「 夕暮れの出来事  」 2000年9月25日 月曜日 ・ 採集   

  
秋も進行、そろそろ衣替えの季節だというのに、
 やっとこさ着替えた「ナナちゃん」は白のTシャツに
 ショッキングピンクの半ズボン。い〜えいえ、断じて
 キュロットスカートじゃござんせん、半ズボンです!
 …ってな「ナナちゃん」の足元あたりの一組の若人。
 「ごめんって。なぁ、な、あやまるからさぁ〜」
 「ふん! しらないっ!」
  学生服のカップルのイチャツキなんさぁツクダニに
 するくらい一杯ありますが、こうして明るくジャレている
 のもナカナカに微笑ましい。
  なにやら彼氏の方が彼女のお気に障るような一言を
 ポロリと言ってしまったらしい。ま、それ自体は別に
 どうという事もないのは会話の声のトーンの明るさで
 解る。笑顔でスネてみせる彼女に、笑顔で謝る彼氏。
 「な、マックでおごるからさぁ〜」
 「え〜、マックぅ〜?」
  と、突然に彼女。
 「そうだ! だったらおんぶして!」
 「はぁ!? おんぶぅ〜?」
 「そうよ。ホラ、おんぶしてよぉ〜」
 「だっておめぇ〜、おんぶしたらパンツまるみえに
 なるじゃん」
  周囲の会社帰りのオヤジ達の視線がナニげに集中
 しますが、それでも彼女はへっちゃらで、逆に勢いが
 ついてしまったようであります。
 「ほぉらぁ〜、おぶれよぉ〜」
 「ったく、しょうがねぇなぁ〜… 」
 「スカート、チャンとおさえろよ」
 「へいへい」
  何のかんのといっても優しい彼氏が背中を向けると
 ぴょん! と跳んだ彼女が彼氏の背中に乗った瞬間、
 
「ぷぎゃぁ!!」
  と潰れた。

 

  通り過ぎた私の背に、聞こえてきたのは・・・


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