・『Kaal (2005)』 - All Regions


 Studio: Yash Raj Films
 Theatrical Release Date: 29 April 2005
 DVD Release Date: 6 Jun 2005
 Run Time: 126 minutes

 Aspect Ratio: Widescreen - 2.35:1
 Available Subtitles: English, Arabic, Spanish
 Available Audio Tracks:
 Original 5.1 Dolby Digital Sorround - Hindi

 Special Feautuer:
 ・Songs
  "Kaal" (5:02)
  "Tauba Tauba" (4:53)
  "Nassa Nassa" (4:23)
 ・The Making of "Kaal" (21:46)
 ・Promos (6)
 ・Theatrical Trailor (1:36)


 二ヶ月前、Orbit Parkにて発生した外国人旅行者の死亡事件が本当に虎によるものか否
 か、ナショナルジオグラフィックス社の依頼を受けてKrish(John Abraham)は妻のRiya(Esha
  Deol)と共に現地へと向かう。
  一方、Dev(Vivek Oberoi) と恋人のIshika(Lara Dutta)とその友人Vishal(Vishal Malhotra)と
 Sajid(Kushaal Paunjabi)らも休暇にとOrbit Parkに向かっていたのだが、彼らの最新鋭の車
 は何故か途中で故障してしまい、折り良く通りかかった現地の人の車に乗って旅行を続ける
 事になるのだがドライバーの前方不注意によってKrishらの車に追突。仕方なく一緒に行動
 する事になったのだがKrishが振り返ると彼らが乗ってきたジープの運転手兼ガイドが姿を
 消していたのに不吉な感じがするが辿り着いたゲストハウスの従業員、こっそりと一人で狩り
 に出ていたSajidが次々に行方不明になる。
  仕方なくKrishらは探しに出たものの、草原で彼らは虎の群れに囲まれる。しかし何処から
 か現れた男が近づくや虎は皆去っていってしまう。森に住むというKali(Ajay Devgan)は静か
 Krishらに告げる。
 「ジャングルでの規律を守らねば、お前達は生きて帰れないだろう…」


  2005年インド国内年間興行成績第11位、Above Averageという評価のインドのホラー映画
 でございます。日本以外にもアメリカ、そしてタイ等、娯楽作品としてのホラー映画というのは
 珍しくないんですが何故かインド映画ではあまり無さげで珍しく思ったのと「森での惨事は虎
 か? それとも別な凶暴な生き物か? それとも…」ってストーリーにも興味がありましたし、
 個人的にKrish役のJohn Abrahamが『Elaan (2005)』『Dhoom (2004)』で決して演技が巧い
 タイプではないものの地の雰囲気で見せてしまうタイプで、私はそれなりに好感を持っている
 んで… って事でオーダーしましたが、そんなに悪い作品ではございませんでしたよ。

  いや観る前はインド版『クライモリ(Wrong Turn (2003))』系のスラッシャー映画かと思った
 んですが、実際は
『FINAL DESTINATION (2000)』シリーズのパクリ系で、死神の代わりに…
 ってその試みはそれなりにチェイス、サスペンスとして成功してたと思いましたもの。そりゃぁ
 まぁ技術的なものかインドの倫理的なものなのかは知りませんがゴアシーンは正直言って
 ショボイんですけども、ゴアを見せ場にしないからそんなに気にもなりませんでしたし、オチ
 の引き方も思わず笑わせてもらったのも含めて2時間、退屈をしない映画と思いましたな…

  ただ難点はいくつかありまして。
 まず「ミュージカルシーン」が不要。冒頭とEDロールに明るい感じのゴージャスなミュージカル
 シーンがあるんですが、これが何の必要も無い。単なる無駄。無駄なんだけど手間かかって
 て豪華、って無駄の極めつけみたいなもんで本編中に入らなかった事は良かったものの、
 インド映画のお約束だからか何か知りませんがこれは本当に必要が無い、ただ無駄なだけ
 なシーンなんで不要でございましたな…

  次に「人物のキャラ立ちがもひとつ」。
 森に住むという謎の男Kaliを演じたAjay Devganという人が、なかなかに気持ち悪い演技をし
 ていて立ちまくってたのと比べると、RiyaとIshikaちう女性キャラがどっちもどうでも構わねぇ
 いい加減な扱い&キャラで、ミニスカとホットパンツとか観客へのサービスショット要因以外
 いてもいなくてもいい脚本なんでこれもちょっと残念な点、ですな。

  あと個人的には「もうちょっと殺される必然性」を… ってトコですかね。
 無理から自然保護とかのメッセージにしなかったのは良かったと思うんですが、物語的に殺
 される必然性あるのならキッチリとその理由を、無いのならもっとアッサリとやるべきなんで
 すが、そのどちらでもないんでちょと中途半端な感じになっていたのが勿体無いな、っと。
  その割り切りさえ出来ていたらもうちょっとスッキリした印象になったのにねぇ… っと。

  とは言え、

 本物の虎を使った撮影といい、森林を舞台にしたホラー映画でありながらもこれまで観た事
 の無い風景が観られ、新しい事をしようという意欲も見えた本作、私的には楽しかったです。
 ただまぁインド映画好きの方にはどうかなぁ… ホラー映画好きには観てみても悪くないかと
 思うのですが、スターさんがいて恋と愛の家族の物語ってのでもないしで観る人は選ぶかと
 思うのですが、インドに限らずホラー映画に興味があられる方は… 特にJohn Abrahamの
 ファンの方ならサービスショットもあるしでいいんではないかな? っと思うのですがインドの
 歴史とか現状とかの批判でもないんでそういう映画が好きな方は避けた方が無難やもしれ
 ませんね。私は楽しみましたが、まぁ声を大にしてオススメをする程ではない、ってトコで。

 ・ … って私の感想はさておき、DVDソフトとしましては…

 ・このdvdはYash Raj Films社オフィシャルより購入したUK版なのでUS版や他の社の版では
 また違うやもしれませんがあしからず。ちなみにUK版と言ってもNTSCなので普通に日本国
 内のdvdプレイヤーで再生出来ます。

  画質、音質は良好。
 時折アスペクト比間違えてる?げな画面になりますが、それは演出ですんで。ノイズも無いし
 シャープな映像と音質だと思うんでこれは良好、でいいんではないかと。

 ・さて特典、ですが…

 
「Songs」には三曲収録されております。
 「Kaal」は冒頭のでノンテロップ収録。プロデューサーのシャールク・カーンが何故かここで
 踊ってますが、これも集客の為、なんでしょうかね?(笑) でも歌詞も映像もシャールク自体
 も本編とは何の関係も無いんですよね…
 「Tauba Tauba」はエンドロールのをワイド&ノンテロップ収録。これまたひたすらに豪華に
 Vivek Oberoi、John Abraham、Lara Dutta、Esha Deolが踊ってるんですがやっぱり歌詞や
 映像に特に本編の関係も無く… 何せ一人役柄で死んでる人がいますし。まぁダークで緊張
 感が高い本編の浄化って点で必要だったのかな?
 「Nassa Nassa」は映画のイメージソングでしょう。PV的にダンスと本編からの映像がミックス
 されたものですが、本編では確か使われてなかった筈。まぁこれはこれでアリではないかと。
 
「The Making of "Kaal"」はナカナカに見応えがあった一品。フルスクリーンでちょっと画質が
 悪いのが難点ではありますが、出演者らがそれぞれのキャラクターについてや撮影の感想
 等を語ったりするので本編との比較が楽しかったですね。個人的には監督ら撮影する側の
 コメントやプロデューサーとして気を使った点とか聴いてみたかった気はしますが…  あ、
 でも本編ではヤなヤツだったVivek Oberoiが素の時はなんかいい兄ちゃんだったのに対して
 John AbrahamはJohn Abrahamなまんまってなのは先が思いやられると言うか、出演作の
 数や共演者のワリにもひとつブレイクしてるとは言い難い彼氏の理由の1つな気がしなくも
 ありませなんだな。
 
「Promos」はTVでの、「Theatrical Trailor」は劇場での予告編、っと。

  各メニュー選択する旅に虎の吼える映像が再生されるメニューはややウザイ感じがします
 し多少の食い足りなさはあるものの一通り特典として揃っていますしソフトとしては悪くないん
 じゃないんでしょうか、コレ? 特に… それこそ「シャールク・カーンの手掛けた映画!」とか
 … 期待をしないでつるっと観るには手軽で気楽なブツだと思いましたよ〜。

  まぁわざわざ海外輸入してまで観るべき作品か? っとなると微妙だとは思いもしますけど
 安価で手軽に入手出来るのならば数合わせには… って程度で。


輸入版 MOVIE Index

Index