USA−P in 
 ・ 2004/03/14 (中編)


● MSG (スタート前)

 カバンの中をいい加減に覗くだけのセキュリティチェックを受けてもう1つのゲート前で
先に入った人を見ていると、なだれ込んだ人々の中でもかなりの数がチケット売り場に殺到
しているのを見て「?」。当日券ってある程度あったんだろうか? でも表のネオンに出て
いた「SOLD OUT」の表示は何だったんだろう? それともここでネットとかで予約
したチケットの発行をしてもらうのだろうか?
 と思いつつモギリのオヤジにチケットを見せるとバーコード部分に機械からの光線照射を
すると何か浮かび上がるのを確認してそのまま返して
「ようこそMSGへ。いい夜を」
 と。
この程度の印刷なら偽造も簡単そうだとは思ったが、ちゃんと対応策はしてあるのね…
と感心しつつMSG内部を歩いてゆくのだが、
 どこから会場入りしていいのか解らない(汗)
 いくつも会場への入り口があり、その上にブロック番号は出ているのだがチケットの表示
とは別のようで、
「とりあえず中に入って探そう!」
 と適当な入り口から入ろうとすると、係員に止められチケットを見せるが
「ここはお前さんのチケットの入場口じゃぁない。○○○番の入り口から入れ」
 と言われて来た道を戻る。
「だったらせめて当日の会場の設営図みたいなのを置いてくれてもなぁ… 」
 と思うが、これも不正対策や車椅子等の障害者ら等への配慮かもしれないし… と思うが
とにかくMSG、デカイから結構歩く事になる。

 MSGのHPだったかで飲食物の持ち込みは不可、と書かれていたが入場の際にも特に
何も言われなかったので何か飲み物を持って来ればよかったなぁ… と思いつつ、私達の
シートのあるゲートへの途中でペットボトルの水を購入するが、
「キャップは外すからね。いいよね? イヤなら売らない
 と小娘に偉そうに言われて怒るとか呆れるとかよりも、問答無用で飲み物のキャップを外す
… ってより、今回はねじ切られた事に
「コレ、どういう意味があるんだろう?」
 と首をひねりつつ私達の入り口の係員にチケットを見せると案内してくれるのだが、何故か
「A」「B」「C」「D」「E」… とブロックの前から列にアルファベットがつけられてる
のに「F」「G」「H」ときて「J」… 「I」が何故か無いので微妙に混乱していて、係員
のオヤジもヘトヘトになっているが、それでもプロとして精一杯の笑顔を作って
「あんた達の席はここだよ(ぜいぜいぜい)」
 ってなのでようやく席に座る事が出来た時にはまずホッとしてから会場を見回してみる。

 会場のシートからリングを見る

 おぉ、予想以上にリングに近いし、見易いじゃぁないか。
タイタントロンと入場ゲートの位置からすると正面の右、というのはチョイと残念では
あるが、タイタントロンの正面だし、やや斜めだから入場ルートも見える。上にもスクリーン
があるし…

 他にもスクリーンは設置されてましたが、私らにはコレ

 と見上げればラジコンの気球が浮いている。

 スニッカーズ(メインスポンサー?)の気球でした

 足場はWWE側の設営かと思う仮設っぽいものだったが、しっかりしているので例えば
HBKのスィート・チン・ミュージック前の踏み鳴らしをこの席してもビクともしなさげで安心。

 開場から時間が経っているワリに席についている人は少ないが、まぁどうせHeat枠の
収録もあるだろうし… と時計を見ると結構いい時間になっている。
「今日はどれくらいの時間、やるの?」
「ネットでは4時間以上、って出ていたけどねぇ… 」
 リング周辺でチェックするスタッフ。思っていたより低い位置を動くクレーンカメラ
のテスト。会場の散漫な、それでいてこれからショウが始まる期待感などに満ちたざわ
めきに、何となく体がムズムズとしてくる。

 そう、
 初めてWWEのPPVを観た時に
「この会場の熱気の中に身を置きたい」
 と切実に望んでから約2年。
喰いたい物も買いたい物もなるべく我慢し、妻へのプレゼントや家族や友人への不義理
を重ね、年度末で忙しい会社もうっちゃって、今MSGにいる。
 その実感と、これからのショウへの期待がグイグイと盛り上がってきている。

 だが、その一方で先程のレスナーへの罵声チャントもあるが、カードに左程の期待感
やサプライズを期待出来ないでいたせいで、イマイチ気分の盛り上がりにブレーキが
かかっているのも事実で。

 旅行前の日記で書いてあったが没にしたWM20の勝敗予想をここで公開するが… 

『WM20予想』(04/03/12作成)

 RAW組提供試合
・世界ヘビー級王座戦 → HBK
次回PPVがベノワの故郷、HHHが映画撮影にフェードアウト出来る、更にHBKが
カナダではいまだにヒール扱い、って3点から今回はHBKの戴冠。
 ただRR04でのラストマンスタンディング戦の冗長さを思うとあんまり内容には
期待出来そうにも無いが… ってのは悪意過ぎるか。 

・ジェリコ vs. クリスチャン → ジェリコ
ベビーターンしたジェリコでWMでの勝ちをそろそろ… って思うし。でも内容に
期待出来る一戦ではないか。

・女子王座戦 → モーリー
髪切りマッチとなった時点でロングのヴィクトリアの負けしか思えない。でも、女子の
試合は基本的にねぇ… RAW組だから内容的に観れるのだろうけど…

・世界タッグチーム王座戦 → ケイド&ジンドラック
試合の組み立てはダッドリーズ以外にあり得ない組み合わせだが、いい加減ブック様と
RVDのコンビの解消も近いと思うし、ここは未来へ繋ぐ意味でも。若手に獲らせるのでは?
 でも、正直言ってどうでもいい試合、だなぁ…

・The Rock &ミック vs. フレアー&オートン&バティスタ
 → The Rock &ミック
まだ映画の出演までの間もあるし、ここで負けさせるのも後のロック&ソッコ・コネク
ション解散ネタに繋ぎ難いのではないか?


 Smacksown!組提供試合
・クルーザ級ランブル戦
 本命…チャボ、対抗…ミステリオ、単穴…ノーブル、大穴…ハリケーン
ベビーにしろヒールにしろ、ベルトを持ってストーリーを回すにはこれが鉄板かと。
大穴は期待っか願望ね。

・US王座戦 → ビッグ・ショウ
シナの右手首骨折ってのもあるが、星勘定からいくとそろそろ返し時だし。

・WWEタッグチーム王座戦 → WGTT
 っか、WGTTとWORM以外興味が無いので、正直どうでもいい。

・WWE王座戦 → カート
後のストーリー・ラインから言えばこっちの方が色々と組み易そうだが、最近も継続
しているエディ人気からいくと逆もあるか? (でも、エディ絡みのネタって家族まで
使っている以上、難しそうな気がしなくも無いんで… )
 私的にメインの一戦。内容は多分、最高になるだろう。

◎ 相互提供試合
・トリー・ウィルソン&セイブル vs. ステイシー&ジャッキー
 → ノーコンテスト。
去年のキャットファイトと同じオチじゃないかなぁ… コレもどうでもいい。

・アンダーテイカー対ケイン → テイカー
 無難だろうが何だろうが多分、これが鉄板。
(でも墓堀人ギミックだけは勘弁して欲しいけどね… )

・ゴールドバーグ対ブロック・レスナー → … レスナー
 正直言って見たくなかった試合。
大体、ロック様やジェリコのような試合巧者、名勝負請負人でも駄目で、HHHみたい
な相手の言い分や要求をトコトン受けるワークホリックででも駄目だったのを、WWE
デビューからまだ2年のレスナーでは… GBがWMって舞台で負けブックを飲むとも
思えないんだけど願望も含めて… って事で。


 随分、冷めた予想だとは思うが、今こうして会場にいてもこの予想が変わる事も無く、
近ツー側が用意した今夜の勝敗当てクイズの3試合も
「HBK」「カート」「レスナー」
 と書いた。
 妻は
「よく解らないから全部夫の逆にしておく」
「でもノーコンテストもあるから全部逆だから当たるってワケでも無いと思うけど」
「あ、そうか。でもいいや」
 と私の予想の全部逆にしたように、夫婦共にプロレスそのものが好きというワケでは
ないのでなかなか気分が盛り上がり難いのは仕方ない、とも言えるが…

 と、考え事をしているのを中断させるのが
「ポップコーン! ポップコーンだぞ!」
「水ぅ!水ぅ!水ぅ〜!」
「WWEアイスキャンディーはいかがっすかぁ!」

 って物売りの大きな声と態度。っか、さっきの売店の小娘といい、MSG並にデカイ態度は
どういう事だ? マクドナルドといい勝負だなぁ… などと思っていると、とすぅっと客電が
落とされてゆくのでもう一度周囲を見ると、いつの間にか客席がギッシリと埋まっていた。
 フィンケルが登場し、簡単な説明をする。
実況陣がそれぞれのテーマで入場してくる(タズ→マイケル→スペイン語陣→JR→キング、
って順番はお約束なのかな?)。遠目にもJRもキングも正装しているのに今日のPPV大会
が特別なものである事を余計に意識する。
 ややあって、フィンケルの紹介の後にゾロゾロと黒人聖歌隊がリング上に整列。
「リリアンじゃなかったのか… 」
 と、立ち上がりつつ多少ガッカリするものの、いざ彼らの歌う、決して巧いとは言えない
『アメリカ・イズ・ビューティフル』が、次第に会場をまとめ、熱気のレベルをグングンと
上げていく。皆が皆、胸に手を当てているわけでもないし、唱和しているわけでもないし、
スクリーンに映るアメリカ軍の兵士達の映像への感情移入も出来ないが、次第次第にと盛り
上がってゆく空気に、雰囲気に私は鳥肌が立ってくる。恐怖ではない。ナショナリズムへの
憧れとも違う。さっきまでの散漫な、猥雑な空気がまとまって、熱気となっていく様に、だ。
 その合唱が終わった瞬間、全ての照明が消え、スクリーンに大写しになったヴィンスの
アップに歓声が一段とぶ厚くなり、熱くなる。
「一人の男がいた… 」
 ナレーションは続き、かつてのWMの名場面が次々と映し出されると共に会場の熱気も
上昇していく。そして
「WHERE IT ALL BEGINS... AGAIN.」
 で締められたプロモの終了と同時の花火の炸裂にどこか煮え切らず、どこか斜にかまえ
ていた自分の箍がぶっ飛ばされて私は拳を突き上げて叫んでいた。


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