・『Zu - Warriors From The Magic Mountain (1983)』 - Region All


 Studio: Universe Laser (HK)
 Theatrical Release Date: 5 February 1983
 DVD Release Date:
 Run Time: 92 minutes

 Aspect Ratio: Widescreen - 2.35:1
 Available Audio Tracks: Mandarin, Cantonese
  - Dolby Digital 5.1, Stereo Surround

 Available Subtitles: Japanese, English,
 Bahasa(Indonesia, Malaysia), Simplified Chinese,
 Traditional Chinese, Vietnamese, Thai, Korean

 Special Features:
  ・Star Files (5)
  ・Trailer (3:03)
  ・More Attraction (1)

 5世紀の中国。様々な国が覇権を目指して戦乱が続き人々は疲弊していたがその裏では
 魔人や妖怪が跋扈していた。ひょんな事から廃寺に迷い込みそこに巣食う妖怪に襲われた
 青年・童童(ユン・ピョウ)だったが颯爽と現れた剣士・丁引(アダム・チェン)に救われる。
  この地を荒らす魔人を倒す為に暁如(ダミアン・ラウ)とその弟子・ 一眞(マン・ホイ)に協力
 すべく導師より言われて来た丁引の凄さに童童は弟子にしてくれと頼むもにべもなく断られ
 てしまうが成り行きで魔人の本拠地へと一緒に行く事となるのだが…


 「これまで生きてきた時間」の方が「これから生きてゆく時間」よりは長くなりますと、「ひょっと
 すると記憶のままにしておいた方がいい作品」ってのに手を出す時は凄く悩むもので、本作
 もレンタルビデオで視聴した筈でシーン単体ではよく覚えてはいるんですが
 「で、結局どういうストーリーだったっけ?」
  ってのがまるで思い出せない映画という微妙な作品でしてな。
 本作があったからこそワイヤーワークは再注目され、『 北京オペラブルース(1986) 』やら
 『チャイニーズ・ゴースト・ストーリー(1987)』のような詩情的世界を描く事も出来た一方で
 『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・チャイナ』シリーズや『スウォーズマン』等のように活劇に
 新たな力を注ぐ事も出来、それが『グリーンディスティニー』や『MATRIX』等に繋がってゆく、
 って映画の歴史や流れも解ってはいるんですが、
 「じゃぁソレを今、観る必要があるのか?」
  って部分で、さて… と悩んではいたんですが、近所のレンタル店には置いていないし妻は
 未見、ならばお盆休みの暇潰し用にと購入をして観たんですけども…

  一本のお話として観るにはあまりにも辛い、エピソードの分量のバランスが滅茶苦茶で説明
 になってないわ、よく考えなくても繋がらないシーンや唐突に現れる重要人物と設定だらけ
 だわ、っというもので、大陸的って言うんですかね? 見せ場と見せ場を繋ぐ為のお話って
 感じで、一応「魔人復活の阻止の為に蜀山の仙人が持つ剣を得て最後は魔人を倒してメデ
 タシメデタシ」ってストーリーなんですが、この作品の場合オプチカル合成やワイヤーワーク
 等による特撮映像を観るってのの方にウェイトを置かれた見世物映画なんであんまりストー
 リーの事を書いてもしょうがないんですが、これじゃぁ覚えてなくても仕方無いなぁ… ってな
 出来でございまして。

  では映像としてはどうか? となると、確かに今のワイヤーワークでやってる事の原型は
 ほぼここで揃ってると思うし凄い!と思う場面もあるんですがそれも中盤まで、明らかに終盤
 はネタ切れになっちゃっていて、なまじ前半で華麗で凄いネタの披露がなされているだけに
 余計に盛り上がらんのです。オプチカル処理は同時代の日本の特撮と比べても一段落ちる
 っか前時代的なんですが、それがクライマックスで『ドラゴンボールZ』におけるフュージョン
 みたいなのをやるトコロで大々的に使われてもまぁ気持ちは冷めまさぁな。またミニチュアは
 当時からショボく思っていたものがそれから20年近く経過した今観直してみて新たな味わい
 が出てくるというものでもなし。

  ですんで、
 「出演者のファンとしてのアイテム」
  ってのでなければ
 「映画史的に観ておいた方が自分にはいいと思う」
  ってのなら観て損は無い作品だとは思うんで、未見の人にまで観るのを止める気は無い
 んですれど、あえて今オススメする、今観る必要がある作品だとも、今観ても良い作品だと
 もとてもは思えない、知識としてそういう作品が昔あった、ってのでもいいかと思うんですよ
 ね… 確かにこの映画によって活劇でのワイヤーワークの復権は成されましたが、さる資料
 によると本作は『龍門客桟 (『残酷ドラゴン・血斗!竜門の宿』(1967))』にて使われていた
 ワイヤーワーク技術の復活をツイ・ハークが試みたもの、らしいんですよな。
  これがバイオレンス描写等、今ではとても表現出来ない事やストーリー、ってのがあるの
 ならばまた違ってたんでしょうけどね… っと中盤からは半分寝ながらの再観賞でしたわ。

 ・画質はマスターのフイルムの状態のせいか、色合いや明るさが変わったりノイズが出たり
 もしますが概ね鑑賞に耐えうるものになっているのではないでしょうか?
  音質は… もちっと。アテレコテープが無いのかやや鮮明さが欲しい気がしなくもありませ
 ん。一応5.1 Surroundとの表記はあるんですが、それにしてはもひとつかなぁ… っと。

 ・日本語字幕はとりあえずストーリーが掴めるくらいの意味が翻訳されていると思います。
 やや日本語表現としてはおかしい箇所やもちっと台詞がある筈だろぅココ!って部分もあり
 ますが、通しで言えば全然マシだと思いますよ。

 ・特典はやや少な目。
 出演者らの簡単な略歴を1Pに中文・英文表記した「Star Files」、劇場版予告編の「Trailer」
 は撮影風景の様子も収められているのがポイントか。んで、同社の発売中の商品の中から
 兵士と長髭仙人の二役で出演したサモ・ハン・キンポーも売りの『龍的心 (1985)』の予告編
 のみ収録。あぁ主人公はユン・ピョウなのに…(笑)

  …って事で、DVDソフトとしては「可でもなく、不可でもなく」ってトコでしょうか。
 日本版の値段の事を考えると特典に大きな差異も無いようですし、コレクションとしての購入
 ならば画質・音質的にも特に問題も無いんでコレでもいいんではないんでしょうかね?


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