USA−P in 
 ・ 2004/03/14 (前編)


○ ペンシルバニアホテル

 朝、5時に目覚める。
睡魔に襲われつつもギリギリまで我慢してからハルシオンを飲んで寝たのに
結局5時間程度しか寝られなかった訳で、
「このブツ、本物か?」
 とボーッと考えつつ結局昨日一番観ていたコメディ・チャンネルをつけると
『Girls gone Wild』のCMが延々やっていて、なんかもぅどうでもいい気分に
なってとりあえず柔軟をみっちりしてから着替える。

 妻も起きたがまだ6時前。かと言って8時にチケット受け渡しがあるので
寝過ごす危険性のある二度寝をするわけにもいかないのでとりあえずの時間潰し
としてホテル周辺を散歩してみる事にする。

 ホテルの窓から見下ろした風景

 寒いし人通りが殆ど無い(そりゃ朝6時だしね… )ってのに加えて昨夜は
気がつかなかったがこのホテルの周辺、ノゾキ部屋やアダルトショップ等の怪しい
店もあったりする一方、こんな早朝なのにライブハウスだかの入り口の前で屯って
いる黒人の兄ちゃんらが通りの向こうからこちらを見ているのには若干の緊張。
 エンパイアステートビルが見えたので周辺を軽く確認してから写真を1枚… と
思うが、目の前に急停止したイエローキャブから黒人のドライバーが顔を出し
「HEY! お前らドコに行きたい? ジャズ演ってるトコか?」
 と言ってきたので写真撮影は断念してホテルに戻る。
 こんな早朝にジャズ、演ってるトコなんかあるか!
 って怒鳴りたいのは山々なんだが、昨日のホテルでの件と言い、どうも
浮かれているからか隙や油断が出来ているのだろうか? と反省。

 ホテルのカフェ

 とりあえずまだどこも開店前だったので仕方なくホテル内のカフェでデニッシュ
とパンを購入しようとするも飲み物のICE TEA、
「ボトル入りのをケースから出して来い」
 と言われて指差したケースを探すが無い。
「???」
 と焦っているともう一人の店員が
「Hey My Friend.そっちじゃなくてあっちの棚だよ」
 と教えてくれるがはじめからそう教えてくれや(涙)と他の客にも笑われ赤面。
負け犬の気分で部屋に戻って食うが、甘過ぎて胸焼けを起こしそうになるが、妻の
ドーナッツはその比でなく、ますますアメリカ人に肥満が多いのを身をもって確信。
小麦の風味や食感はいいんだけどねぇ…

 二度とあのカフェは利用すまいと心に誓いつつ、CNNだかの天気予報を見れば、
今日もいい天気らしい。昨日、添乗員さんが
本当は大雪になる、って予報だったんですけどね… 」
 と言っていたが、この分だと旅行中は天候に悩まされない、か?


○ 遥かなるセントラルパーク

 今回の旅行、妻と申し合わせをしていて今日は市内観光… 出来るだけ
NYの街中を歩きたい、という妻の希望でとりあえずメトロポリタン博物館まで
歩く事は決まってはいたが、朝早く起きれた事もあったので
「まず一番遠いメトロポリタン博物館まではタクシーで行って、帰りをノンビリ
と歩く方がいいんじゃぁない? 今夜はWM観戦なんだし… 」
 と提案するも強硬に反対される。
「夫だって街中を歩いてみたいって言っていたじゃない」
「いやしかし、どれくらい疲れるのか解らないし… 」
 と言ってみるも、こんな事で喧嘩するのも馬鹿らしいしうざったいので妻の
意見に従う事にしてホテルを出た。

 33rd St.をまずはエンパイア・ステートビルまで歩く。
確かに高くて大きいのだが、補修だか補強工事の最中らしく、明日ここに
観光に来てもどうなんだろう? と思う。
 そこからPark Aveにて北へ北へとひたすらに歩く事に。
 寝不足って感じもしないし食事もしたので落ち着いた気分になれてもいいものだが、
何せ初めての海外旅行での大都会、NY日本領事館のHPで示されてた犯罪発生率
の高さがウォーター・ヒルの『ウォーリアーズ』やチャールズ・ブロンソンの『デス・ウィッシュ』
シリーズ、ジョー・カーペンターの『要塞警察』や『ニューヨーク1997』とか『爆裂都市』とか
本当にロクでもないイメージに結びついてよぎってしまう。日曜の朝ってのも
あって人通りが本当に少ないので余計に緊張もするが、警戒の気分の度が過ぎていた
せいか何度となくガン飛ばされたりしたんでなるべく気分を平静に、平穏に… と思うのだが、
どうも妻の方は逆に緊張の度合いが高まっていくるようで、傍を平行して声をかけてくる
イエローキャブがいれば早足になり、ちょっと大きなブラザー達の集団がこちらを見てれば
早足になり、人通りの少ないエリアだと早足になり…
「頼む、それは逆に目立つから普通のペースで歩いてくれ」
「だって怖いんだもん」
 だからまずタクシーで目的地まで… と言いたいのを堪えるが、正直言って冷や汗
ものだったし辟易するが、第一の目的地グランドセントラル駅に到着したので一安心。

 正面前(クリックでUP)

 ある程度の場所になると必ず警備員だけでなく警官がいるからなぁ…
と思っていたが、よく見るとライフルを手にした迷彩服の人も(汗)。

 駅構内。休日の早朝で閑散としてました…

 天井から吊るされた星条旗を見つつ、
「この警備の厳重さってスペインのテロだけじゃなくて、地下鉄サリンの事
もあるんだろうなぁ… 」
 とボンヤリと思うが妻は
「ホラここ、マイケル・ジョーダンのステーキ・ハウスだって!」
 と喜んでいて、よく解らないがヘコむ。

 ここから42nd St.を西に歩き、Madison Aveをまたひたすらに北上
してセント・パトリック教会に到着。ミサでもあるのか扉が解放されているけれど建物
の荘厳さに圧倒。異教徒の身では恐れ多くて覗いてみる気にはなれなかったが…

 聳える南門

 歴史建築物自体にあんまり興味は無いんだけど、宗教建築だけは別の私。
どちらかと言えば日本の寺院が人々が集まり、和む場所であるのに対して異界と言うか、
聖域としての権威付けの為にここまでの物を造り上げられる宗教心に圧倒されていると
「金くれよ金」
 と物乞いが手やカップを突き出してくる。
休日で人が多くなるのを見越してなのか、何人もの物乞いが来るんだけど、どいつも物怖じ
しないアグレッシブさの根拠もまたキリスト教的なのかなぁ? と思いつつ西門を撮影。

 石の文化だからこその迫力、もあるのかも

 このまま5th Aveを北上。
いわゆる高級品店が立ち並ぶ場所なのだが9時前とあってはどこもまだ
CLOSEDだし、夫婦揃ってブランド品に興味も無いんでひたすらに歩くと
やっとこさセントラルパークが見えてきた。

 園内観光の馬車が何台もいた南口

 ここまで約1時間程度の道程だったが… と、信号待ちの間フト周囲を
見ていて気がついた。
「あ!」
「どうしたの?」
「ここ、プラザじゃん! プラザホテルじゃん!」
「?」
「ほら… ラトルズが泊まったホテル、ってエリック・アイドルが!」
「あぁ!」

 プラザ正面前。

「dvd版の23年後の新録OPで、ここにエリック・アイドルがトレンチ着ててさ」
「あぁ… ここなんだね… 」
 って、普通はビートルズの泊まったホテル、って言った方がいいんだが、まぁ
ビートルズよりはパイソンズのファンだしな、私ら夫婦は。

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