・『You Got Served』 − 2004/05/21
アメリカの今年の春前の興行成績でダントツの1位を獲得しながらも、
IMDb(International Movie Date base)ではワースト映画部門で圧倒的1位
の最低評価を下されている『You Got Served』。
日本での公開予定が特に無いのと、ダンスシーン、そしてこの評価が気に
なってdvdの予約注文ををしたのですが…
お話としては、
「ストリート系ダンスをしている若者達の愛と青春と友情」
って書く以上の事は無いくらいにシンプル。
暗くない、挫折しない、絶望もドン底も無い『8Mile』って言うか多分、『8Mile』
を参考にしたんだろうなぁ… バトルシーンの雰囲気とか話の構成とか… と
思うくらいに似ている。まぁ「青春映画」で「勝負」ってなるとああなるものかも
しれんけれども。
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確かにダンスシーンはいい!
1つ1つのスポットは日本人でも出来るし、日本人の方が巧くやれるだろうとは
思うのだが、約10人程度の集団での構成って点は多分コレ、参考になっても
ここまで密でありながらもフリーな空気で、且つ、基本的にユーモアがベースに
なってるのは2,3人のグループなら兎も角10人のチームでの構成で… って
のは出せないんだろうなぁ…
と思えるが、それをあまり奇を衒わないカメラワークと細かいカットでのテンポ
のバランスで「魅せる」というよりも「見せる」事にした製作陣のテクニックやセンス
もまず無理だと思う。
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しかし…
正直言えば、本当にそこ以外はどうでもいい… っか、IMDbに所属するような
真面目な『映画ファン』からすりゃぁ
「こんなの『映画』じゃぁねぇよ!」
と怒るのも解らないではないのね。
『8Mile』の成功って、ミュージシャンである筈のエミネムの役者能力と病的で暴力的
な存在感にもあると思うが、それと比べるとまぁ出演者陣のどいつもこいつも演技
以前で観れたものじゃぁない。
加えてドラマ部分も『ビバリーヒルズ青春白書』にも劣るスッカスカ。『映画』にお話
をあまり求めない私でもそう思うんだから『映画』に涙とか感動とか求める人は呆れる
かもしれん。
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まぁ、そういう『映画』だと割り切るべきなんだと思うんだけど、更に撮り方がTV的過ぎ
(基本はバストアップショット)だし、色や画面構成への配慮や意識が薄くて甘いのは
いかにも辛い。そういう点ではまだ先週書いた『DRUMLINE』の方がちゃんと『映画』して
いたのと比べると、ねぇ… リュック・ベッソンとか北村とかよりは『映画』として纏まって
はいるけど、纏まっている事それ自体を評価するのもねぇ… っと。
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でもBGMもイマイチなんだよね…
HIPHOPってよく知らん私だが、全体的にあまりにチープ過ぎ。演出の1つである筈の
BGMがダンスシーン以外はあまりに雑な使い方過ぎて萎えるし私の趣味以前にジックリ
とサントラで聴きたくなるような曲が1つも無いスカスカっぷり。
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だけど、そういう不満をダンスシーンの1点豪華主義でギリギリだけどチャラにしてくれ
たからまぁいいか? と思う。っか、もぅダンスシーン以外は観ないけどね、コレ…
『DRUMLINE』が大学が舞台だったのと比べると、バカ者ばかりの映画で話も薄い分だけ
台詞も大体解る範囲。ストリートダンスに興味がある人だったらオススメ。劇場で観る必要
は無いと思うな… そういう画面の大きさの必然性は無かったから。地上波TVで間にCM
が入る状態でも構わないかなぁ、コレは…
まぁ観る事自体をオススメ出来ないって程では無いとは思いますけどね。