・『The Best Arbuckle/Keaton Collection』 - Region 1


 Studio: Image Entertainment
 DVD Release Date: October 22, 2002
 Aspect Ratio(s):Full Screen - 1:33:1
 Available Audio Tracks:English (Dolby Digital 2.0 Stereo)
 
 DVD Features:
 Brochure by Jeffrey Vance, co-author of Buster Keaton Remembered

 Number of discs: 2

 ・え〜、収録作品は

   Disc-1
  "The Butcher Boy (1917)" - 30min
  "The Rough House (1917)" - 22min
  "His Wedding Night (1917)" - 19min
  "Oh Doctor! (1917)" - 23min
  "Coney Island (1917)" - 24min
  "Out West (1918)" - 25min
  "The Bell Boy (1918)" - 33 min / Spain:20 min
  "Moonshine (1918)" - 23min
 
  Disc-2
  "Good Night, Nurse (1918)" - 26min
  "Back Stage (1919)" - 26 min / Spain:17 min
  "The Hayseed (1919)" - 27 min
  "The Garage (1919)" - 25 min

  
…っとなっております。

 ・さて。

  かつてチャップリンらと共に喜劇王としての人気がありつつも、出鱈目な強姦殺人容疑の余波を受けて
 主演作品の大半が焼却されたロスコー”太っちょ”アールバック(Roscoe 'Fatty' Arbuckle)。サーカスの
 曲芸出身で、その巨体にも関わらず器用さと愛嬌のある彼氏は映画の才能もある人で、キートンを映画
 界へと誘った頃には既に自身の監督、脚本、主演作もかなりの数があったそうなのですが…
  そんなアールバック氏が主演で、脇役ではありますがキートンとのコンビ出演をしている作品を収めた
 ものがこのDVD、でございまする。アールバック氏の事件について興味のある方は

  『マジソンズ博覧会』
   http://www5b.biglobe.ne.jp/~madison/index.html
  内の【悲惨な世界】
   http://www5b.biglobe.ne.jp/~madison/mondo.html
  から「でぶ君の転落 - ロスコー・アールバック強姦殺人事件」
   http://www5b.biglobe.ne.jp/~madison/mondo/m_01/m01_1.html


  を読んで頂ければ、っと。

 ・ キートンのデビュー作『The Butcher Boy (1917)』からの二人のコンビ作、という点ではフィルモグラフィ
 にある『A Country Hero (1917)』や『The Cook (1918)』が抜けているのが残念っちゃ残念、ではあります
 が別のDVDに収録されていますし、前述のような事情を考えればこれだけの数が揃っているだけでも
 御の字ではないかな、っと。

 ・ドタバタと軽業で笑わせるアールバック氏の作品、確かに続けて観てるとパイや粉の掛けあい等のパタ
 ーン、お約束などが気にはなりますが1つ1つのエピソード単位で観れば充分面白い作品ではないかと。
 アールバック氏は、どんな設定でも小ズルくて小器用なんだけど抜けている、ってボケ役なのに対して
 キートンはボケ、ツッコミ両方、役柄も実に様々で、これらの経験が後の喜劇王キートンへと繋がってゆく
 事となるんでしょうね… っと、なんか観ていて感慨深いものがありましたが、御両人共にお話よりも状況
 で、役柄ではなく動きで笑わせるってトコで合い通じるものもあったのやもしれませんな…

 ・さて、DVDソフトとして、ですが…
  音質については元はサイレント作品を、このソフト製作時にジャズっぽいピアノのBGMを被せたもので
 すからクリアーですし、意外と場面に合わせた転換をしてみせるので苦にはならないかと思います。
  画質については… 『Buster Keaton 4 Movie Set』より間違い無く上、ですね。
 最初はマスタリングのし過ぎなんじゃないのか? っと思うくらいにシャープさと白が強調されているような
 のが気になったのですが、『Buster Keaton 4 Movie Set』と見比べてみると好みはさておき観やすいん
 ですよね。まして、素材の古さと管理状況の事も踏まえて考えるに手間のかけ方としてはやり過ぎでも間
 違いでも無いんじゃないのかなぁ… っと。
  そういや『Charlie Chaplin Marathon (1914)』みたいに修復ついでにワザとデジタルでノイズを追加する
 ような馬鹿な事をする会社もありましたが、そういうのに比べると丁寧で、綺麗だと思います。ま、流石に
 リール毎のコンディションの違いを全て万善なコンディションにする、って事までは無理でしたが、いい状
 態のトコロはホント、綺麗なもんじゃないんでしょうかね。

 ・ただ特典はJeffrey Vanceの思い出話、ですがこの人、『Safety Last! (1923)』などロイドの作品のプロ
 デューサーなんで、アールバックとキートンについて直接関わりは無い、映画人としての思い出話が主
 っぽいんでそれが残念かなぁ… もうちょっと、例えば歴史研究家にアールバック氏に降りかかった災難
 について語ってもらうとか色々やりようはあったとは思うんですけど、ね…


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