USA−P in 大阪
・ 6月16日 − 前編


○ 難波 〜 大阪港。

 朝8時にスッキリ目が覚めた。
幸い、酒も疲労も残っておらず、体に特にこれというダメージの蓄積も感じられないが、念を入れての
ストレッチとシャワー、そしてサプリを飲んだ時に自分が物凄く空腹なのに気がつく。
「さて、どうしましょう?」
 近くにコンビニがあるけれど、それじゃぁあんまり色気も面白味も無いしなぁ… と言って今の時間帯
だと通勤・通学の人で駅は混んでいるしなぁ… っと冷蔵庫を漁ろうとするも何故かロックされている。
よく見ると朝6時に自動ロックされるそうだが… だったら何で昨日のチェックインの際に会計を済まさ
せたんだろう? 二度手間じゃん… っとジリジリした気分で9時まで待ってからホテルを出た。
 
 細かい雨が降ってはいるようだが、それより既に開店している風俗店やらに驚きつつ、アーケードを
通ってビックカメラ近くの地下鉄入り口を降りてすぐある立ち食いのウドン屋で朝食。美味い。昨日の
昼飯なんぞよりよっぽどいい。完全な空きっ腹が火傷しそうな熱い汁を飲み、一日乗車券を購入して
電車に乗る。途中乗り換えもスムーズに、着いた大阪港では既に雨は止んでいて、さて今日もいい
塩梅だぁ… っと思っていたのだが、テレテレと看板に従って歩いてゆくと、どうも嫌な予感がする。
幼稚園児の集団を発見。まぁ歩くスピードからいって私の方が先に海遊館に着くだろうから、早目に
海遊館館内に… っと思ったら、

 ガキの群れ。
 
 どうも小学だか中学生の遠足だか社会見学だか郊外学習だか知らんが集団がみっしりいて、物凄く
気分が落ち込む。その賑やかさ、猿山の比ではないし、引率の教師も
「ダラダラやっとんやないぞお前らぁ! いつでも中止したかてかまへんのやでなぁ!」
 っとハンドスピーカーで絶叫してる様に、まともに注意なり引率しようとする気配なぞ微塵も無く。私が
一体何をした? いやしかし、休日だったら混雑はこの比じゃぁないワケで… と逡巡。よっぽど帰ろう
かと思ったものの、今回の大阪旅行の一番の目的地にまで来ておいて行かない、ってのもどうかと
思ったのと、天王寺動物園なり大阪市立博物館にせよ公共施設であるなら他の学校の遠足なり何か
に遭遇する可能性はあるワケで… っと自分に言い聞かせ入場する事にしたのだが…

 あきませなんだな。

 入り口の辺りから既に傍若無人…
 
 入り口からすぐのトコロで既に、手前ぇらの事しか考えてなくて進むのすら一苦労な上に、無神経に
水槽面を叩いたり蹴ったり、何より大声で喚きながらゾロゾロ歩いていて気分はひたすら悪くなる。

 別にこれ、大阪の子供だからじゃなくてどこの地方でも国でも、親に躾がなっていない子供なんての
は猿以下のケダモノにしか過ぎないんですよな。はしゃぐのはいいんですよ、でも、クマノミの水槽で
「ニモーッ! ニモッ! こっち向かんかいッ!」
 って叫びつつ水槽をガンガンブッ叩いたり、わざわざ【フラッシュ禁止】と表示してあるマンボウの水槽
でもバシバシとフラッシュをたいたり、中に潜水して掃除をしている人がいれば水槽を蹴ったり、走り回
ったり、通路で座り込むどころか大の字に寝転んでみたり… って傍若無人の有様を見るに血圧が上
がりすぎて片っ端から踏み殺したくなりましたもんな… まだ、幼稚園児の方が先生の言う事をきいて
いて大人しくしていたのに比べるとホンッッットにロクでもない有様でしたなぁ…

(クリックすると拡大します。もっとマシなのが撮りたかったなぁ… (涙))

 もっと撮りたかったし、ゆっくり観ていたかったんだけど、兎に角クソガキっかケダモノ連中の狼藉に
もぅ何もかも嫌になって順路を進んで出口に出ると、隣接するレストランに昇って一息つこうと煙草を
手にするんだけど、怒りが収まらずに手が震えていてうまく火がつけられない。あまりに腹が立ってる
のを静める為に飲み物だけでは足りないのでハンバーガーセットを注文してみてフトこのレストラン、
もぅ11時半になるってのに客が私しかいない事に気がつく。

 貸切状態ですよ、ヤッホーイ
 
 大丈夫かぁ? そりゃまぁ遠足とかの連中は兎も角として、それなりに普通のお客さん達も来ている
のに何でこのレストランには来てないんだ? ちゃんと厨房ではレンジじゃぁなくて調理の音がしてる
のに? っと煙草を吸いながら気分を落ち着かせようと窓の外を見るも、ケダモノどもが走り回ってる
様にヘドが出そうになってデジカメの画像チェックをするが、やはり怒りからか小さな液晶画面でもブレ
ているのが解るものが多くて落ち込む。そうこうしていると出てきた

 また小さいんだわ、コレが…
 
 を食うが…
「成る程、こりゃぁこんな時間でもお客は来んわ」
 と気持ちが怒り過ぎて逆に冷徹になるような味で、早々に腹に入れて退散したが、どうにも怒りが
収まらない。よほど気分転換に大阪港を歩こうかと思ったものの天気の不安定さもあるし、兎に角もぅ
ケダモノから離れたいので一旦、九条まで戻る事にしたが歩く道で吸う煙草の味を感じれない。また
ぞろ歯軋りで歯を砕くのも嫌なのでガムを噛むが気分は一向に落ち着かなかった。

○ 大阪港 〜 九条。
 
 行きの電車で見えた大阪ドームに行くのなら、もっと違う路線もあったのだろう。が、目的は気分の
沈静化、で。海遊館でのケダモノの、有象無象の連中の御蔭で自分の中の許容、寛容のゲージが
ゼロになっていて、気分が殺伐としているのが解るがどうしようもない。と言って、ホテルに戻るのも
馬鹿らしいし、第一チェックインは15時からだし。わざわざ大阪まで来ておいて映画ってのもどうかと
思うし、観たい映画があるでなし。となれば人が少ない地域でもブラブラと歩いて沈静化しよう… と、
思いながら降りる九条駅すぐのアーケード

 クリックすると拡大します。

 なんやねん、バッファロードって。
誰が書いたか知らんけど、侘しいわ… っと八つ当たり気分が露骨過ぎるのか、商店街を歩く人々の
私を見る目が険しい気が… って被害妄想? と思う間にアーケードを抜けてしまい、なんとなくその
まま大阪ドームに向かうのは嫌なので左折し進むと神社がある。

 いい雰囲気の神社でした。
 
 旅行の無事を願いつつ道を曲がると
「ッ!!」
 
 … 松島新地料理組合、だと?(汗)
 
 遊郭街じゃないか… っと思うよりも早く、自分の気分がピリッっとする。
丁度表通りからの入り口らしく、何気なにこちらを伺う視線がそうさせたのかもしれないがまぁここで
アタフタしてもしゃぁねぇや… っと煙草をくわえて火をつけ散歩する事にした。歴史的には確か大阪
空襲の際に全焼した後、戦後になってからこの地にと移転した… っと中村遊郭街などのような経緯
はよくあるものだが、松島もまぁ古いワケではないが新しい場とも言えない、適度に草臥れた雰囲気
がするのは落ち着く筈なんだが、所々に… このテの遊郭街にはポイントってありますよな… これ
みよがしではないもののまぁ普通の雰囲気でない人達がチラリと見え、お互いにジロジロとは見ない
ものの何となく意識してる、ってな空気は久し振りなんだけど、なんだかシンドイ気がするのもきっと
海遊館でのケダモノ連中のせいだろう。おおまかに電柱に看板がある通りに従うようにして一周して
みるも、流石に平日の真っ昼間って時間帯のせいか、潰れてない店でもまだ開店してるトコロは殆ど
無し。いくつか開けている店もあったが、どうも私の雰囲気が気に入らないのか遣り手婆さんらは目を
逸らしたり合わさないようにするのだが、そのポーズの大袈裟さ、わざとらしさになんとなく神経が磨り
減りイライラしてくる。
(何でやねん。ちったぁ営業努力のフリかてしてもええやんけ… )
(そない面倒な客に見えるんか? あぁ?)
 まぁ上がるワケにもいかないんだけど、あまりのツレなさに新地を出たか出ないかの所に個室ビデオ
屋のノボリがあるのを発見。
「昼寝したい。3時間。」
 っとビデオを借りない私に多少嫌な顔をしつつも部屋に案内される。狭い暗い部屋には、安い消臭剤
の臭いが染み込んでいるが、ヘッドホンを耳栓がわりにして椅子にもたれかかると自閉の気持ち良さ
が沸き上がってくる。イライラと荒んだ気分が少しづつ静まっていくのを感じながら煙草を吸って、鍵を
もう一度確認してから私は目を閉じた。

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