・『Breasts: A Documentary (1996)』 -  Region 1?


 Studio: First Run Features
 DVD Release Date: March 21, 2006
 Run Time: 50 minutes

 Aspect Ratio(s): Full Screen
 Available Audio Tracks:
 English (Dolby Digital 2.0 Stereo)

 SPECIAL FEATURES
  ・BONUS FOOTAGE (27 min)
  ・INTERVIEW WITH FILMMAKER MEEMA
   SPADOLA AND THOM POWERS (11 min)
  ・ORIGINAL MUSIC FROM BREASTS (13)
  ・FILMMAKER BIOGRAPHES
  ・TRAILER GALLERRY (4)
  ・ABOUT FIST RUN FEATURES


 ・女性が自分自身の胸っか乳房について語るという形式に興味を持ったのと、寺山修司や
 猪瀬直樹らがやっていた市井の人々へのインタビューってのがワリと好きなのと、
 「結局自分を語る事になるであろうその着地点とかはどうなるんだろう?」
  って興味を持っての購入、でしたが…

  11歳から84歳までの22人の女性が自分も含めた「Breast(胸、乳房)」について語る、
 という対象数、あえて「Breast(胸)」であって「bust」ではなく、勿論「Tits」や「Boobs」ではない
 のは結局、その人が語るBreastについてそれが自分自身であろうとそうでなかろうと、豊胸
 手術やブラについて等のイメージ論にしてもその人自身の歴史や個性を語る為のものって
 予想通りのものになっておりましての。
  実際監督も
 「女性にとっての胸ってのは公的に晒されるものでありながらも、それ自体について当人が
 語る事はあまり無い。だからセクシャルな意味だけではなく、色々な方向から様々な人達に
 語ってもらいたくてこのドキュメンタリーを作った」
  ってな事を言っておりましたが、その目的は果たしているんじゃぁないかと。登場する方々
 が皆、とても明るい… 例え話題は暗いものでも… のは結局歳どうこうではなく女性として
 現在も抱える悩みとまでは言わないものの気にはなる点、まさにそのもをのトップレス状態
 で晒しての語りをしてるのが一因かと思いましたな。ぶっちゃけてるって言うか。まぁアメリカ
 だからこそ、って点もあるかもしれませんが母娘で
 「アタシだって昔はデーンってあったんだからね!(笑)」
 「母さんイカス!(笑)」
  ってやりとりやらはアメリカに限らず父息子では多分、出来ないものだったんじゃないか?
 って思いましたし、それよりなによりもまずその語り口の明るさ、開き直りによるユーモアが
 ベースになってるのは観ていて厭な気分にゃぁなりませんでした。

  ただ、結局「その人自身の歴史や個性を語る」って時点でオチというか答えなんか出るワケ
 ではないのは明白で… 各章名を見てもらえば解るかと思いますが…

 ・ MAIN TITLE
 ・ GROWING UP
 ・ BRAS FROM AA TO E
 ・ THE PERFECT WOMAN
 ・ MEASURING UP
 ・ BIGGER
 ・ SILICON
 ・ THE BREAST EXAM
 ・ SMALLER
 ・ THE PROFESSIONALS
 ・ POWER TOOLS
 ・ OBJECTS OF PLEASURE
 ・ BABY BOTTLES
 ・ AN OVERWHELMING SHOCK
 ・ THE STRONG BREAST REVOLUTION
 ・ TIME + GRAVITY = ...


  シメが老化ってのがチョイと弱い上に話題が散らかってるのもあってゴチャついた印象が
 あるのは残念だったな、と。やや監督側は女性のセックスアピールについては否定的です
 が… 特に豊胸手術についてはシリコンによる発癌の可能性を伝えるニュース映像を挿入
 したりして… あくまで聞き手に撤して語らせるままにしてあり、
 「発ガンの可能性のリスクは承知しているがコンプレックスまみれのままよりはずっといい」
  っと言う女性らを揶揄したりしないスタンスは良かったし、22人という数は確かに少ないし
 人種等の多様性にも欠ける部分はありますがキリが無いしこれ以上長くなってもダルくなる
 であろう事、音楽とテンポのいい編集で50分にまとめる為と思えば決して少なすぎるという
 事ではないし… っと、悪く無い作品だけにその散らかり方が残念でありましたわ。

  いやしかし…、

  ブラじゃ、今から何十年も前の白黒のTVCMで宣伝されてる事が今と全く一緒なのはなん
 だか面白悲しい気分になりまさぁな。人としての悩みは、これだけ技術が進歩してもなお、
 情報が氾濫しまくってもなお己と他者との問題である以上は本質的な変化なぞないし、それ
 は男だって… ねぇ? って言われたような気がしましたよ、っと。

 ・画質はフィルムベースのようなんで若干良くないんですが、まぁこれは演出かとも思うんで
 コレはコレでいいんじゃぁないかと。音質は良好。オリジナルの楽曲も楽しいしクリアーです
 が、と言ってインタビューイの言葉がちゃんと聴き取れるんですからオッケーでしょうて。

 ・特典はそれなりに揃っておりますが、本編で感じた不足分を補うものか? ってなると蛇足
 げな印象があります。監督らの語りは、結局本編でまさに赤裸々に語ってる人達に比べると
 頭でっかちっか説明過多になってる印象、それこそ蛇足っとな。
  まぁ思うような作品にはならなかったであろう本作、それも10年も前のについて語るとなれ
 ばそれは仕方ないかな? って気もしますが… 個人的な欲を言うならば「10年後の、現在
 の『Breasts: A Documentary』」みたいなのがあった方が、少なくとも監督らの喋りよりも良か
 ったんではないかなぁ… っとな。

  ジェンダー論的なのやエロとして期待してると物凄い肩透かしになるかとは思いますんで
 オススメはしませんが、値段からいっても私にはまぁいい暇潰し&考える材料にはなりました
 よ、っと。


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