・『御法度』 − 2004/07/12
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って事で『御法度』を借りてきた妻に付き合う事にしたんだが、もぅ冒頭から
こりゃぁひでぇや。
「僕はあらゆる【御法度】を破ってきた」
「君は人を斬ったことがあるか」
ってキャッチコピー、アジテーターとしての大島渚らしいものではあるけど、中身
との乖離も甚だしい、駄目な、クズな、下衆、劣悪な映画でございましたな。
大島渚がマザコンのホモ… オカマ用語で「ネコ」、８０１なら「受け」の人で
ある事自体はどうでも宜しい。手前ぇが掘ってもらいたいだけ、ってセンズリのズリ
ネタの為だけの映画製作、ってのもまぁ勝手だと思うし、掘ってもらいたい人の為に
だけ環境を整える、ってのも当人の勝手だとは思う。それだけでなく、
新撰組にも、
時代劇にも、
日本刀にも、
武士にも、
日本の歴史にも、
文化にも、
京都にも、
何一つ思い入れも無いし、どうだっていい、ってのも製作者の意図、判断、だから
それ自体をまず、とやかく言う事はしたかない。現代語でボソボソ喋らせるのも化粧
も現在的だろうが、そんな事もまぁ言いたくはない。
でも、結局この人って才能無いから私的に駄目なんだよ。
やりたい事が「犯ラレタイ」ばかりでそれ以外に無いから撮りたい絵や話やテーゼ
があるワケじゃねぇし、『世界』への願望があるワケじゃねぇもん。その辺はもぅ、
すっげぇ露骨で観客も不在ならスタッフも他の出演者もどうでもいい、ただただ自分
のエゴが全部手前ぇのケツの穴にに向かってるだけなんだけど、才能が無いから全然
まとまんなくて散漫だし、手前ぇで積んだり拡げたり出来ない上に凡庸なんだけど、
それで満足してるから観てて
「すっげぇ退屈」
って以外に言い様がねぇもん。
ワダエミの衣装に負けた出演者達は皆、カツゼツは悪いわ芝居も殺陣も相手の動き
を待ってから… ってするから「間」はガタガタでダラダラで緊迫感も無ければ緊張
感もカケラも無し。特に話的に殺陣の必然性は全く無いし、こんな程度なら… 別に
幼稚園の学芸会程度の事しか出来ないのなら入れる必然も必要もこの映画には無い…
まぁ監督には必要なんだろうけどね、ズリネタとして。
繋ぎはいい加減で出鱈目。時間経過と場面展開、進行についての計算が全く無いから
モタモタしてる上にゴチャついているし。
土方役のビートたけしに台詞も心情も状況等も全部説明させて進行させる、って手法、
素人のホーム・ビデオじゃないんだからさぁ… 語らせずに見せてくれりゃぁいいもの
をそれが出来ないし、肝心のビートたけしが役者としての技能が無いからあれじゃただ
の馬鹿だっての。
で、更に余計っか無駄な説明文、進行文がダラダラと出て…
っか説明すんなよ、描写して見せてみろよ、あんな状況（情況）程度。
素材としての松田龍平をよく見せよう、撮ろう、という意志、意図はいいの。
でも、雰囲気は悪くないが素材としては喋りも演技も未熟以前の彼を一番よく見せる
為に、出演者全員をほぼ素人でまとめても場数の差が出るから余計に素人臭くなって
「男を狂わせる妖しの美少年」ってのになってないんよ。この最大の核、ポイントに
説得力無さ過ぎて話になってねぇよ…
撮影監督の御蔭で見れるシーンが全く無いワケではない、ってだけですなぁ…
菊と桜を新撰組に斬らせる、ってのにしても、思いつきっか取ってつけたもの以上の
ものでもないから、出来としちゃぁ豪華に見える部分もあるけどやってる事ったら…
そうさなぁ… 結局、コスプレＡＶみたいなんだけど、マニアを狙って… ってな
客観性や観客論が全く無い、素人が自分の趣味で撮ったヤツＡＶもどきで。
「いいよ、いいよ〜」
と内心で涎と我慢汁垂らしながらハァハァやってるのが見えすぎてて、キモイよ。
流石に歳くった分だけ昔に比べりゃ実際の肉欲感は薄いっか淡白になってるけれど、
でも、平凡な、それも撮る事それ自体が目的であって撮ったモノより撮った記憶を
ズリネタにしてる奴の、映像（ヌケガラ）を延々と見せられても… ねぇ。
私はホモは嫌いだし、ホモ映画だって嫌いなんですけどね、でも、多くのホモ映画
にしたって、やっぱ「他者」って対象があってこそ成立するものだし、その「他者」
を求める、理解してもらいたい、救われたい、同化したい、等の対象が同性か異性か
って事（欲求）にどうこう言う気はねぇんですよ。だって趣味とかの事だから。
でもね、映画だけでなく創作物である以上は
「それをどう表現するのか」
ってのが私には重要だし、
「映画としての出来」
ってもあって… ってなると、こんなのはオハナシになりませんな。