・『Dhoom:2 (Collector's Double DVD Pack) (2006)』 - All Regions


 Studio: Yash Raj Films
 Theatrical Release Date: 24 November 2006
 DVD Release Date: Jan 13, 2007
 Run Time: 147 minutes

 Aspect Ratio: 16:9 Anamorphic Widescreen
 (2.35:1 Aspect Ratio)

 Available Subtitles:
 ・International: English, Arabic, French,
  Spanish, Dutch, Portuguese
 ・Indian: Kannada, Malayalam

 Available Audio Tracks:
 ・Dolby Digital 5.1 Surround - Hindi
 ・Dolby Stereo 2.0 - Hindi, Tamil & Telugu

 DISC 2: SPECIAL FEATURES
 ・Master of Disguise (5) - (5:04)
 ・Story Board to Screen - (8:32)
 ・D:2 Fashion Special - (7:32)
 ・Deleted Scenes (2) (4:05)
 ・Songs -
  “Dhoom Again” Music Video (5:41)
  “Crazy Remix” Music Video (3:04)
 ・Television Promos (6 (3:35))
 ・Theatrical Trailor (2:06)

 ・世界の様々な美術品、貴重品を様々なハイテクを駆使し軽々と奪う謎の怪盗。現場に残
 されたカードにはただ「A」とだけ記されている事から警察は「A」と呼んでいた。
 刑事Shonali Bose(Bipasha Basu)は大学時代の同級生・前作『Dhoom』の警部Jai Dixit
 (Abhishek Bachchan)、Jai の右腕の警官で前作のバイクレーサーだったAli(Uday Chopra)
 と共にMr. Aがムンバイで仕事をすると読むもMr.Aの狙いを読み間違えダイヤを奪われて、
 追跡するも及ばずまんまと逃げられてしまった。
  ムンバイでの仕事を終えインドを去ろうとしていたMr. AだったがTVでAが次の犯行予告…
 ある城から貴重な宝剣を盗み出す… を出した事を知る。偽Aの出現にMr. Aが、TVでの犯
 行予告を知ったShonali、Jai、Aliもその城に向かいAを待ち構えるるもの宝剣は盗まれMr.A
 によって偽Aにも逃げられてしまう。
  偽AはSunehiri(Aishwarya Rai)という美女で、Mr. Aに共に泥棒をしようと提案する。今まで
 一人きりで仕事をしてきたMr. Aは初めは拒否するものの、次第に打ち解けコンビを組む事
 になるが、実はSunehiriはJaiが送り込んだ元・泥棒の囮捜査官だった…


  インド映画の最新作で、11月末公開ながらインド国内のBox Office 2006でRank 1という
 怪物的ヒットを07年に入っても続けた作品、ってのもありますが、前作『Dhoom』が多少の
 リアリティは無視してカッコ良さを追求した娯楽作品だったので楽しみにオーダーしたブツで
 ありましたが… まぁ結論から言えば「あきませんでした」。

  一作目より出来のいい続編なんて『ターミネーター2』とか数える程しか無いのは映画好き
 の間ではよく言われる事ですが、予算も手間も増えて派手になった分、デティールの甘さも
 増大、ってのに加えてストーリーがてんでバラバラなもんだからシーン単位ではいいものが
 あっても私には一本の映画の体を成せれなかった、非常に勿体無い作品だとしか思えませ
 んでしてね…

  デティールの甘さから言えばまず「CG」。
 冒頭の砂漠を走る列車の屋根の上でのアクションから顕著で、カット単位で屋根の上の人
 の大きさが違うのはいくら何でもそりゃ不味いんじゃないかと。多分CG合成と実際にやった
 部分と混ぜた結果なんでしょうが、それにしても… ってのが冒頭だけでなく本編の全般で
 CGエフェクト部分がパーツ単位ではよく出来てはいても組み合わせが甘いんでリアリティに
 繋がらない、と言ってわざとコミック的な表現or味にしているのか? と言うとそうでもなく…

  次に「銃器」。
 何発撃ってんだよ!ってのは突っ込まないにしても、軽々しく冗談で人の顔に銃口を向ける
 のなんてあり得ませんって。せめてハンマー起こすくらいでも意図、表現として充分なのに…
  あとシーンによって同じ銃なのに排莢してたりしてなかったり、とかカッコイイを目指してる
 ワリにこういうツメの甘さで台無しになってるんですよ。

  んでもって「バイク」。
 どう考えても曲がりくねって塗れた路面のトンネル内で200kmはあり得ないし、そんな速度
 が出てる映像じゃぁないんですよ。ぶっちゃけスピード表示を出さなくったって充分アクション
 シーンとしてカッコイイのにそんなあり得ない数値を頻繁に入れるから冷めるんですよ。更に
 よく足元のクラッチペダル?のアップが入るんですがカムチェーンが止まってるっての…

  …っと、私はあんまり細かいトコをどうこうと突っ込み入れながら映画を観る方ではなく、
 多少のアラやミスやおかしいトコがあってもテンポや見せ方さえ良ければそれで良し!って
 思う方なんですが、そんな私でも明らかに間違っているのがまる分かりてダサイってのに
 「これがカッコイイんだぜ!」って形で見せられたら「そりゃちゃうでしょ」ってなりますって。

  そしてストーリーがねぇ…
 基本がMr.Aと偽Aの恋愛、ってのはいいんですが、Mr.Aの人物像をちゃんと描いてないから
 恋愛の進行と心象の変化が納得出来ないんで感情移入が出来ないんですよ。Coolな怪盗
 って点はよく出てましたが、必ずしもMr.Aが魅力的な人間としてのエピソードが無い。今回の
 お話の核っか芯がそれでは… と言って他の登場人物が魅力的に描けてるワケでもない
 んで対立っか対比にもならないんで余計に魅力が薄くなる。まぁ軽さは出ていたとは思うの
 ですが、過去に裏切られた事があるからこそ一人でやってきたという影もちゃんと見せる事
 が出来てナンボなんじゃぁないかと。

  っか、無駄なエピソードが多過ぎるわ整理されてなさ過ぎ。
 Jaiと彼の出産間近の嫁さんとのウダウダ話なんか途中で全く触れられなくなって最後まで
 スルー(もぅ産まれてよなぁアレ)、ってストーリーに必然性が無かった、ってのをはじめとして
 Shonaliが双子である必要もこれっぽっちも無いしその双子の妹とAliとの恋愛なんてこれまた
 ちっとも必要じゃぁない。
  もちっと言えば切れ者である筈のJaiが結果的に抜けてる… 例えば冒頭の登場シーンで
 の銃撃戦でAliが残弾を残しながら撃ってるのに対して撃ち切っちゃってる、とか、ムンバイ
 での読み、とか… んだけど、劇中の画かれ方はAliがただのお調子モノのままでJaiはイカ
 したヤツ、ってのも含めて人物が決して多いとは言えない作品の筈なのにエピソードの無駄
 と矛盾やらでいまいちキャラ立ちが出来てないんでノれねぇんですよ。

 前作の場合、JaiとKabir(John Abraham)は警官と犯罪者という立場は違えども似た者同士
 … 己の嗜好、趣味として通じていて… ってのが巧く生かされていて、だからこそ追う者と
 追われる者として対決をするという物語の構図が立っていたのと比べるとキャラ立ちが甘い
 わ人物造詣も緩いわで似た者だけども結果として追う者と追われる者との対立も描けれな
 かったらラストに収束しないんですよな…
  これなら前半をMr.Aの人物像にみっちり当ててもぅ前半は偽Aとの出会いと恋愛をやって
 インターミッション前のあの映画館のトコでJaiが! ってした方がよほどスッキリ良くなった
 んじゃぁないんでしょうか。

  本作は今のインドの人にはとてもカッコイイ作品、面白い作品って事なんでしょうが、ミュー
 ジカルシーンの出来の悪さもさる事ながら歌詞の情況(シーン)との関連性の薄さ、入り方と
 終わっての次のシーンの繋ぎ方といい、どうにも私にはあきませな んだ。
  インド映画界の勢いや流行とか、今を知るのにはいい映画だとは思うんですが… しかし
 何年か経って果たして振り返るだけの作品か? ったら微妙だと思うんですよね、私は。この
 映画で誰も印象に残らなかったし、役にしても必ずしもこの役者でなければ!ってのもなか
 ったし、前作の『Salaame』のようなキャッチーな曲も無し。娯楽として今、消費する為の作品
 ってのもアリだとは思うんですが、それにしたってこうもグダグダでは… っと、かなり厳しい
 感想になりましたが、これで観るべきモノが何も無いってのならハナからここまで書くこたぁ
 しませんっての。あとちょっとデティールに拘り、もぅちょっと脚本を整理し再編していてくれた
 らスカッとイカすアクション映画になっていたであろうと思うからで… アクションシーン単体
 とか思わず「おぉ!」ってくる部分はあるんですよ… もし次回作があるならば、せめて脚本
 家の人にはもうちょっと勉強して欲しいですね(←偉そう)。

 ・ … って感想はさておき、DVDソフトとしましては…

 ・私が購入したのはYash Raj Films社のHPから購入したUK版なのでUS版や他のメーカー
 の版については特典とかに違いがあるかもしれませんが御容赦をば。UK版ってもNTSC
 なんで普通の日本国内のプレイヤーで再生出来ますよ〜

 ・紙製のジャケットから一方のプラスチックトレイを引き出す事でもぅ一方のトレイが引き出る、
 という仕掛けになってる面白いケースに本編ディスクと特典ディスクが収録されています。
  まぁ実用的では無いんですが、こういう仕掛けは仕掛けでアリかな? っと。

 ・本編ディスクには「All Play」「scene」「Subtitle」「Audio」「Song」だけで特典は一切無し。

  
画質は良好だと思います。
 シーンによってデジタル着色やエフェクトを追加したり等の量によってか時々デティールが
 甘くなったりする時もありますがこれはオリジナルがそうだからなんでしょうし。特にノイズや
 歪があるでもなく遠しで言えばシャープで観易いんで良好ではないかと。

  音質も良好。
 ただ音量とバランスが若干悪いような感じで… シーンによって音量が微妙に上がったり下
 がったりしてるような気がしなくもなかったのと、左右への振りがちょっとぎこちなかったよう
 な? … しかしこれもオリジナルがそうなんでしょうからノイズや極端なバラツキが特にある
 わけではなかったんで良好っと。

 ・さて特典ディスクの中身ですが… これはちょっとイマイチですかね。
 「Master of Disguise」はリティックが変装する人物の特殊メイクの映像ですが、リティックの
 コメントや特殊効果さんのコメントがあるワケでもないモノなんで「へぇ〜」って以外は特に
 無いかと。
 
「Story Board to Screen」は5シーン程、絵コンテとCGコンテと実際の映像を見せるだけの
 もので特に監督さんのコメントも解説も無いんでこれまた「へぇ〜」ってだけでした。まぁCG
 コンテのあまりな出来(『Ong-Bak』『Born To Fight』に収録されていたのと比べると冗談
 抜きでよくもまぁこんなんコンテでやったよなぁ… って思うですハイ。デビット・フィンチャーと
 かのと比べたらもぅねぇ…)で、実際のシーンとかなり違うのが見所なのかもしれません。
 
「D:2 Fashion Special」は劇中の衣装についてAishwarya Raiら俳優さん達やデナイナーが
 語るというもので、生活感を排してキャラクターとして似合うってコンセプトに徹底してたって
 のがよく解りますが、その衣装を生かすも殺すも実際の劇中の使い方で… という点で個人
 的にはこれが一番面白かったかな。
 
「Deleted Scenes」は2つ。ブラジルに乗り込んだJaiとAliの空港でのギャグと、ってのですが
 字幕が無いしまぁどうでも良かったです。実際、カットしたシーンってもっとある筈なのを思うと
 何故にこれだけ、たった2つだけが収録されたのかよぉ解りません。
 
「Songs」は「Dhoom Again」のノンテロップ収録をするのならエンドロールのもWidescreenノン
 テロップ収録して欲しかった。「Crazy Remix」は劇中シーンを入れたPVだったのを思うと、
 ちょっとこれも食い足りないっす。
 
「Television Promos」「Theatrical Trailor」は題名まんまです。

  インド映画において監督や脚本家は俳優さん達より軽んじられているのかもしれませんが
 個人的にはもうちょっと、本編メイキングに関する部分… 海外ロケとかダンスシーンとか…
 を収録して欲しかったですね、って事で今はこのCollector's Double DVD Packしか無いようで
 すが、あんまり特典ディスクに魅力が感じれませんでしたね… そりゃまぁ特典ディスクなんて
 そうそう何度も見直すもんでもないんでしょうが、同社の『Bunty aur Babli (2005)』と比べると
 収録時間の短さといいちょっと落ちる、っか無理矢理つけたっかそんなに必要じゃないじゃん
 コレ? って思ったブツでありましたわ…


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