・『Dragon Tiger Gate (DTS Regular Version) (Hong Kong Version) (2006)』 -  Region All


 DVD Release September 21, 2006
 Publisher : Deltamac (HK)
 Run Time: 94 mins, 140 mins

 Aspect Ratio: Widescreen - 2: 35: 1

 Available Audio Tracks:
 Disc 1:
 ・Cantonese - DTS 6.1 ES, 6.1 EX Surround
 ・Mandarin - Dolby Digtial 5.1 EX

 Disc 2: Cantonese - Dolby Digtal AC3 2.0

 Available Subtitle: English, Traditional Chinese

 Bonus Features (Disc 2):
 - Teaser Trailer, Teaser & TV Spot
  ・Teaser Trailer
  ・Teaser
  ・TV Spot (3)
 - On the Set
  (Pr-Production, Shooting Diaries, Making Of)
  ・The 4main settings (4)
  ・Shooting Diaries (4)
  ・Making Of
 - Star Interviews (6)
  ・Donni Yen (24:31)
  ・Nicholas Tese (13:42)
  ・Shawn Yue (13:13)
  ・Dong Jie (7:28)
  ・Li xiaoran (7:11)
  ・Wilson Yip (18:00)
 - Deleted Scenes
 - Photo Gallery (4:47)
 - Cannes Night & Hong Kong Gala
  ・Cannes Night
  ・Hong Kong Gala

 
 武術道場“龍虎門”の後継者・王小虎(ニコラス・ツェー)は、ある日、生き別れた兄・王小龍
 (ドニー・イェン)と偶然再会する。小虎はマフィアの用心棒をしている兄を龍虎門に来るよう
 説得するが、過去のある事情から彼はそれを聞き入れなかったのだが…


  否応無くTVで香港映画が溢れていた時代がございまして、それで観た作品ってのもそれ
 なりにあるんですが、基本的に香港映画のノリってのはずっと苦手な私でありまして。個人
 的な好みとしては伏線の妙と映像の隙の無い映画の方が好みな私からするとお話のトーン
 の統一感の無さと強引な御都合主義でのハッピーエンドって語り方もさる事ながら結局対象
 物を中心にした画面構成… 状態説明であっても解説や情況演出にはならない… ってのも
 クレーンが無いワケでもあるまいにパンやカットの入り方、撮り方のワンパターンさといい
 構図に配色とその撮り方といい、やってる事・アイディアに感動もしますしそれを実現してる
 技術・人材にも素直に凄い!と思ってもどこかでノリきれない、っか飽きると言うか。ホラ、
 夜の色のトーンとか何であんなに似てんの?とか思いません? そういう点ではツイ・ハーク
 監督作品はどこからしらヨーロッパ的な感覚があってまだ観れるんですけども… って私です
 が、昨年香港でヒットした作品で『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・チャイナ/天地大乱』
 素晴らしい動きを見せ、私が思うに李連杰の敵役としては成龍における『スパルタンX』での
 ベニー・ユキーデのようにも見えたドニー・イェンが主演兼武術指導というのに興味を持ち、
 「まぁドニーの武術シーンを観るだけ、って事になるんだろうけど… 」
  っと全く期待をしないで観てみたんですが、これが色々な意味で裏切られまして…
 とんと最近の香港映画に疎いんでアレなんですが、お話そのものは特にコレというモノも無
 かったんですけどそれでも観てしまったのは武術シーンだけでなく映像的にかなり独特なモノ
 で、上手い例えではないんですが
 「画面構成や色使い、カメラの動き方でマンガの映像化をしようとした」
  って感じなんですよな。
 と言って、アニメちっくってのではないし(まぁ影響があるのは観て解るんですが)、マンガだ
 からと言って所作や効果を大袈裟、大仰とする、ってのでもないんですよ。エフェクトや演出
 でオーバーになってはいるんですけど、それ自体・そのものが見せ場やウリになってないん
 ですよ。言うならばマンガのコマの中の効果線や漫符みたいなもんであくまでも飾りでしか
 無い、と言うか。
  加えてカメラワークがまた独特で、かなり大きなセットをみっしりと作ってはいてもその「場」
 の広さを利用してアチコチ動き回るのではなく、そういう大きなセットを作れたスタジオの大き
 さを利用してカメラの動きの制約を減らしてアングルかカット割りにこだわるって感じで、それ
 でいてちゃんとアクションや場面シーンの見せるべき所は見せるようにしていてガチャガチャ
 しないようにしてる配慮、人物に寄らないでカメラよりも人物を動かす事でスピード感を出す
 トコなんかはまさに動くマンガといった感じで、ちょっとこういう感覚ってのは私はあまり観た
 事が無くて凄く新鮮でしたね…

  また美術が良いのですよ。造形はイマイチなんですけど手を抜いてるワケじゃないから密度
 があるんだけどそれをウリに寄らないトコもいいんだけど、それを綺麗に撮り活かす配色とか
 が凄く印象的でねぇ… 仏像とかんトコとか惚れましたし、特に修行シーン! イメージシーン
 にした大胆さもさる事ながら秘伝だか伝承だか知らないんですけど漢字がヴァーっと舞う中で
 の演舞ってのはCGソフトがあるから出来る事なんですけど、こういう見せ方が出来たのは美
 術センスの良さなんですよね…

  この2つの要素のお陰でアクションと詩情的なシーンとのメリハリやらもついていてしかも
 散らばっていない、一本の作品としての統一感があるって按配がなかなかに心地良くてね…

  …ってのが最後まで持続してくれたらもぅすんげぇ好みだったんですが、残念ながら最強の
 ボスShibumiのデザインがあまりにもあまりにもな東映スーパー戦隊げな着ぐるみちっくで中
 の人の動き自体は悪くないけどどうしてもモッサリ目に見えてしまう、そんなボスとの戦いが
 ドラゴンボールか聖闘士星矢ちっくになっていってしまった為に中盤までのマンガ感覚から
 アニメ的になってしまったのがすんげぇ残念ではあります。どうしてもそうなると人間の出来る
 事よりもエフェクト、効果のインフレになっちゃっててそれをする素材がリアル過ぎるドニー・
 イェンとの相性があんまりいいとは観れなかったんですよね… これが途中で装束が外れて
 中からイケメンの悪役が出てきて
 「今までこの拘束衣を外させたヤツはいなかったぞ… さて、本気を出させてもらおうか… 」
  っとするか、でなきゃ『カンフーハッスル』のブルース・リャンのような怖さと凄みと色気のある
 人にするとかしてくれりゃぁまだ良かったんでしょうが、最後まで仮面のまんまでどうも伝わら
 んのですよな。そこがホント、勿体無い。

  でも、こういう感覚ってのはホント凄く新鮮でしたしテンポは良いし、今の香港映画界の貪欲
 さ… 音楽が川井憲次なのからもよぉっく解りますが映像的にもハリウッドや日本のアニメ、
 マンガからだけでなくタイ映画やゲームなど様々な要素を吸収してやっている事もよく解りま
 したよ。また武術指導も兼ねたドニーさんの功績か、ヌンチャクや剣や三節棍にしても重み
 がある感じシャラシャラしない、演舞的ではなく武術的な感じがしていたのも好みでしたし、
 万人にお勧めをする程ではないのですが新しい試みと意思をもって作られた映像の感覚と
 いい、好き・嫌いはあるとは思いますが観てみてもいいんじゃぁないですかね? レンタルに
 なったらどうですか?っと思いましたよ。原作のマンガは見た事が無いのですが、それでも
 数多あるアメコミ映画がアメコミになっていないのを思うと、こういう実写化もあるのかと『ピン
 ポン!』を観た時の映像から受けた充足感、それを久々に感じた作品でしたよ〜

 ・さて、DVDソフトとしましては…

 ・紙製のアウターケースは今時の仕様の流行なんでしょうか。そりゃまぁ汚れ難くはなります
 けど、それだったら日本とかアメリカとか他の国のようにビニール封の方がよっぽどいいん
 ですが… ってのはさておき。

 ・
画質、音質はもぅ問題無し。っかこれほどのブツは香港版DVDで初めてかも。
 本編ディスクには一切特典が無いのですがその分みっちりと画質・音質に注ぎ込んだ感じで
 色合い、ディールの鮮明さ、発色、どれをとっても文句無いですし、音量や音圧って言うんで
 すかね、ドンとくる感じがたまりませんな。
  チャプターが12個なのはちょっと残念で、出来ればもぅ少し細かめにしてくれるとお気に
 入りのアクションシーンがザッと出せて便利なんだけどなぁ… とは思いましたが。

 ・で、特典ディスクなんですが、ちゃんとこちらも全てのコンテンツに英語字幕があります。コレ
 はとても嬉しい! 普通、特典ディスクまでローカライズされてる事は無いんですけど、御蔭
 でメイキングにしろインタビューにしろ大まかにでも掴めたのがとても嬉しいです。

 ・さて内容は量が多いので箇条書きで…
 「Teaser Trailer, Teaser & TV Spot」は文字通り、特報と劇場予告編、そしてTVスポットなん
 ですけども本編と同じシーンでも色合いが違ってたり使われなかったカットとかがポツポツ
 あってこういうのは楽しいですよな。
 「On the Set (Pr-Production, Shooting Diaries, Making Of」は多分本家公式サイトで公開して
 いたものでしょうか、やや画質等は落ちますけどセットでの様子や撮影風景が収録された
 「The 4main settings」「Shooting Diaries」と、それらと同じ素材を使いつつもただ繋ぎ合せた
 だけではない「Making Of」、といい仕事をしてますな。
 「Star Interviews」は俳優五人と監督さんのインタビューなんですが収録時間を見てお分かり
 のように比較的長めのもので、こういうのは日本のDVDも見習って欲しいですよね… コレ
 が通常版なんっすよ? ワケわっかんねぇオマケとスカスカなディスク容積の特典ディスク分
 けしてのボッタクリ商法してる日本映画のDVDってホンット多いじゃぁねぇですか… ってのは
 さておき、ヅラをつけてない主演の三人のお姿(笑)といい結構楽しいです。
 「Deleted Scenes」は3つほど、チャプター分割無しですが本編から落とされた詩情的シーン
 が入っております。確かにテンポって点では仕方無いんでしょうなぁ… でも、もっとあったん
 じゃぁないの?
 「Photo Gallery」はスライドショウ形式でMovie Stillが連続に… っての。
 「Cannes Night & Hong Kong Gala」、これも多分公式サイトで公開していたカンヌでの本作の
 売り込みの様子と香港での製作発表記者会見?な映像。特にこれがどうという説明が無い
 んでちょっと想像ではありますが、まぁ楽しそうではありますな。

  香港通常版としてよく出来ているソフトではないでしょうか。
 特製ケースと「限定編號銀影?」の付いた限定版もアチラでは発売されたそうですが個人的に
 これだけの特典も付いているこの通常版で充分、いや満足しましたから。ぶっちゃけ香港版
 DVDで初めて満足した品かもしれませんわ、コレ。大抵、オリジナル国版なのに画質・音質
 がイマイチだったり特典がめっさ少なかったり変に高かったり、って香港版であんまり「買って
 良かった!」って思えるブツって無いんですけど、アウターケースの手触りからしてシッカリし
 てたコレは結構気に入ってしまいましたよ(笑)。
  リージョンオールで高品質なDVD、ですんでもし日本版の出来が不満だったら迷わずコッチ を買うのがいいんじゃぁないんでしょうか? ワケのわからん日本版だけの特典って要するに
 あのダサイ日本版予告編とか変な吹き替えとか収録されても邪魔ってだけならまだしも音楽
 の変更やこの香港版から特典がカットってされるかもしれませんからね… 



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