・『Hadh Kardi Apne (2000)』 - Region All


 Studio: Eros International Ltd
 DVD Release Date: 13 Dec 2004
 Run Time: 133 minutes

 Aspect Ratio: Widescreen
 Available Subtitles: English
 Available Audio Tracks:
 Hindi (Dolby Digital 5.1 Surround)

 DVD Features:
 ・SELECT SONGS (7)
 ・OTHER ATTRACTIONS

 ・Mr. Khannaと彼の奥さんAnjaliは共に別れたくて離婚裁判に臨むものの、双方共に自分に
 有利な結果が欲しいものの決定的な材料が無い為に裁判は膠着、裁判長に「次回の審判
 は一ヵ月後。それまでお互いによく話し合いなさい」と言われてしまう始末。弁護士にデッチ
 アゲでも何でもいいから浮気の証拠をと言われてMr. Khannaが思い出したのが親友の探偵
 Raj(Govinda)。

  一方、奥さんも弁護士のアドバイスで旦那の浮気現場等の証拠を… っと思うものの、同じ
 インドにいては相手も警戒するだろうし… という事で、自分と同じ名前の友人Anjali(Rani
 Mukherjee)を影武者にしてヨーッロッパ周遊バス旅行へ参加させ自分は身を隠す事にする
 と、案の定それを知った旦那側はRajをそのバス旅行に潜入させる事にした。

  しかし、空港でうっかり奥さんの写真を落として失くしてしまったRaj。とりあえずツアー客の
 中から適当な女性を奥さんだと決めつけて調査する事にしたのだが…


  …という勘違い&すれ違いの恋愛コメディ映画。
 当初はたまたま席が隣同士なだけで(実際は手配されたものだから偶然ではない)、お互い
 にイケ好かないと思っていたRajとAnjaliが段々と惹かれあうが… というメインをサブのドタ
 バタで進行するという形式、主演のGovindaの無駄な一人何役や英語&ヒンディ語混成の
 マシンガントークといいインド版エディ・マーフィーと言ってもいい活躍と、Rani Mukherjeeの
 可愛らしさがギャグ部分でドリフのコントか80年代の香港映画のような効果音を鳴らす手
 法の古臭さをそれなりに中和して、スンナリと最後まで観れる程度に悪くない出来の映画と
 思いましたが、映画としても、インド映画としての面白さでもチョイと足りない一品ですかの。

  映画としては「登場人物の設定曖昧」。
 例えばRani Mukherjeeが演じるAnjali、お父さんが薦める見合いには反対なんだけど、しかし
 恋愛にも懐疑的というキャラの説明が無いんで中途半端。(当時は)現代的気質として説明
 不足だったのかもしれないけど、打ち解けるまでの長さのワリには… まぁ全体的に彼女側
 のエピソードが少ない&弱いんですな。

  次に「登場人物の必然性」。
 Johnny Leverが一人二役で演じるそれぞれの弁護士ナド、ご都合主義っか思いつきででも
 登場した人物を上手く出し入れ出来た一方、バス旅行の他のツアー参加客にあまり意味が
 無い人物も混在してましてな。特にある夫婦の知的障害者の息子なんざぁストーリーだけで
 なく何のギャグも無いのに出てるのは邪魔なんだが… 画面に出るだけでウケるのかなぁ…
 とか、キチっと後でもハマる人物がいる一方で結局何の関係も必要も無い人物がチラホラ
 いるのが無駄になっていて勿体無いなぁ… っと。

  そして「画面が貧相」。
 カッティングも全体的に野暮ったいのは仕方ないにしても、折角のヨーロッパロケをしてる筈
 なのに、ちっともヨーロッパらしく観えないってのはどうかと。じゃぁインドでのや他の画面が
 いいか? っ〜っとそうでもなし、セットが多いんだけどワリに小さいものが多いんで折角の
 お話のスケール感が無くてねぇ… っとな。

  そしてインド映画としては「インドらしくない」。
 楽曲がポップスばかりなんだけど、どれも単調で盛り上がりに欠ける構成で。その分、振り
 付けが頑張ってくれればいいんだけど、これも全体的にやっつけ感が漂うものばかりで、
 GovindaもRani Mukherjeeもダンスが上手いのを知っているだけに全然そうは見えないダル
 ダルな振り付けになってる上に、バックを現地の人を使っているせいで折角のダンスシーン
 が更にダルくダサくなってるんですよ。二人が思慕を抱きつつの空港での別れからの帰路
 の心情を描くミュージカルシーン「OYE RAJU PYAR NA KARO」はイメージシーンとしてよく
 出来ていたんですがそれ以外はなぁ… 観光地でのミュージカルシーンならバスに乗客は
 他にも二十人くらいいるのに結局8人くらいで、だし、結婚式の場面なんか他のインド映画
 だったらもっと気合入れて豪奢になってる筈なんだけどそうじゃぁなくてねぇ… IMDBだか
 Amazon.UKだかのレビューで

 
「お金がかかってないコメディ映画」

 ってのはシンプルだけど適切な表現だと思いましたよ。

 ・まぁ長々と残念だった部分を書きましたが、コメディ映画としての出来はそんなに悪いもん
 じゃぁないんで「惜しい」って気分なんですよ。これより酷い・適当・いい加減な作品なんていく
 らでもあるんですが、この作品ならではの、この作品でしか味わえない面白さがあるか?
 っとなると微妙なんですよな。また一発、観てるこっちを掴むような画や曲があるならばまだ
 しもそうでもなし。映画作りという点での水準の高さは感じられましたけど… もちっと撮影
 時間と予算があったらもっと面白いインド映画になれたろうになぁ… っと私が思う「惜しい」
 映画でありましたな…

 ・って事で、DVDソフトとしましては…

 ・まず画質については「並の下」。
 とても6年前の作品とは思えない、マスターの保管の酷さがよく出ていておそらくリール単位
 と思われる程に良い部分と酷い部分とが混在してますが全体的には色褪せ具合とシャープ
 さクリアーさといいあんまりいい画質とは思えません。フィルムのノイズもかなり散見できまし
 たしねぇ… とあってはこういう評価になるかと。

 ・音質は「並」。
 画質に比べればマシではありますが、録音状態の問題からかややクリアーさに欠ける気が
 します。全体的に台詞部分が潰れた、濁った感じがしますかな…

 ・んで英語字幕ですが、「難アリ」。
 かなり英語とヒンディ語を混ぜた台詞回しですが、英語で喋る部分は殆ど英語字幕無し。
 ヒンディ語の英訳はワリと平穏っか解り易い翻訳になっている反面、台詞が多い場面での
 端折り&香港映画ばりの表示の速さが… ってのはまだ予想の範囲内だったんですが、
 一番困ったのが歌の翻訳が出ない! 心情や情況、そしてのれらの進行を現すミュージカル
 シーンで何を歌ってるのか解らない状態になるのは困るですよ。

 ・特典はミュージカルシーン部分だけを連続再生も出来る「SELECT SONGS」は非常に便利
 です。インド映画のDVDには標準装備らしいんですが、こういうのは有難いですよな。

 関連商品や発売中、これから発売&公開の映画の映像を納めた「OTHER ATTRACTIONS」
 もおトクな感じがしますが全部ミュージカルシーンだけなんでどんな映画か解りません!(笑)

 …という事で、ソフトとしてはイマイチ、ですかのぅ。
 いや決して楽しめなかった作品じゃぁないんですけど、もうちょっと… ね、ってトコで。


輸入版 MOVIE Index

Index