・『Nak (2008)』(PAL) - Region 3


 Studio:
 Theatrical Release Date: April 3, 2008
 DVD Release Date: July 6, 2008
 Run Time: 90 minutes

 Aspect Ratio: Anamorphic Widescreen 16:9
 Available Audio Tracks: Thai - 5.1 Dolby Digtal Surround
 Subtitle: Thai

 Special Features:
 ・Maikng of "Nak"
 ・Voice Actor Interview
 ・Song Video (2)
 ・Theatrical Trailer


 昔からタイでは土地や先祖等の精霊(ピー)にお供えをし敬う風習があり人と精霊はそれぞれ仲良く暮
 らしていたが、都市化する事でその風習は次第に忘れ去られていくに従い精霊たちの世界にも秩序が
 失われ、悪い精霊が人の世を狙うようになっていった現代…

  精霊と人間がなんとなく共存しているタイの田舎の農村に暮らす姉弟。
 年に一度の村祭りの夜に母親に内緒で遊びに来たものの、弟が人間界を征服しようと企む悪霊に襲わ
 れ生贄として攫われてしまう。悪霊の襲撃から身を守ってくれた精霊に何とか弟を助けたい姉は協力を
 求め精霊たちの居住区へと行く。精霊たちの間でも悪霊らの振る舞いには困っているもののしかし精霊
 を蔑ろにしつつある人間への協力に難色を示す物もいたが心優しい女性の幽霊ナークが立ち上がる。
  かつて子供を奪われた悲しみを知るナークにとって家族が引き離される事の辛さを知っていればこそ、
 そして奪われた子供との再会をも胸に秘めて幽霊列車で首都バンコックへと向かうのだが…

 ・タイで初めて製作されたフル3DCGの子供向けアニメ映画、って事で何となくオーダーしたものの、手描
 きアニメがアニメーターの職人技とセンスが必要とされるように3DCGアニメの場合はセンスだけでなく機
 材、ソフト、人材が揃っていなければどうにもならずアメリカのようにTV放送用のフル3DCGアニメが何本
 も放送されていたり日本等のように劇場で既にフル3DCGアニメも上映されていたり部分パーツ単位での
 CG導入がなされている国ならばいざ知らず環境的には決して恵まれているとは言えないタイの映画界で
 の物だけに正直言えば期待より数合わせ的な、とりあえず押さえておこうか… って程度でしたが、これ
 はよく出来ていた映画でございましてなぁ… 全編タイ語、DVDに収録されてるのはタイ語字幕だけ、って
 タイ語がサワディカップくらいしか知らない私でも子供向けって事で台詞はあっても状況説明が殆ど無い
 為に観ていれば何となくストーリーが解るようになってるってのがまずいいじゃないですか。そして様々な
 アニメ作品以外の映画だけでなく多分マンガやゲーム等からも着想を得たであろうキャラやネタ、そして
 画面構成がスクリーンで観る事が前提になってる立派な映画になってるんですよ。で、トゥーンシェイドの
 3DCGでの画面の密度はわざわざ描き込み過ぎないようにしてあるけどもそれは手抜きではなくちゃんと
 考えられたもので、デザイン的にバラつきの無いものになってるんですよね… よく実写の映画でもある
 でしょ? 世界観に小道具とかが合ってないのって。そういうのは無いんですよ。スケールだけでなくデテ
 ィール、デザイン的にも違和感が無いんですよね… インドの映画会社Yash Raj Films社がディズニー社
 と組んでのフル3DCGアニメ『Roadside Romeo』を公開しますが現時点で公開されているこの予告編で観
 るに映像的にもモーションのつけ方にしても既視感のある描き込み方とデザインで、それはそれで凄い
 とは思うんですけど特に私には興味が持てないものだったのと比べ本作はえらく私のツボにきましたよ。

  確かに子供向けであるが故に物足りない部分もありますし、一回だけ絵で見せないで言葉による説明
 だけで済ましてしまった場面があるのが惜しいのですが、人材もノウハウも資金もメジャーに比べれば決
 して豊富とは言い難いであろうタイで、初めて製作されたのでこのクオリティならば次回も楽しみにしても
 いいんじゃぁないのかなぁっと思うんですよ。いやね、確かにモーションの付け方がちょっと甘いトコロが
 あったり、演出的に緩急が欲しい部分もあったんですけど、しかしコレ、初めての作品ですしね… 何より
 も最後まで、タイ語がちっとも解らないけれど観ていられるだけの映像でちゃんと物語が伝わったんです
 から、それでもぅ私としては満足ですよ、っと。リアルに行くのは資金と人材と機材があれば出来る事で、
 この映画ではそれは出来なかった分、センスとスタッフらの様々な映画や映像等の蓄積があって出来た
 この映画、いやぁ楽しかった!

 ・さてDVDソフトとしましては…

  DVD一枚なのにえらく大きめのケースを開けると

  箱を開けたトコロです。

  っと飛び出す絵本形式のものが出てこれはこれでアリかと。

 
画質、音質は共に問題無しっか美麗ではないかと思いますが… メニューも全部何もかもタイ語表記な
 んでちょいと混乱するかも(笑)。ただメニュー自体は「本編再生」「シーンチャンプター」「セットアップ」
 「Special Features」の4つだけですんで、まぁ何とかなるかと。

  で、特典ですが… あ、全くタイ語が読めないんであくまで適当に付けたもんですが… って事で、
 
「Maikng of "Nak" 」は監督らへのインタビューや3DCG製作の様子等を収めたもの。
 
「Voice Actor Interview」は声を担当した俳優さん達へのインタビューとアフレコ風景を納めたものです。
 ただタイ映画界の事をよく知らない私は『Ong-Bak (2003)』等で出演しているペットターイ・ウォンカムラオ
 くらいしかワカランかったんですが、おそらくは慣れないであろう映像に合わせたアフレコの苦労などを
 語っているものかと思います。。
 
「Song Video」は劇中曲のフルバージョンを本編映像だけでなくPV用のCGムービーと合わせたもの。
 
「Theatrical Trailer」劇場版予告編、です。

  ちょっと特典部分が弱い気もしますがDVD品質としては問題無し、リージョン3でPAL版という難点はある
 もののタイ映画の購入のついでに一本、お勧めしますよ〜


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