・『Love at First Bite (1979)』 - Region 1


 Studio: MGM
 Theatrical Release Date: April 27, 1979
 DVD Release Date: July 12, 2005
 Run Time: 96 minutes

 Aspect Ratio: Widescreen - 1.85:1, Fullscreen
 Available Subtitles: English, Spanish, French
 Available Audio Tracks:
 English (Dolby Digital 2.0 Mono)

 DVD Features:
 ・Theatrical Trailer

 時は現代(当時)。
 ルーマニアはトランシルバニアの夜の王として君臨していたドラキュラ伯爵(George Hamilton) はこのところアメリカのファッション雑誌モデルCindy(Susan Saint James)に一目惚れ(Love
 at first sight)。いつか会いたいものだと思っていたのだがある日、女子新体操チームの練習
 場を求めたルーマニア政府にあっけなく城を摂取され追い出されてしまう。行くあての無い
 伯爵だったが政府が城の代わりに用意するという高級ホテルを彼女に会う為にプラザホテル
 とし、従者のRenfield(Arte Johnson)と共にニューヨークへと向かうのだが…


  …という、今で言うならロマンティックコメディ映画でございます。
 ドラキュラを題材にしたパロディ映画は数あれど、私の中ではずっとこの作品が1位にあった
 のは本作を劇場で観たからかも… と思っていたんですが、なにせこれ迄DVD化されてい
 なかった本作故、TVでの岸田森の吹替えによる放映でしか観ていない状態だったもんで
 「やはり思い出は思い出として美しいまま記憶に留めておく方が… 」
  っと、かつて『The Kentucky Fried Movie (1977)』等、【昔、観た時には面白かった筈なんだ
 けどなぁ映画】のようにも思えていたんですけどやはり観れなかった作品だっただけに思い切
 ってDVDを購入、いざ再見してみますと… やっぱ面白かったんですわ、コレ。

  いやまぁセットはショボイしギャグはベタで温めだしで今時の若い人が観たらカッタルイの
 かもしれんのですが、常に超然とした伯爵がシレっとするボケをするかと思えば時折ベタベタ
 なボケをする、というスタイルが私の好みっかツボなもんで大爆笑はしないものの終始クス
 クスしっぱなしでございまして。

  まぁ古い映画でございますから台詞にしろセクシャル、バイオレンスは最近のロマンチック
 コメディと比べれば随分とマイルドっか控え目なんですが、それは当時でもわざとそうしてる
 んでね。何せ70年代のアメリカ映画ったらsexploitation真っ盛りだったワケで私も嫌な映画
 を一杯劇場で観たんですけども、そんな中であえてコメディタッチの御伽噺として製作し綺麗
 に終わらせた本作は今の時代でも充分に御伽噺としての輝きも魅力もあるんではないかと
 思うんですけどね… って、まぁこれは贔屓目ですけどね(笑)。
  だってCindy役のSusan Saint James)も伯爵が惚れるにしてはちょっとゴツいし、伯爵相手
 とは言えレストランで拳銃をブッ放したDr.Rosenberg(Richard Benjamin)の釈放が血液銀行
 からの盗難捜査の為とか脚本の荒さも解ってはいるんですよ。でもまぁ誰も不幸にならない
 ってのは奇麗事であるのは十二分に承知しているんです。解ってるんですが、しかし、映画を
 観るそのひとときを奇麗事として何事も控え目にやってくれた本作、私は好きなんですよね…

  今なら伯爵にティモシー・ダルトン、敵対する頓珍漢なヴァン・ヘルシング教授の孫にはロー
 ワン・アトキンソンってコテコテのイギリスコメディっぽいリメイクにしてもいいのになぁ… でも
 本作の主演George Hamiltonや監督のStan Dragoti、脚本のRobert Kaufmanといい本作以外
 コレという一本の無い方々ばっかり、ってのを思うと、昔からこういう地味目だけどまとまって
 洒落た小品って人気無いんですかねぇ…

  …って事はさておき、DVDソフトとしましては。

 ・所謂両面ディスクで片方にワイドスクリーン版を、片方にフルスクリーン版を収録してありま
 す。確か劇場オリジナルはフルスクリーン版だったと記憶しているんですが昨今の家庭視聴
 事情もありますし、元々天地がそれ程使われてない作品なんでどちらも特に不都合なり違和
 感は感じませんでした。

  画質は… 公開年の事を思うと綺麗な方だとは思うんですが、欲を言えばもぅ少しシャープ
 さが欲しかったかな? マスターに由来するノイズも見当たらないしこれはこれでいいとは思
 うんですが、夜のシーンが多い本作で結構闇や影の部分が潰れてるのも込みで… って。

  音質は問題無し。無理にサラウンド化されてもねぇ。

  ただこのDVD版、難点が1つございまして…
 以前アメリカでリリースされたVHS版と同様に、
伯爵とCindyがクラブで踊る時の音楽がAlicia
 
Bridgesの「I Love Night Life」ではなく別の曲に差し替えになっているんですよ。
  多分権利関係でモメたからなんでしょうが、これが理由でこのDVDはアメリカでのファンの
 評価が若干悪いものとなっております。代わりの曲も別物とは言えそれなりの雰囲気はある
 し悪くはないんですがこのダンスシーンでの伯爵とCindyの二人の心情、親密になる過程を

     Ooooh I, I love the nightlife
     I got to boogie
     On the disco 'round, oh yea
     Oh, I love the night life
     I got to boogie on the disco 'round, oh yea

     Please don't talk about love tonight
     Please don't talk about sweet love
     Please don't talk about being true
     And all the trouble we've been through
     Ah, please don't talk about all of the plans
     We had for fixin' this broken romance
     I want to go where the people dance
     I want some action
     I want to live

     Action, I got so much to give
     I want to give it
     I want to get some too

     Ooooh I, I love the nightlife
     I got to boogie
     On the disco 'round, oh yea
     Oh, I love the night life
     I got to boogie on the disco 'round, oh yea

     Please don't talk about love tonight
     Your sweet talking won't make it right
     Love and lies just bring me down
     When you've got women all over town
     You can love them all and when you're through
     Maybe that'll make, huh, a man out of you
     I got to go where the people dance
     I want some action
     I want to live

     Action
     I got so much to give
     I want to give it
     I want to get some too

     Oh I, I love the nightlife
     I got to boogie
     On the disco 'round, oh yea
     Oh, I love the night life
     I got to boogie on the disco 'round, oh yea

     Oh, I love the night life
     I got to boogie
     On the disco 'round, oh yea
     Oh, I love the night life
     I got to boogie
     On the disco 'round, oh yea
     Oh, I love the night life
     I got to boogie
     On the disco 'round, oh yea ...

  …って現していただけに残念、ってのに加えて特典の「Theatrical Trailer」ではダンスシーン
 がこの曲のままで収録されていますとね… どないなっとんのじゃ、っと。
  確かにバカ売れする商品ではないんでしょうしAlicia Bridgesにフッかけられたってのもある
 んでしょうけど何とかしてもらいたかったなぁ… ってので二重に残念ですな。

  とは言え、
 何せ現在観られるのはこの版しかございませんし。そりゃ岸田森の吹替え付き日本版が出
 ちゃったらソッチを購入するかと思いますけどそれも現時点では難しいでしょうし日本版だけ
 楽曲が劇場オリジナルに差し戻しになるなんて事はまず無いワケで… 普通の値段(定価
 $14.98)のワリに特典が少ないとか不満が無いワケじゃないんですよ。でも今はコレでしか観
 られないんですしね… まして、マイナーな出演者&製作者達のマイナーなコメディ作品でソ
 フト化になる事自体が珍しいんですし… ってのを思うと私はコレでいいですわ。

  ただ、未見の人には映画の出来の緩さも含めてオススメはちょっと…  ってトコですかね。
 確かにドラキュラを題材にしたコメディ映画としてはよく出来ていると思いますが、あくまでも
 それは「ドラキュラを題材にしたコメディ映画」に限っての話、ですしね。

  でも私は好きですけどね、本作(笑)。


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