『Emmanuelle 1 & 2』 − 2004/10/07


 妻と『殺し屋1』をレンタルしてきて、さっき観終える。
原作のテイストを危惧して(妻はスプラッターとかゴア映画って苦手っか興味が無い人)
今まで借りなかったのだが夫婦揃って浅野忠信が気になる、ってのもあって今回レンタル
したんだけど
「 … 」
「 … 」

 と、エンドクレジットが出てしばし二人共黙ってしまった。


 原作との相違点や解釈の違いをどうこう言うのも野暮だし、間違ってる、とも思わなかった
のだが、原作がある程度明瞭な「意志」とか方向性とかあったのと比べるとなんとなく曖昧な
印象ってのがどうにも残ってね。

 三池監督が考えナシの人では無いというのは解るがなんと言うか… 企画単位で思いつい
た事をしていくスタイルって言うのかな? そこのトコロがどぅも個人的にノりにくいものがある
んですわ。色々手前ぇのやりたい事をあれもこれもと際限も節操も無く詰め込んでゴッチゴチャ
… ってな映画よりは私的にずっとマシなんですけども…

「でもさぁ、なぁんか残らないんだよね、コレ… 」
「そうだね… 気持ち悪い夢、って感じっか後味くらいしか残らない。って言うか、映画の印象
薄いよねぇ… 」
「これだったら夫は、もし
「三池監督作品で何を観たらいい?」
 って聞かれたら迷わず『D.O.A』を薦めるなぁ」
「元気玉は許しません!」
「いやだってさぁ、竹内力と哀川翔だよ? 普通にこぅおんどりゃぁ〜! とかやってもしょうが
ないじゃん。それを最後ああする為だけに作るなんて客、ナメてていいじゃない」
「でも元気玉は許しません!」

 とか話してたくらいで。


 SFXもそない観るべき価値のあるものでなし、悪趣味さの後味の悪さも足りないし、暴力の
エゲツなさも快楽も無く… そして原作が一応東京が舞台でなければ成立しえないお話だった
のと比べると、別にこの映画の場合、それも必要は無いし…

 コレもまた『映画』なんだろうし、なんとなく自分の中にまだまだ三池監督への興味を起こさせ
たものの… 決してコレは代表作とは思えないんよね。残酷描写とか悪趣味とかを映画で観慣れ
てない人にはともかくとして。私もそんなに期待してとかじゃぁなかったけど、なんっ〜か監督の
意図はあっても世界観と言うか情念っかノリが薄い作品… ってのはチト個人的な求心力には
欠けるかなぁ… もっとハチャメチャにしてもいいのに、なぁんか小さくまとまってしまった、って
印象が残りまして、ね。

 間違いなく才人だとは思うんですけどね、三池監督は。
 ただ、映画監督として才人か? となると、この映画を見る限り微妙だとは思いましたが。


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