「私には。」 2002年 4月 4日 木曜日 ・ 採集  

 風が強い名古屋駅のホームでの電車待ち。
久々に空にまだ… それが片隅でも太陽が残っている時間
での帰宅ゆえか少々眩しく目が痛い。
 ま、花粉とかスモッグとか黄砂とかもあるんだろうが。
すっかり暖かいこの季節、リクルートスーツがぎこちない
若者らが街に溢れてもいて、現に私の後ろに並ぶ二人組も
そんな若者達で…
 
「いやぁ〜、今日は甘かったねぇ〜」
「そうだねぇ〜」
「まさか午後ずっと面接なんてねぇ〜」
「なんだろうね、パネルディスカッションって(笑)」
「あんなんがなんか面接の参考になるのかなぁ?」
「さぁ?(笑)」
「コーヒーが一杯だけってのがなぁ…
 お代わり自由だと思ってたのになぁ… 」
「ケチくせぇよなぁ〜」
「どうせもう大学の名前で決まってるんだろうにさ〜」
「なのになんであんなにみんな真剣してんだろうな?
『ボクは英語オッケーです!』とかさぁ、あ〜んなに
ムキになって真面目に言うこたぁねぇのにさぁ(笑)」
「(笑) でも、まだまだやっぱり大学のブランドっての
はアリだよなぁ」
「ぜってぇそうだって。こちとら私立だもんなぁ…」
「ま、採用する側もまだまだ頭カタイからしゃぁない
んじゃないの?」
「オレらとか採用したらサ、上司とかにサ、
『なんでこんな大学のヤツを採用したんだ!』
 とか言われるんじゃないの?(笑)」
「(笑)」
「それを思えばしゃぁないんじゃない?(笑)
 ま、頭カタイ、ってのもあるけどサ」
「しゃぁねぇべ。こんな時代だもん。あんまムチャとか
出来るわきゃぁねぇって、オジサン達にゃぁさ… 」

 
 
 
 
 私には。
君らの頭、カルイ… もとい、面接官と同程度に
カタイ、としか思えないんだけども…


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