USA−P in Taiwan
 ・ 2011年6月9日(木) 前編。


▼ 【中部国際空港】から【台北空港】

 前夜ネットで調べたツアー中の台北の天気予報はずっと雨、なのに最高気温予想が37度で「悶熱」とか書いてあるの。
何「悶熱」って… と、いささかゲンナリしつつも前日まで連休を収得する為と連休明けに少しでも楽をする為にって準備も
込みでの仕事の多さ故の疲れが抜けずに電車の間は夫婦揃って寝ている始末。何とか無事に中部国際空港に到着し、
アチラでの時間余裕がどれくらいあるか解らないからとりあえずのお金を空港の施設でNTDに両替してもらったものの
手数料以上に両替レートが酷くて実質1円以上余計にかかった計算になって更にゲンナリ気分になりつつ喫煙所で一服。

文字通り隔離部屋。後にこの仕様には立腹するんですが…

旅行会社のカウンターに行ってみれば行きの航空チケットとEチケットを渡されて後は時間になったら自分らで航空会社の
カウンターに行って自分達でやってねって扱いになんか気分が盛り上がってきて。うん、なんかこういうザックリしたの好き。
エバー航空での受付も出国審査も無事終了、出発ロビーにと向かい周囲の人を見てみるも顔立ちは皆アジア人、だから
誰が一緒のツアーの人間なのかどうかがサッパリ解らない。受付ん時も見てはいたけど多分半分以上が台湾の方で、話し
ている言葉やパスポートの色から日本人だとは解るグループはあっても旅行会社が配ってるタグが違ってたりしてヤッパリ
サッパリ誰がそうで誰がそうでないかは解らない。はてさてどうなる事やら… と人生で2度目の海外旅行、4度目の飛行機
移動にいささか落ち着かない気分ではあったもののそうこうしているウチに時間は過ぎてジェット機に乗り込む事となりまして、
やや薄曇りの空なれど定刻通りに出発、となりまして。

綺麗な空でございました…

エコノミー座席が3席と2席って配列になってるのも込みで新幹線っぽい機内。十分とは言えないものの脚を組もうと思えば
何とかなるくらいの広さがあるのは有難いし出てきた機内食、

チキンオンリー。何故かライス&パン。  ウッカリのもう一杯。

全体的にアッサリとしているものの美味くて。パクチーが入ってはいるけど特に苦でもない。また台湾のビール、日本のに
比べるとアッサリした味だけと嫌な酸味とかは無くてこれはこれで好みで… そういやスチュワーデスさんに飲み物を貰う時
に何となくビールを頼んだらば
「日本のキリン、アサヒ、あとは台湾の」
 と言われたので
「それじゃぁ台湾のを!」
 とオーダーしたら何故かクスクスと笑われたのだが… いやホント、下手なのを飲むくらいなら、特に暑い時や所だったらば
より美味しいんじゃぁないのかなぁ… ってのも込みで、これはひょっとして妻の言う波に乗ってる状態なのかも… そういやぁ
ずうぅぅぅっと窓の外の雲下の景色も綺麗なままだしなぁ… と妻とアレコレ話してたり入国審査カードを記入したりしてると機長
から天候状態が良かったので当初の予定より30分早く空港に到着するってアナウンス。暫く後、これまたスムーズに着陸して
とうとう着いたよ台湾に。機から降りるとむぅっとした湿気と熱気にグッとテンションが上がる。

荷物が出て来るまでの間にスマートフォンのローミング設定を変更すると自動的に時刻表示が台湾のになって。
試してみると空港内で無料のWi-FiがあるのでチョイとしたGPSデータとかを台湾のに変更したりメールチェックとかも出来て何か
感激。中部国際空港では3G回線を使うしかなかったのを思うと便利だなぁ… と感心しつつロビーに出ると
「コッチに来て下さい!」
 と日本語で旗を持った女性の方に声をかけられて。どうやら現地ガイドさんらしいが… まぁ旅行会社のバッチをつけてるから
解るんだろうけど、しかし本当に現地ガイドさんなのかなぁ?と疑問に思わなくもなく。そういう詐欺も世の中には結構あるらしい
けれど… という若干の不安も数分後にバス乗り場に現れた立派な二階建て大型観光バスで一蹴。
「え〜っとコレ、格安ツアーだったよねぇ?」
 この時点でやっと今回のツアー人数が総勢31人、ってのが解ったけれどそれにしたってツアー料金は2.99万円。
確かにエバー航空では特別キャンペーンで往復1.7万円ってのをやってるにしたって三泊四日のツアーのホテル代と朝昼晩全て
付いているから採算的には厳しいものがあるんじゃぁないのか?と旅行者が考えんでもいい事をアレコレと邪推してる間にもバス
は高速を抜けて台北市内へと向かって。

バスの車窓から。

【龍山寺】 (公式HP
 
 目的地へと向かうまでの間、色々な建物が紹介されるが総統府が車窓から眺めるだけだったのがちょっと残念。ただ残っている
建物も結構少なくなってきているそうで… ガイドさんの説明では老朽化故に解体、って事だそうだけど現在の馬総統って確か尖閣
諸島問題では中国について日本と一戦交えるとか言ってた人だしなぁ… ってのをベースに聞くガイドさんの説明はどうもこぅ、言葉
を選んでのものだと思えてきて。多分、それは私の考え過ぎなんだろうけどよその国で、しかも他のツアー客の方々らにひょっとして
迷惑がかかるような政治とか歴史の議論を出来る程の英語力は私には無いんだから無闇に藪をつつく必要も無いのではないかと。
チキンと言いたきゃ言えばいい。でも、例えば私の母のように台湾や中国や韓国が好きで何度も行っているけど歴史や政治には
とんと無頓着って人もいるし。大体、今年の東日本大震災で世界中からの義援金の中で最高額の150億円を台湾が寄付した、って
のを知ってる日本人だってどれくらいいるんだろう? 知らないからって非難する気も無いがわざわざ教える気も無いしね… って事
で辿り着いたのは台湾で一番古いお寺だという龍山寺。

正門前。

 正直、街中のど真ん中にあるしお寺としての歴史なら奈良や京都の方がずっとあるし観光地として来る場所でもあるからとナメ
てたんだけど中に入ってみて…

中庭。丁度スコールっか通り雨でした。  裏手の方。

 皆、真剣に、真面目にお祈りをしていて。
丁度スコールのような小雨が降ってきたんだけど誰一人傘をさす事もせずズブ濡れになるがまま。中には五体投地してる人もいる
くらいで、ぶっちゃけナメてた気分があっただけにその真剣さに実家が寺の私としては衝撃と気後れを感じてしまって。ひたすらに
お祈りの人の邪魔をしないようにとそればかりが気になってどうにもこぅ、カメラとかで撮影って気分でもなく… かつて日本でもこう
いう風景はあったと思うのだが。決して宗教の多様性を否定するのでもなく実はこのお寺の近くっか向かいに

キリスト教の教会ビル。結構あちこちにありました。

こんな感じのカラーリングですがキリスト教の教会があったりもする。多分、探せば台湾という国の地理的関係からいってイスラム寺院
もあるやもしんない。で、そういう様々な歴史等の結果としての現在の台湾って状況に関してアレコレと考えてみたところで所詮旅行者
の勝手な思い込みや勘違いにしかならないんだからもぅここは単純に、礼節は守って旅行者として過ごすべきなんだろうなぁ… 、って
思いつつの次が

▼ 【中正紀念堂】 (公式HP日本語版)


 まぁ、うん、観光地としては微妙ぅなトコだとは思うんですが。個人的には孫文の方が… と思わないでもない。
妻は近代から現代史に対して興味が無いので殆ど知らないし説明しようにも相当に入り組んでいるから面倒だし、日本人として説明を
しようとするのもガイドさんの思想信条の立ち位置が解らないから下手な事を言えないし。大体、ここってうろ覚えだけど数年前だかに
一旦廃止だか何だかになっていなかったっけ?とか思いながら入り口から一番距離の遠い正面ではなく右門から入る事になったが…

西門から仰ぎ見る中正紀念堂。

 でかいなぁ… 総大理石造りって事らしいが、その大きさにはもぅ何か、ただただ圧倒されてしまう。
ある種の誇大妄想というか、本国中国では出来なかったがこういう事をやりたがっていたのか?とか疑問はあれこれ思いつくんだけども
いやまぁ、もぅ何て言いますか。
「なんか中国とか北朝鮮とか、そういうトコでも同じような事やってるの、解るわ… 」
 としか言えなくて。
「どういうコト?」
 と妻に尋ねられてちょっと言葉に詰まったが
「いやまぁこういう大きさの物を出されたらなんかそれで納得させられちゃうじゃない? 北京とか平城とか行ってこういう大きな建物を見て
コロっと各々の思想信条を超えてその国のシンパになっちゃうって人がいるのもまぁ解るなぁ、って。」

 と答えたのには嘘は無い。でもこぅ、違和感っかなんかこぅ、腑に落ちないと申しますか。

肖像画。ホントにデカイ。

 それにしてもまぁ、ひたすらに、ただひたすらに偉業を讃える為だけに。

蒋介石の像。8メートルあるんだっけ?

 何もかも大きく、ひたすらに。

中国の方を向いているんだそうな。

 神話というか物語を人は求めるものなのかもしれないが…

ドーム部から正門を見るの図。

 蒋介石の遺骸はいつか中国に、自分の生まれた地へと還りたいという遺志の元に埋葬されず保存されているという。
革命を経てこれだけの事を成してもまだ、とするのをどう評価するのかはその時代とその土地の人達によると思う。それこそ一口に台湾
と言ってみたところで歴史だけでなく感情的な部分や、それこそ世代論まで言えば色々あるんだろうな、としか言えないし、所詮よその国
のただの旅行者としてはなるべくこの国の人達に対して不愉快な思いをさせないように、綺麗にお金を使って遊ぶべきなんだろうな… と、
しみじみ思う。

 だってね、この偉大なる蒋介石を称えるというこの施設の誘客イベントとして今は世界の遺産や秘法展をやっててその次は?ったら

門の入り口にありました。
 
 手塚治虫展を、ってのですし。
うん、正直門を入ったトコロでこの看板に出迎えられたのはある種の皮肉のようにも洒落にも見えなくもなく。まぁ単純に考えれば大陸
からの観光客はまず来ない場所で多分これからも日本人観光客が一番のお客さんって場所だから、って事なんだろうけども… うん、
そんなに余所者がアレコレと単純に割り切れる事柄でもねぇよね、っと。



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