・『Debbie Does Dallas Uncovered (2005)』 -  Region 1 ?


 Studio: New Video Group
 Theatrical Release Date: December 3, 2005
 DVD Release Date: March 14, 2006
 Run Time: 96 minutes

 Aspect Ratio(s):
 Available Audio Tracks:
 English (Dolby Digital 2.0 Stereo)

 EXTRAS
 ・Bonus film "Diary of a Porn Virgin"
 ・ABOUT DOCURAMA
 ・DOCURAMA TRAILER PARK (4)

 ・Undergrowndであったポルノ映画、成人用として初めて劇場で公開する事を前提に製作さ
 れたHardCore作品『Behind the Green Door (1972)』、アメリカの文化史として近代美術館
 にも保管されているという『Deep Troat (1972)』等のように映画史に関わる作品、ではなく、
 メジャーとして製作されアメリカ人に一番よく知られているというポルノ映画『DEBBIE DOES
  DALLAS (1978)』について、当時関わった人達と当時のアメリカについてのドキュメンタリー
 ってまんま『Inside Deep Throat (2005)』の2番煎じっか柳の下の泥鰌狙いげ一品。

  ぶっちゃけ『エロ事師たち』っか『黒薔薇昇天』のような可笑しいんだけど悲しいってな懐古
 モノを期待しての購入でしたが、のっけからマフィアとの関係やら出演女優の多くが薬物の
 過剰摂取やらで早逝してたりするわとヘヴィーなことこの上も無い話の連続、途中で挿入さ
 れる本編がなまじ明るくて陽気なポルノの分だけ余計にシンドイものになってるんですが…
 、残念ながら本作はあくまで『DEBBIE DOES DALLAS』周辺に限ってなので局地的っか1つ
 の例とすれば、実はそうそう珍しいエピソードではない、という時点で私の中では終わってし
 まってるんですよな。もうちょっとハリウッドも含めた映画ビジネスとマフィアとの関わりやら、
 本作においてポップカルチャーや反体制の表現でもあったポルノがまた商品に戻った事、
 アメリカのポルノ規制法やら突っ込んでくれたらなぁ… 一応、どれもチョロっとは語られるん
 ですが、あくまで『DEBBIE DOES DALLAS』のヒットによって人生が予想もしない方向に流れ
 てしまった人達の証言集的なので終わってしまったんでドキュメンタリーとして若干食い足り
 ないのと新らたな発見なり新事実の提示なりにまでいかず業界残酷物語程度では… っと。

  多分、そういう業界残酷物語をやる素材がたまたま『DEBBIE DOES DALLAS』であった、と
 いうだけで、製作者らには作品だけでなくポルノへの思い入れっか愛情? なんかは無いん
 だろうな、っと思うくらいに対比を全部『DEBBIE DOES DALLAS』の本編に任せて語らせる、
 ってヤリクチは個人的にはあんまり感心しないな… っと。

 ・特典の"Diary of a Porn Virgin"はそんな本編を補うような現在のポルノ業界を、業界歴の
 浅い人妻モデル、元ムスリム女優、そして素人の男優志願者の3人を追う事で見せるという
 もので48分の尺に悲喜交々、それぞれの人生と業界について語る… という作品です。
 厳密に言えば「Virgin」なのは男優志願者だけなんですけど(笑)、それぞれの関わる仕事で
 の人間模様はありきたりではありますが面白く思いましたが… しかぁし! 商品としての
 ポルノというメディアがどれ程変化をしようとも提供されるのはマスターベーションのオカズと
 しての性、セックスイメージになっているという製作者側の認識はいいにしても、提供側の技
 術的変化はあってもその姿勢は変わるものではなく、むしろ現代の消費者側を取り上げな
 け れば片手落ちにしかならんのではないかと! って思うんですよな… なにせする事は
 古代ローマの昔から変わってるワケじゃぁないんだし。そういう意味では元ムスリムの彼女
 単体での宗教観とかに絞った方がドキュメンタリーとして深化出来たんじゃぁないのかなぁ…

  リアリティTV的なバラエティ系ドキュメンタリーとしては退屈はしないけど、果たしてこれが
 今、作られなければならない情況や問題であり、この作品がそれに迫ったのだろうか? と
 観終えて考えてみるに、まぁそれは無いな… っと。

  この会社、ドミュメンタリーではなくドラマのようなドキュメンタリーというDOCURAMAである
 と謳っているようですから、手法としてのドキュメンタリー的な作品にそこまで求めるのもどう
 かとは思うんですけど、しかし題材としては悪くないだけに切り方&掘り下げ方、切り口と着
 地点の浅さがなんか勿体無いなぁ… って思うのは贅沢? それともお門違い?

 ・… って感想はさておき、画質、音質は良好です。意図したのかどうかは判然としませんが
 デジタルビデオの画質は、フィルムとの対比って点で面白く思えましたが、あえて観るだけの
 価値は無いなぁ… っと。


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