・「戦略としては正しいのかもしれんが… 」 − 2004・12・11


 私が映画のdvdを購入する際に参考にするのがアメリカでのBox office。
勿論、宣伝などの資本力による順位、ってのもあるが、一方でインディペンデント
であっても口コミで上映館数が増えていって… ってのは『マイ・ビッグ・ファット・
ウェデング』
などいくらでもあるから1つの目安として毎週チェックをしていますが、
今年の中頃にかなりのヒットとなった『シュレック2』、前作が嫌いではなかった事
も含めて気にはなっていましたが、劇場に行くまででもなく。いずれレンタルでも…
と思っていたら、妻の会社の同僚の方のご好意で日本版dvdで観れまして。


 兎に角、CGの技術が上がっているのに加えてテンポも良く、楽しめた作品で
「うぅ〜ん、コレのdvd、どうしようなぁ… 日本版も結構安いんだよなぁ… 」
 と悩みつつ、とりあえずdvdをケースに仕舞った時に
「あれ?」

日本版dvdのジャケット


「こんなジャケットだったんだ… って、
ちょっと待った!
 US版で購入しようかと思っていたので気がついたんですが、確認の為にネットで
調べ、ついでに各国版のジャケットをそれぞれの国のAmazonで見てみると…


アメリカ&カナダ版dvdのジャケット

 まずはアメリカ&カナダ版のdvdジャケット。
ジャケット表紙にも宣伝文句、ってのは実にアメリカらしいですな。


イギリス版dvdジャケット

 これがイギリス版。
実は個人的に一番好きかもしれないジャケット。


ドイツ、フランス版dvdのジャケット

 で、ドイツとフランス版のジャケット。
フィオナ姫の立ち方、向き、表情が他の国のとは違いますが、これはそれぞれのお国事情
なのかもしれませんね。


 さて、お分かりになりましたでしょうか?
 そう、
 
フィオナ姫が人間の姿をしてるのは日本版だけ
 なんですよ…

【 以下、ネタバレなので既に観た方のみ反転を推奨 】

 コレ、「昼はお姫様。夜はオーガ」って呪いのかかっている前作だったらアリだとは思うんで
すよ。しかし、前作で呪いを解いたらオーガになっちゃったけど、それはそれとしてシュレック
と共に生きてゆこうと決めたフィオナ姫の決心や、冒頭の新婚旅行の無邪気で楽しそうな絵
からも解るように、フィオナ姫は自身の選択に対して公開や逡巡はしていないんですよ。まぁ
思うところは色々あったのかもsれないけど、呪いが解けた時点でオーガがデフォルトだった
って事をありのまま受け入れている、って素敵な部分で、ある意味ではこの映画のキモだとも
言えるじゃぁないですか。最後に何故、ハンサムなままでいられるのを放棄したのか? って
部分じゃぁないですか。なのにこの日本版では、このフィオナ姫こそデフォルトで、あくまでも
仮の姿がオーガ… って事になりません? それはちょっとこの映画の趣旨やテーゼに反す
事じゃぁないんでしょうか?

【 以上、ネタバレ区間、終わり 】

 日本のマーケットに対する戦略としては正しいのかもしれんが…
だけど、こういうのってどうなんでしょう? なんか日本側の配給会社にDW側が騙されたん
じゃぁないのか? 字幕の戸田奈津子込みで… って言いたくもなりました。折角の作品に、
楽しかった気分になぁんかケチをつけられたような気がしまして…

こういう事を思うのって私だけ、なのかなぁ?


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