのみ使われましたが、それが余計に強いのだと言うことを実感させます。余談ですが番組開始当初、アギトの必殺技はアギトキックかグランドキックかと思いました。三種の中で一番防御力が高いと言う設定を知った時は新鮮に思い気に入りました。
ストームフォーム:超越精神の蒼。風を自在に操る能力を持ちます。クウガで言えばドラゴンフォームに相当する形態と思われますが、それが番組中では描写されていなかった様に思います(別段その事に不満はありませんが)。また、精神力に優れると言うのもよく理解りません。そもそも同一人物なのですから形態によって精神力に差があると言うのは可笑しいと思うのですが、何となく気持ちが昂ぶるような感覚なのでしょうか。『ストームハルバード』と言う武器の名前が殊更に格好よく感じました。必殺技である『ハルバードスピン』も先ず風を巻き起こしてから斬りつけると言う手順が気に入っています。また、パレオ戦ではライダーブレイクと同じ要領で斬りつける『ハルバードブレイク』も披露しています。
フレイムフォーム:超越感覚の紅。炎を自在に操作し高いパワーを誇ります。その上感覚に優れており、クウガで言えばタイタンフォームとペガサスフォームの長所が合わさった様な感じで文字にすると凄い気がしますが、別段それは描写されていませんでした。武器として『フレイムセイバー』を持つ事から初期の形態では一番好きです。刹那を見極めて一刀両断する『セイバースラッシュ』も中々。
トリニティフォーム:次回予告で見た時は当初、単にフレイムセイバーとストームハルバードを同時に持っているだけかと思ったのですが見返してみて、初めて新たなフォームだと言う事に気付きました。グランド、ストーム、フレイムの長所を集めた様な印象です。登場回数が極端に低く、あまり注目される事の無い形態ですが個人的には好きなフォームの一つです。基本三形態の技は全て使えますがそれに加え、セイバーとハルバードによる同時攻撃『ファイヤーストームアタック』、両足で蹴りを見舞う『ライダーシュート』と言う独自の必殺技を持ちます。両方ともそれまでの技との差別化に成功し、より強力な技である事が分かりとても気に入っています。
バーニングフォーム:強力なパワーを誇る炎の戦士。炎と言うのはフレイムフォームと被るのですが、個人的な解釈では炎と嵐を練り合わせ更に強力な炎、爆炎とでも言うべきものを生み出した戦士でしょうか。極限にまで発達した筋肉が見る者を圧倒させ、問答無用の力強さを感じさせます。特に最初に変身した際、パンチ一発でマンティスロードを粉砕し強烈な印象を与えてくれました。とにかくバーニングフォームはこの時の印象が強いです。スペシャルではそのパワーを制御できなかった描写もあり、荒々しいまでの強さを感じさせとても格好良かったです。己の肉体の他に『シャイニングカリバー』を武器とします。カリバーを槍状のシングルモードにして切り裂く、『バーニングボンバー』も『バーニングライダーパンチ』ほどの印象はありませんでしたが、強敵水のエルを斃しています。アギトのフォームでも一、二を争うほど好きです。
シャイニングフォーム:アギトの最終形態です。バーニングフォームの状態で日光を浴びて、脱皮するかのように新生します。光り輝き非常に美しく仕上がっています。ワイルドなバーニングフォームとは対照的にスマートで王道的な格好良さがあります。何と言ってもフォルティス戦が最高です。残像を発生させながら格闘を行う様は、白銀のボディとあいまり非常に格好良いです。今でもこれを越えるものは見た事がありません。この形態では『シャイニングカリバー』は二刀流のツインモードにさせます。二刀流を鮮やかに操り『シャイニングクラッシュ』を決めるシーンもまた格別です。更に、必殺技の『シャイニングライダーキック』は宙に浮いた紋章を貫き、加速する描写があるのですがこれがまた格好良いのです。バーニングフォームとは異なる魅力を持った形態です。

仮面ライダーギルス
 『アギト』には三人のライダーが登場すると知った時に一番格好良いと思ったのがギルスでした。アマゾンからの流れを汲むであろう生物的なデザインが印象に残りました。そして待望の本編での活躍も、何とも素晴らしいものでした。外見そのままのワイルドなアクションは迫力があり非常に格好良く、叫びと共にクラッシャーが開くのが最高でしたね。事クラッシャーに限って言えば数多く存在するライダーの中でもぴか一です。必殺技の『ギルスヒールクロウ』も、キック技でありながらアギトとの差別化に成功していて印象深かったです。両腕からクロウや鞭を出して戦う場面や、生きた装甲が寄生していると言う設定も好みです。また、愛機の『ギルスレイダー』はバイオホッパーやアクロバッターを彷彿とさせる外見でした。意志を持っていると言う設定は良かったのですが、バイオホッパーの様に言葉を発した方が玩具的にも特徴が際立って良かったのでは、と思います。

仮面ライダーG4
 G3やG3−Xのメカニックなライダーと言うのも好きでしたが、G4はそれらの発展としてさらに魅力的に思えました。黒いボディが単純に格好良いですし、武器としてギガントが最高です。G3を圧倒する火力を有していると言う事を感じさせてくれます。劇中ではGG−04改四式とギガントしか使用しませんでしたが、他の武器も使えると思っています。また、初登場の際に空中のヘリコプターから飛び降りたのがたまらなく格好良かったです。

仮面ライダー龍騎
 写真で見た時はボディの赤が安っぽく思えたのですが、映像で見ると気になりませんでした。格子を思わせる顔面など独特の形状が巧く纏まり、スマートで格好良いライダーに仕上がっていると思います。必殺技である『ドラゴンライダーキック』は若干名前が安直に感じたり、バンクが冗長に思えた事もありますが、迫力満点の格好良い技だと思います。『ドラグクロー』から放たれる『昇竜突破』も文句無しの格好良さです。
 サバイブは指人形を見た時はとても格好良いと思いました。しかし実際に確認してみますと、妙に横に広がった頭部が今一です。それ以外は問題無いのですが左右その一点が悪印象を与えています。必殺技『ドラゴンファイヤーストーム』の豪快さは素晴らしいです。

仮面ライダーナイト
 特別格好良いとは思いませんでしたが、マントを纏っている事や『ウィングランサー』の形状が好みでした。
 サバイブになるとその地味さから一転して、派手でヒロイックなデザインとなりました。好みの方向でありとても格好良いと思いました。バイクに跨る為に二条に分かれたマントは、アナザーアギトのマフラーを思わせました。『ダークブレード』と『ダークシールド』で武装した姿は『ウィングランサー』とは別種の格好良さを供えています。ダークレイダーから光線が発射され相手を捕縛、そのまま突撃する『疾風断』も格好良いです。

仮面ライダー王蛇
 デザインに特別な魅力を感じるわけではありませんが、浅倉威の性格が印象的です。龍騎同様名前が漢字表記である事が強力な存在だと言う事を窺わせます。その名前も王者と蛇をうまく掛け合わせた絶妙なネーミングだと思います。召喚機『ベノバイザー』が杖と言う事には疑問を覚えましたが、神官をイメージしているのではないかと言う意見を聞き納得しました。確かに言われてみれば外見を含め、そう思います。必殺技の『ベノクラッシュ』はあまり格好よく見えませんが、キックと言うのが矢張り強いと言う事を感じさせます。最強技であろう『ドゥームズデイ』は両足の回転キックと言う、考え得る最も強力なキックですが一度たりともまともに成功しなかったのが残念です(相手をブラックホールへ吸い込むと言う特性上ストーリーに組み込み辛かったのでしょうが、例えば大量のモンスターを一度に始末する等の方法もあったのではないでしょうか)。最後まで登場し続けたのは喜ばしいのですが、それがストーリーからメリハリを無くした事は否めない事実だと思います。

仮面ライダータイガ
 白虎の様なデザインも格好良いのですが、それよりも大きいのが変身ポーズです。タイガの変身ポーズはとても格好良く、全ての仮面ライダーを合わせた中でも一番好きです。適度に複雑な手順を踏みながらも、覚えられる範疇にあるのがまた嬉しいです(例えばインペラーの変身ポーズは覚えられません(苦笑))。

仮面ライダーオーディン
 十三人目のライダーを自称して堂々と登場した彼は、とてつもなく格好良いものでした。全身が黄金色に輝き、最強と言う設定は何とも私好みです。自在に姿を消して移動を繰り返し、羽根を飛ばしての攻撃など神々しさを感じます。腕を組んで不敵な笑みを浮かべるその姿は、常に最終ボスとしての余裕や風格を備えていたと言って良いでしょう。全てのアドベントカードを使えると言う設定も最強と言うに相応しくて良いですね。オーディンは神崎士郎の傀儡的な存在と思っていたのですが、聞く所によると適当にスカウトした人間にデッキを渡していたそうな。当然渡された人間の意思は反映されないのでしょうから、少々その人は可哀想ですね。ファイナルベント『エターナルカオス』はその全貌が明かされることが無く、蓮を死に追いやった強力な技で通っていますが、残念ながら映像を見る限りそこまでの凄さは伝わってきません。ベノクラッシュやクリスタルブレイクがもっとあっさりと葬っているのに比べ、10000APの説得力を感じさせてくれないのが残念でならないです。

仮面ライダーファイズ
 例外的に変身前の話になるのですが、乾巧は個人的に凄く好きです。ぶっきらぼうでいて他人との関わりを拒みつつも、接してみれば核心的な表現が多く反感を買いやすい、と言うのが非常に好きな性格設定です。一人のキャラクターとしては理想的です。
 ファイズフォンに変身コード『555』を入力しギアにセット、全身にフォトンストリームが張り巡らされエネルギーの源であるフォトンブラッドが充満、全身を装甲が包み誕生します。変身する時のそのフォトンブラッドが通り捲る様が格好良いです。暗闇の戦闘にてフォトンブラッドが発光しているのもとても見栄えが良く、見せ場の一つではないでしょうか。様々なツールを使用して必殺技を放つと言う手順も面白いです。トーチライト型ツール『ファイズポインター』を装着して放つ『クリムゾンスマッシュ』はフォトンブラッドで出来た円錐と同時に敵を貫くのが特徴的ですし名前も格好良いです。デジタルカメラ方ツール『ファイズショット』により放たれる『グランインパクト』は特別印象的な場面があるわけではないのですが、戦闘の流れを中断せずに通常の攻撃よりも強力だと言う事が伝わって来ます。そして『ファイズエッジ』を利用して相手を切り裂く『スパークルカット』は剣と言う事もあり個人的に好きな技です。最初に相手の動きを止めてから切りかかると言うのが良いですね。残念と言えばファイズフォンを除きツールが武器としてしか使われなかった事です。ファイズショットで撮影をしポインターで明かりを灯す、普段から腕時計代わりにアクセルを使うなんてのも見たかったです。
アクセルフォーム:腕時計型ツール『ファイズアクセル』を使う事により誕生する形態ですが、先ず外観からして格好良いです。フルメタルラングが開くと言うギミックが良いですし、それにより胸部から除くメカや全体のカラーリングがとても格好良いです。そして通常の千倍もの速さで動くのですがその動きがとてつもなく素晴らしい。特にその真価が発揮されたのはバットオルフェノク戦や劇場版のライオトルーパーとの戦闘でしょうか。超高速から繰り出される『アクセルクリムゾンスマッシュ』は映像の美しさも加わり素晴らしいものでした。
ブラスターフォーム:アクセルフォームが気に入っていたのもあり最初はそれほど格好良いと思っていなかったのですが、いざ見てみればそれなりに気に入りました。ボディそのものにフォトンブラッドを蓄積しているので全身がが赤いと言う事が強さに説得力があります(仮定の話ですがカイザがブラスターフォームになったら全身が黄色になるのでしょうか。格好悪・・・)。全身からフォトンエッジ・ミディアムモードに匹敵するエネルギーを放出していると言うのもその凄さが伝わって来ますね。まぁ、例によって例の如く劇中ではそんな様子は全くありませんでしたが、もうそれが当たり前なのだと諦めています(ファイズエッジのモード変換ですから描写されていませんし)。でも時折全身が赤く輝いたりすれば格好良かったのではないでしょうかねぇ。腕全体が光って繰り出すパンチはグランインパクトと同等の威力があり、通常のパンチでオルフェノクを斃せるとかであればその強さが伝わったと思われます。『ファイズブラスター』は銃としても剣としても強そうで格好良いです。しかし背部のフォトンエミリネーターだけはファイズが万能すぎるように感じあまり好ましくありません。ブラスターフォームへと変身する際には人工衛星『イーグルサット』が登場します。最初に見た時はイーグルサットの特撮が塩っぱく感じたのですが、最近になって見返してみますと凄く格好良かったです。あれは素晴らしい。

仮面ライダーカイザ
 当初のカイザは装着者が限定されていませんでしたが、そのまま毎回異なる人物が装着すると言うのでも面白かったのではと思います。そうするとカイザのキャラクタが確立されず、アイテムとしての印象が強くなってしまったかもしれませんが(ただでさえ555のライダーはそうなりがちですし)。記憶は美化(とは違いますが)されるものと言うのでしょうか、当時はあれほど嫌いだった雅人も、今思えばそれほど嫌いではありません。最後まで分かり合える事はありませんでしたが、それでも戦いに身を投じる者同士として巧と雅人が共闘する時は通じ合うものがあったと思います。最後に己の復讐よりも真理を助ける事を優先して命を落としましたが、その真理への一途な思いは何よりも強かったのですよね。それに何と言いましても、アークオルフェノクとの戦闘でカイザが勇治だった事には一抹の寂しさを覚えます。悪い人間ではありましたが流星塾生との仲間意識はあると言うのが、河内が殺された時の反応や巧に対する「俺を! 真理を! 皆の生命を!!!」と言う叫びから伝わって来ます。あの事件さえ無ければここまで湾曲する事も無かったのでしょうね。基本はファイズと同様ながらも、より鋭角的で強そうなデザインです。フォトンブラッドの色が赤よりも出力の高い黄色で、それを安定させる為にダブルストリームとなっているのが面白いですね。デザイン上ファイズと対になっているのが好印象ですが、ダブルストリームもそれに一役買っていますな。ファイズよりもパワーが高いと言うのも納得です。所持しているツールは『カイザショット』、『カイザポインター』、『カイザブレイガン』。『カイザショット』はファイズと同一仕様で『グランインパクト』も同等。双眼鏡型ツール『カイザポインター』はファイズとの差別化に成功していますし、二条の光線を放つと言うのがカイザの基本に則っていて良いですね。それにより放たれる『ゴルドスマッシュ』ですが両足でキックと言うのが『クリムゾンスマッシュ』よりも強い事やポインターのデザインとも関わっていて好感度が高いです(でも単に雅人の癖と言うだけで設定とは関係無いのですよね)。そしてカイザ独自のツールと言える『カイザブレイガン』。他のツールが日用品を模しているのに反しこれだけは例外となっています。私的にこれはカイザがより戦闘に特化したライダーであり、ブレイガンも純粋に武器の形をしていると解釈しています。愛機の『サイドバッシャー』がサイドカーと言うのも稀少ですし、バトルモードが小型移動砲台とでも言うべき形なのがオートバジンを圧倒する印象です。余談ですがデルタの姿を初めて予告で見た時は、アクセルフォームに相当するカイザの新フォームかと思い期待しました。ファイズが二回もパワーアップしているのに対してカイザにはそれが無いのが少々残念です。カイザにも新フォームが存在すれば試作として最初に作られ、強大な出力を持つものの拡張性の無いデルタに対し、出力では劣るものの豊富なツールやそれによる拡張もあるファイズやカイザと差別化が出来たと思います。総じてファイズよりも好きなライダーですがね。ファイズ同様ツールを日用品として使って欲しかったと言うのはあります。カイザポインターで遠くのものを見ると言うのも良いと思うのですが如何。

仮面ライダーデルタ
 ファイズとカイザほどデザインに統一感が無い事や、ボディがモノクロと言う事であまり好きではありませんでした。しかし一番最初に造られたプロトタイプであると言う事を知ってから考えが変わりました。そう考えるとデザインの差異やツールが数少ない事にも合点がいきます。その少ないツールから放たれる必殺キック、『ルシファーズハンマー』ですがこれまでが『(フォトンブラッドのカラー)スマッシュ』と言うフォーマットに則った名称で統一されていただけに、脈絡の無い名称なのは残念に思います。『ホワイトスマッシュ』ではいけなかったのでしょうか(格好良いかと言えば否ですが・・・)。最もその恐ろしさを感じさせたとして印象的なのは、フロッグオルフェノクを追うファイズとカイザの前にゆっくり現れた時です。巧と雅人の息遣いのみが響くと言うのがその恐ろしさを物語っていました。それが存在するだけで凄まじい威圧感を感じさせると言うのが伝わって来ます。デルタで印象的なのは北崎が装着し、圧倒的な戦闘力を発揮した事ですね。指と指をぶつけ合いカチカチと音を鳴らすのも特徴的でした。その反面三原の存在に関しては疑問があります。一番一般人に近いという立ち位置なのでしょうが、あまりにも弱くなりすぎではないでしょうか。逃げずに戦うと言う決意をしたのでそれから強くなるのかと思いきや、それすらも無く三原は最後まであまり良いと思いませんでした。それとも最強のライダーズギアとは言え装着者の資質に影響するのでしょうか。そうすると琢磨を怯えさせた沙耶は物凄い能力の持ち主と言う事になりますね。それだけに勿体無い方でした。生き続けて巧との仲を進展させて欲しかったです。デルタは北崎が装着し悪のライダーとして定着したイメージのままであり続けるか、沙耶が装着し謎を含んだ女性ライダーと言う方が良かったと言うのが正直な所です。カイザを装着して戦うもライノセラスとスタッグに敗れた雅人が、デルタに変身して一人を消滅、一人を退却させたのは何気に好きな場面です。地味にやっぱりデルタは強いと言う事を実感させてくれます。またジェットスライガーが複数台存在する共用マシンですので、デルタには専用マシンが与えられていないのですよね。不憫です。余談になりますが一応携帯電話として使われていたファイズフォン、カイザフォンに比してデルタフォンはそれすらないのですよね。まぁ、あんな形状の電話は使い辛いのかもしれませんが、私的には凄く格好良いと思うのですがね。

仮面ライダーサイガ
 『555』に登場するライダーは一部の例外を除き、どれも格好良いです。サイガもそんな中の一人です。第一印象は『これ、知ってる! 確かアバレンジャーに出ている!(バーミア兵の事)』でしたし、オーガが格別に好きと言う事もあり比較しがちでしたが、サイガにはサイガの独自の魅力があります。その一番の魅力は『フライングアタッカー』です。空中を自在に飛行する事が可能の上、ツール無しで『スカイインパクト』や高空からのキック技『コバルトスマッシュ』が放てると言うのが素晴らしいです。それ即ち、『フライングアタッカー』一つでファイズやカイザのショット、ポインターの能力を兼ね備えていると言う事です。サイガは専用バイクが無いのですがオーガと違いそれでも気にならないほどです。それだけでなくアタッカーは変形する事により『バスターキャノンモード』や『トンファーエッジ』となります。前者は見るからに強力そうですし後者は『ファイズエッジ』を凌ぐ攻撃力を誇るそうです。まさに遠近両用の文字通り万能ツールです。サイガの魅力はアタッカーに集約されていると言っても決して過言ではありません。その必殺技の多くが映像化されていないのが残念ですが、左右とても格好良いライダーである事に相違ありません。

仮面ライダーブレイド
 剣崎一真は一言で言うならまさにヒーローと言うべき性格でした。他人を守る為なら自分を犠牲にする事は厭わない、その様子が最初から一貫して描かれておりとても好感が持てます。そしてそれが結実したのが最終回での選択でしょう。その姿はヒーロー以外の何物でもありません。余談ながら公式ウェブサイトでは以下の様に紹介されています。
>頭脳明晰、文武ともに優秀。皆に愛され、希望をふりまく善人タイプ。努力を努力と思わず、人並み以上の能力を発揮する天才系。
 全然当て嵌まっていないと思うのは私だけでしょうか?
 一真がヘラクレスアンデッドと一体化して変身したのが仮面ライダーブレイドです。この怪人と融合すると言うのが『剣』における仮面ライダーの面白い特徴だと思うのですが、その辺が然程掘り下げられなかった事は少少残念に思います(その部分に特化したのが『電王』でしょうか)。同じくブレイドに限らず『剣』のライダー全般に言える事ですが、斃したアンデッドをカードとして自分の力にして使うと言うのが面白い要素でした。序盤こそ経験不足故に苦戦が目立ったブレイドですが、潜在能力や一真のアンデッドとの融合係数は高く、また感情の昂ぶりにより驚異的な戦闘力を発揮します。上級アンデッドであるカプリコーンアンデッドを相手に、ほぼ一方的に攻め立て勝利を掴んだ場面は圧巻でした。主な必殺技はローカストアンデッドの『キック』とディアーアンデッドの『サンダー』を組み合わせて放つ『ライトニングブラスト』や、それに加えてジャガーアンデッドの『マッハ』が合わさる『ライトニングソニック』です。『ライトニングソニック』は加速がされてより強力になったと言うのが分かり易いのですが、肝心の映像に迫力が欠けていたのが残念でした。
ジャックフォーム:新たにイーグルアンデッドと融合して変身した形態で、背中に翼が生えているのが特徴です。当然ながら空中を自在に飛び回る事が出来、強敵エレファントアンデッドを下しました。背中の翼が実に格好良いです。必殺技はリザードアンデッドの『スラッシュ』と『サンダー』のコンボ『ライトニングスラッシュ』です。この技は通常形態でも使っていましたが、空を飛ぶ事でより威力を増した印象を受けました。
キングフォーム:十三体のアンデッドと融合した最強形態であり、黄金に輝く装甲や各部に刻印されたアンデッドのレリーフがとても格好良いです。重醒剣キングラウザーを振るい『ロイヤルストレートフラッシュ』を放つ姿は迫力でした。時折キングラウザーとブレイラウザーの二刀流を見せましたが、これが本当に強敵を相手に見せる切り札と言う感じです。こういう奥の手の存在は良いですね。

仮面ライダーレンゲル
 素早い動きでブレイドとカリスを斃すと言う初登場が異常に格好良かったです。最強のライダーを自称したので期待したのですが、何と最強のライダーと呼べる活躍はその緒戦限りでした。スパイダーアンデッドに操られながらも変身する人間である上条睦月の弱気な面を引き摺っており、何とも微妙な扱いのライダーです。初登場の格好良さに惚れ、『剣』のライダーでは一番好きになるかも知れないと思った身としては哀しい限りでした。善なら善、悪なら悪で、一貫して欲しかったと思います。しかしそれでも最初のよしみで好きなライダーではありますし、武器の『醒杖レンゲルラウザー』も錫杖を模している点がお気に入りでした。またレンゲルは、初の蜘蛛がモティーフの仮面ライダーです。蜘蛛と言えば仮面ライダーに於ける最初の怪人が蜘蛛男であり、その後も幾度も使われた因縁浅からぬ存在です。それが仮面ライダーのモティーフに使われたと言う事に不思議な感慨を持って迎え入れました。

仮面ライダーグレイブ
 募金箱に財布ごと投入してしまうと言う、並外れた人の良さを見せた志村純一。彼がグレイブに変身します。その優れた人柄を買っていたので、実はアルビノジョーカーと言う事が明かされた時には大変驚きました。しかし純一としての姿が偽りだったとは思いたくありません。だから思ったのですが、もしかしたら邪神14の力を手に入れて平和な世界を築こうとしていたのではないでしょうか。余りにも突飛ではありますがそうであったら良いなと思っています。
 さてグレイブは新世代ライダーのリーダー格です。スタイリッシュに纏められた新世代ライダーですが、他の二人よりも僅かに豪華な装甲がリーダーとしての立場を表しています。新世代ライダーは人工的に作られたケルベロスのカードを使うと言うのが旧世代との差を生み出していますね。不満に感じたのはスペックが低く設定されている事です。ケルベロスアンデッドの強さや旧世代ライダーよりも後に生み出された事を考えれば、最低でもジャックフォーム程度の戦闘力を秘めているべきではないでしょうか。映画公開当時はグレイブを気に入っただけにこれが残念でした。

仮面ライダー斬鬼
 日菜佳の「大変です! 斬鬼さんが魔化魍にやられました!」と言う台詞を聞いた時から注目していたのですが、いざ登場してみれば期待通り、いや、期待以上に魅力的な人物でした。

仮面ライダー歌舞鬼
 変身前が凄く格好良かったです。鬼を裏切りましたがそれでも人間の子供に対する優しさは忘れない、良い人でした。鬼としての姿はそれまでの鬼と比べると違和感もありましたが、派手で左右非対称と言う独特な形状が格好良かったです。番傘を友好的に利用し、音叉剣で攻撃すると言う戦い方も魅力的でした。

仮面ライダーゼロノス
 正直に白状しまして、どちらの形態でもデザインはそんなに好きではありません。決して格好悪くはありませんが印象に残り辛い、当たり障りの無いデザインだと思います。だから最初はゼロノスへの評価も高くなかったのですが、変身する桜井侑斗が持つ魅力、そして戦闘場面での動きが相俟ってとても格好良く映りました。それからはどんどん盛り上がり、最終的には歴代でも屈指の好きなライダーとなりえたのです。変身する度にカードを消費し、その存在が周囲の記憶から消えていくと言うリスクを背負っているのがまた格好良いです。悲劇の運命を纏って孤独に戦う姿はまさに正義のヒーロー以外の何物でもありません。
アルタイルフォーム:細身のボディで跳躍を繰り返す軽快なアクションが特徴的です。その華麗な動きに魅了されました。『ゼロガッシャー』の巨大な『サーベルモード』を引き摺る様に全身で思い切り振るのは大剣の格好良さを心得ています。『ボウガンモード』は無駄に撃つ事は無く、必要最小限で最も効果的な一撃を放つと言うのが洗練されていました。
ベガフォーム:アルタイルも良いのですが好みで言えばベガフォームがより魅力的です。飾りである胸の顔はともかくとして、マントをはためかせる重厚な佇まいには貫禄がありました。戦法はアルタイルと対照的で、能動的に動く事が少ないのが特徴です。敵の攻撃に晒されても微動だにせず、逆に強烈なカウンターをお見舞いします。掛かって来る敵をパンチ一発で弾き返す様は迫力満点でしょう。またアルタイルの時は渾身の力で振り回していた『ゼロガッシャーサーベル』も、ベガフォームは片手で悠悠と振るう事が可能です。それは『ゼロガッシャーボウガン』でも変わらず、砲台の様にどっしりと構えて必殺技を放ちます。アルタイルがスピードならベガはパワー、それが明確に描かれていて好感が持てました。
ゼロフォーム:前の二形態に比べると少少評価が下がるのがゼロフォームです。記憶が風化し、錆びる様に変色していくと言う映像には一定の面白さがありましたが、リスクの大きさに伴う変身する事への説得力が感じられませんでした。目に見えて強くなった印象も無いので余計にそう思います。それは武器にも言えまして、『デネビッグバスター』が強そうに見えた事も、正直、ありません。新たにこれまでとは別の記憶も失う、より一層の悲壮感が生まれましたが、戦闘には巧く絡んでいなかった感があります。

仮面ライダーキバ
 敵と同じファンガイアの力で変身するまさに仮面ライダーらしい設定です。しかも吸血鬼と言うのが似合っていました。変身する紅渡は人間とファンガイアの混血児なのですが、その割りにダンピールものにならなかったのが意外と言うか、信じられないほどです。劇中で『キバの鎧』と言う単語が使われておりますが、デザインからは単なるスーツ装着ライダーではなく、渡自身がファンガイアの血で肉体を変化させた上に鎧を纏っている印象を受けました。スーツ装着ライダーは頻発していて飽きているので肉体変化を思わせる胸部のデザインには嬉しいものがあります。
キバフォーム:キバの基本形態で渡とキバットの力のみで成り立っています。戦闘中はファンガイアとして後が色濃く出ていますが、初めて戦場で啓介と遭遇した折にふっと見せた渡の素が前面に出た動きが思いの外印象的でした。キバフォーム最大の特長は必殺技です。右足が普段は封印され大きな力が隠されている事を想像させ、がばっとそれが解放される様子が格好良いです。そして『ダークネスムーンブレイク』は勇ましいBGMが流れながらバンク処理で強力なライダーキックを見舞います。最初はバンク映像と言うのに戸惑いましたが、慣れると逆に如何にも必殺技と言う感じで好きになりました。しかし最初期から四つの形態を持っているので自然と使用回数が少なくて勿体無かったです。極端な話ですがそれこそ一年を通して『ダークネスムーンブレイク』を連発して欲しかったです。キバフォームはとても好きなデザインだったのですが後半になると即座にエンペラーフォームへ変身し出番が限り無く皆無に近くなったのが実に残念です。
ガルルフォーム:ガルルセイバーを左手で振るい、獣の様な激しい動きと素早さで戦う形態です。ガルルセイバーから音波を発して中距離の敵に攻撃する『ハウリングショック』が初戦でしか使われなかったのが残念でした。必殺技の『ガルル・ハウリングスラッシュ』は剣を口に咥えて敵を斬りつけると言う独特な所作が特徴的です。他の形態ほど圧倒的な力を持たない為か、ファンガイアに苦戦し敗れる描写が多くなりました。しかしそれは戦ったファンガイアが強力だったからであり、逆に言えばあらゆる状況に対抗し得る適応能力を有していたのかも知れません。
バッシャーフォーム:バッシャーの力を借りて水の能力を使う形態で、バッシャーマグナムによる射撃を得意とします。劇中での初登場となるシープファンガイア戦ではガルルフォームをも上回る超スピードの敵をその場から一歩も動かず追尾弾で攻撃し、挙句には地面を水に替えて敵の身動きを取れなくすると言う反則級の能力を見せ付けました。この能力が発揮され続ければ負け無しなのでしょうが最初しか使われないのはお約束です(笑)。必殺技『バッシャーアクアトルネード』は確実に相手を打ち抜きます。
ドッガフォーム:ドッガの力で変身する怪力と厚い装甲の完全なパワー重視の形態です。敵の攻撃にびくともせず巨大なドッガハンマーを豪快に振り回す姿はとても格好良かったです。またドッガハンマーのトゥルーアイには姿を消した相手を発見したり、痺れさせて動きを封じると言った特殊な効果を持ちキバをサポートしてくれます。必殺技の『ドッガサンダースラップ』はハンマーで直接撲殺するのではなく、拳上のオーラを出現させてそれで敵を打ち倒すのです。ガルル、バッシャー、ドッガの三形態では一番好きでした。
ドガバキフォーム:ドガバキとはドッガ・ガルル・バッシャー・キバを意味し、その名の通り四つの混合形態です。アギトのトリニティフォームや電王のクライマックスフォームに相当するのでしょうが、キバの場合はドッガフォームよりも弱そうに見えてしまって今一です。
エンペラーフォーム:タツロットにより全ての力が解放された最強形態です。金色の鎧と真っ赤なマントが豪奢で最初は好きでしたが、余りにも頻繁に変身するので見慣れてしまいました。そしてこういう派手なデザインは最初のインパクトこそ大きいものの飽き易いと思うのですよね。慣れても飽きないキバフォームとは両極端でした。また慣れてから観察すると、色使いこそ派手ながらデザインは大人しく不釣合いに見えます。最初こそ好きでしたが最終的にはキバフォームよりも評価は下となりました。それから劇中の描写で残念だったのが必殺キック『エンペラームーンブレイク』で、キバフォームの『ダークネス〜』とは異なりバンクではなくなったのです。バンクの良し悪しはさて置いて明らかに力の入れ具合が変わっており、どうしても『ダークネス〜』よりも強そうだとは見えませんでした。最強形態の説得力が欠けています。他にもタツロットを各武器に接続して放つ『エンペラーハウリングスラッシュ』、『エンペラーアクアトルネード』、『エンペラーサンダースラップ』があるのですが、何と『エンペラーアクアトルネード』は劇中では一度も使われませんでした。バッシャーが冷遇されていますね。終盤ではザンバットソードを入手して必殺技も『ファイナルザンバット斬』になりました。刀身が赤く輝くのは格好良いのですが矢張り演出が力不足で魅力的に見えないのが残念です。せめてシャリバンクラッシュに匹敵する様にならなかったのかと惜しまれます。

仮面ライダーイクサ
 聖なる力で戦うファンガイアハンターで、退魔の武器と言う印象を彷彿とさせて格好良いです。聖職者を思わせる純白や胸部の鏡、銀の弾丸を撃ち出すイクサカリバーと、設定やデザインコンセプトを知るにつれより好きになりました。但しそれらの設定が充分に本編に活かされたとは言えないのが辛いところです。また変身するのに特殊な条件が無いので、装着者が頻繁に替わったのが好ましくありません。過去篇ではともかくとして現代篇ではせめて名護啓介に固定して欲しかったのですが、糸矢僚や襟立健吾と様様な者が変身しました。過去は過去でルークを斃す際にゆりが変身したのは燃えましたが、その後も安っぽく変身するのでその盛り上がりも完全に失せた感があります。
セーブモード:イクサの初期形態であると同時に過去篇ではメインとして活躍しました。十字架を模ったシールドに覆われた顔面のデザインが格好良いので現代篇では変身直後になるだけで、戦闘に使われる事が無かったのが残念です。必殺技の『ブロウクンファング』はいわばイクサ版ライダーパンチでしょう。
バーストモード:イクサの力が解放された形態です。顔面を覆っていた装甲が開き、下から二つの大きな複眼が見えたので“仮面ライダーらしい”顔になりましたが、余り格好良くないので私はセーブモードの方が好きでした。イクサカリバーで敵を切り裂く必殺技『イクサジャッジメント』が放たれる時は背部に太陽が輝き、胸部から電子音が響くのが印象に残ります。
ライジングイクサ:バーストモードから更に全身の装甲が開いて変形するイクサの最強形態です。鍬形を思わせる頭部の角や青く輝くボディがこれまでのイクサとは一線を画しますが、これがとても格好良いです。キバのエンペラーフォームと同様に終盤では殆どこの形態のみしか使われなくなりましたが、エンペラーフォームとは対照的に飽きないデザインだったので寧ろ好印象でした。必殺技はイクサライザーから自らが反動で吹っ飛ぶほどの高出力高威力のエネルギーを発する『ファイナルライジングブラスト』で、これを受けたファンガイアはその場で絶命、全身が硝子状になって固まります。その状態で衝撃を与えればそのまま崩れ去るのですが、過去に赴き音也との邂逅を果たした啓介が攻撃の反動を利用して反転ライダーキックで砕いたのが印象に残りました。

仮面ライダーサガ
 現代に於いてファンガイアのキングである登太牙が変身した仮面ライダーです。一目見てそのデザインに惚れ込みました。高貴な銀色を基調とし芸術的と言っても良い情報量のある素晴らしいデザインです。グラデーション処理された胸部はその極致でしょう。武器のジャコーダーはサーベルの様に使うジャコーダーロッドと鞭の様に使うジャコーダービュートの二形態があり、宛らXライダーのライドルを彷彿とさせるようです。実際に戦闘でも華麗に振り回して戦う姿が見られました。必殺技の『スネーキングデスブレイク』はジャコーダービュートで対象を吊り上げる技で、必殺仕事人を想起させるその様はまさに“必殺”技でしょう。
 そしてサガを好きになった理由はデザインのみではありません。特筆すべきは数少ない、“玩具化を前提にしながら純粋な敵ライダー”であった事です。玩具化を前提と言うのはメイン商材の一つとして、変身ベルトや武器も商品化される、マーチャンダイジングに沿った存在と言う事です。こういう場合は概して主人公の仲間やそれに類する存在として、つまり正義の味方として扱われ、主人公と小競り合いを起こして戦う事があっても純粋な敵とは成り得ません。玩具化を前提としていないのならば純粋な敵として登場するライダーも少なくないのですが、玩具化を前提としていて尚且つ純粋な敵と言いますと、他に王蛇しか前例がありません(奇しくもどちらも同じ蛇がモティーフです)。如何に珍しいかと言う事です。最終回で渡と太牙が共闘するのですがその時に太牙はサガではなくダークキバに変身したので、サガが敵ライダーである立場は守り通せたわけです。そういう面から見てとても好きなのが仮面ライダーサガでした。
 後半、キバとファンガイアの戦闘がだれ始めた中で、対サガはダイナミックなアクションが多く見応えがありました。キバがエンペラーフォームに変身してからはサガとも互角以上に戦えたので強敵の印象が薄れたのは残念ですが、敵に強力な存在感を持ったライダーが居て良かったです。
 余談になりますがその豪奢なデザインが災いして、廉価な玩具では大幅に彩色が省略されて魅力が著しく欠けてしまっています。余りにも貧相な姿は見ていられません。


戻る

トップへ戻る