・『Aankhen (2002)』 - Region All


 Studio: Video Sound
 Theatrical Release Date: ?
 DVD Release Date: ?
 Run Time: 167 minutes

 Aspect Ratio:
 Available Subtitles: English
 Available Audio Tracks:
 Hindi (Dolby Digital 5.1)

 DVD Features: Song select

 ・長年銀行に勤めるVijay(Amitabh Bachchan)は優秀ではあったが、真面目で仕事に対する
 姿勢には特に厳しいが故に時としてトラブルを起こす人物として経営陣の間でも彼に対する
 評価は真っ二つに分かれていたそんなある日、新規店舗への本店移転計画も迫っている事
 もあって気が立っていたVijayは両替に来た老人からネコババをしようとした行員を見つけ
 激昂、血達磨になるまで殴り蹴りつけた事でVijayをよく思っていなかった経営陣のトップに
 クビを言い渡されてしまう。
 「確かに自分もやり過ぎたとは思うものの、それもこれも銀行を思えばこそ。長年まるで息子
 を育てる父の様に銀行を見守り繁栄に尽くしてきたというのに… それを最近の経営陣の中
 には軽んじている。あいつらを何とかして見返してやりたい… 」
  と復讐心に燃えるVijayは自らの手による銀行襲撃を思いつくが、何度シミュレートしてみて
 も長年自身が警備の指揮・システム構築にも関わってきた為に結果は単独での成功は有り
 得ないというものに。と言って誰かを雇うというのも発覚のリスクに繋がるし、自身にそのツテ
 も無い…

  しかし、復讐を諦めきれないVijayは街を歩いている時、たまたま通りかかった盲人の養護
 学校での組み体操の練習を見て閃く。
 「盲人は眼が見えない事で聴覚等普通の人間よりも優れている。しかも誰も盲人が銀行強盗
 だとは思わない。おまけに彼らは眼が見えないから私の顔を知られる事も無い… 確かに実
 現の為のハードルは高い。しかし… 」
  かくしてVijayは養護施設の訓練を担当していたNeha(Sushmita Sen)の唯一の家族の弟を
 誘拐し、自ら選抜した3人の盲人、Vishwas(Akshay Kumar)、Arjun(Arjun Rampal)、Ilias
 (Paresh Rawal)を訓練させる事にする。
  生まれ育った環境も、眼が見えなくなった理由も、そして参加する事にした動悸も違う3人
 だったが訓練を経る事で実績と友情を育んでゆき、そして…


  2002年度年間興行成績第4位というヒット映画で内容も面白そうだったのでオーダー。

  題名の「Aankhen」、ヒンディ語で「盲点」という意味らしいのですがこのDVDの英語字幕で
 は「the eyes」となってまして、それを「物を見る眼」としてもナカナカに意味深なタイトルになる
 なぁ… っと、観終えて思う、結構楽しめた映画でございました。

  自らに目標達成の為にわざわざ面倒な設定、ハードルを立て、それを「Dangerous game」
 として楽しむという酔狂さと一つの事に集中するあまりに激昂したり冷血にもなるサイコげな
 Vijayを演じたAmitabh Bachchan、インドでは有名な俳優な方のようなんですがそんな事より
 も兎に角背が高く(190cm以上?)体型も芝居も厚みがあって、彼がドンといるだけで威圧感
 と緊張感が出ていていい感じ。

  また3人の盲人役それぞれの演技がなかなかに巧くてちゃんと盲人に見えるのも映像として
 のリアリティがあって良かったですぞな。ホラ、よくあるでしょ? 盲人役なのに音や動きに眼
 や顔が動いて映画とかって。実際には音に対して耳の向きを調整する為に首を動かす事は
 あっても眼や顔を動かすってのはあんまり無いんですけど… あと聴覚での距離感はあって
 も視覚での物に対しての距離感が無い、とか、実に細かい事なんですがこういうトコロでサボ
 ったりいい加減になってると途端にお話が嘘臭くなるし嫌なもんになっちゃうじゃないですか。
  でも、この映画はそうはならんのですよ… まぁ確かに訓練の1つには
 「コレ、高さは別物っかここまでの高さは必要じゃぁないだろ… 」
  ってのがあったりいくつか疑問符も無くはないんでし、それ以前に実際に襲撃する銀行と
 全く同じ寸法と配置になってる訓練施設を作る金と時間があるんだったら
 「その金で大人数を雇って襲わせた方がよっぽど楽で確実なんじゃぁ… 」
  って思わないでもないんですが、Vijayとしては流血等も無く最小限で最大の効果を与える
 「game」として燃えてしまってる、ってのに説得力をそれなりに持たせられた時点でもぅ後は
 展開に身を任せてハラハラドキドキすればいいって娯楽作品に仕上がっていて、デティール
 での嘘を極力嘘っぽい作品に見せないようにしてしまった… それも決して大掛かりな方法
 ではなく… って点で無理が無いワリに小さく纏まりもせず、ゆったりとじっくりと準備を重ね
 る前半からの二転三転していってのラストは個人的には楽しめましたよ。

  ただインド映画と言えばミュージカルシーンも重要なんですが、本作のは入り方が唐突&
 終わってからの繋ぎも雑&曲としてイマイチ&映画としてあまり意味も必然性も無い&華に
 も欠ける「これなら別にいらねぇや… 」って出来なのが残念でありました。なんか無理から
 インド映画では御約束だから入れました、って感じで心情描写や情況描写になりきってない
 んじゃぁなぁ…

  あと、美術とかがもうちょっと… って点で『Bunty aur Bubli (2005)』程褒める気にはなれま
 せんが… インド映画っ〜と家族と恋愛のお話で男はクルタで女性はサリー、って印象があ
 るかもしれませんし実際少なくないようですが、まぁ日本だって公開される映画の殆どは恋
 愛映画ですからそない違うものでもなく、本作のように恋愛の要素ゼロ、知ってないと理解
 出来ないインドならではの風習や作法も特に無し、って犯罪映画でもある程度のクオリティー
 での製作が成されていて、少なくとも観てる間は楽しめた作品… 丁度中くらいの厚さのノベ
 スル一冊読み終えたかのような満足感を得られた作品… ってのと出会えたってのも込み
 で面白かったですよ〜 っと。

 ・さて、DVDソフトとしましては…

  え〜… このVIDEO SOUND版以外に『Aankhen (2002)』のDVDがあるのかどうかは知り
 ませんが、私がAmazon.comのMarketPlaceで入手したブツ、正規品か海賊版かどうかの判
 断がついておりません。実はジャケに

  
A CONSUMER ALERT!
  
Do not be chreated! Counterfeit DVDs and CDs
  being sold as originals
!!!

  とあり、ジャケによればディスク1が本編、ディスク2がオーディオCDのサンウンドトラック、
 そしてディスク3がBest of Khansってなっているのですが来た物はこの本編のみ、なんです
 けどただ単にセットをバラ売りしただけの事かもしれませんし… このショップに一緒に注文
 した『Banty aur Bubli』はちゃんとYash Raj Filmsオフィシャル正規版でしたし… って事で、
 一応、VIDEO SOUND正規版だとして話を進めますと、

 ・
画質はイマイチです。
 色褪せ気味、ノイズの多さは『Hadh Kardi Apne (2000)』『Jeans (1998)』程度なんですが
 それよりも
全体的に画像がボケ気味。加えてかなりの頻繁で画面端に出現するデコードか
 エンコードミスのようなノイズやブロックノイズといい、あまり出来がいいものとも思えません。


 ・
音質もイマイチ
 画質に比べれば随分とマシで酷いノイズはありませんがややシャープさに欠けますな…

 ・字幕は… こんなものかなぁ? って事で。
 それ程読むのに苦労はしなかったものの、やはり英語が解る人にはかえって混乱しそうな
 表現が多かったように思えますが、本作の場合は英語での台詞の場面もチラホラと、結構
 ポイントな場面ででもあったので機械翻訳でもそんなには困らなかったかなぁ… って思った
 もんで。

 ・DVDソフトとしては
チャプター画面が無いのが辛い!
 一応チャプターは切ってあるんでマシですが、しかし長いんですからせめてチャプター画面く
 らいは欲しかったですわ。

  … って事でソフトとしてはあんまりオススメ出来るようなシロモノではございませんが、本編
 は面白いんでレンタル出来る環境で一気に観れる時間的余裕があるのならばチョイスする
 のも悪くないかと思いますよ。


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