・『Elaan (2005)』 - Region All


 Studio: EVS
 Theatrical Release Date: 14 Jan, 2005
 DVD Release Date: September 20th, 2005 ?
 Run Time: 150 Mins.

 Aspect Ratio: Anamorphic Widescreen - 1.85:1
 Available Subtitles: English, Thai
 Available Audio Tracks:
  Thai (Dolby Digital 5.1)
  Indian (Dolby Digital 5.1, DTS)

 SPECIAL FEATURES
 ・MUSIC VIDEO (5)
 ・MAKING OF (16 min)
 ・TRAILER
 ・TV. PROMOTE


 ・eThaiCD.comからタイ映画DVDを購入する時、バーゲンコーナーにあった本作のジャケに
 惹かれたのと
 「あと1品で国際宅急便に無料グレードアップだし… 」
  って事で、さして期待もしないで購入した一品でしたが、これが面白かったんですわ!

 ・
国際的テロリストBabaは2億ルピーの献金を断った富豪を暗殺。富豪の養子Karanは復讐
 の為、Babaに最愛の妻を殺された元警官Arjunを仲間にし、彼のアドバイスでBabaの手下
 だったものの組織内の勢力争いの果てにハメられて刑務所にいたAbhimanyuを脱獄させて
 仲間にする。一方、特ダネと個人的好意を抱く(笑)記者Priyaもこっそりと彼らを尾行。
  AbhimanyuによればBabaの愛人だというSoniaとコンタクトを取る為、彼らはベネチアへと
 向かうのだが…


  題名の「Elaan」は字幕によると「proclaims」のヒンディ語で「宣言する」と「物語る」と「褒め
 称える」ってミーニングになっていますが、人間ドラマあり、銃撃戦も格闘戦、カーチェイス等
 のアクションも満載、そしてインド映画らしくミュージカルシーンも、っと実に欲張りで贅沢な
 映画ですがこれはインドならではのようで… インド文化にはラサという概念があるそうで… 

 参考URL
 ・『ラサ(インド文化)−wikipedia』

  おそらく文化として通じるインド映画にもこのように実に物語要素と映画要素を詰め込まれ
 ているのはその為ではないかと。ただその分、どうしても冗長になりがちな部分もあるんで
 しょうし、そこがインド映画の日本普及のネックにもなっているんでしょうがしかし…

  本作の場合は昔観た『ムトゥ 踊るマハラジャ (1995)』と違って、様々な物語要素を入れる
 為の脱線が殆ど無いんですよな。家族も物語の役割や進行にさして重要ではないし何より
 画質がいいんですよ。そして画面が垢抜けてるんですよ。 恋愛パートはあるものの2度の
 心象描写のミュージカルシーンだけに絞り、お笑い部分は台詞でのワイズクラック程度に
 留め、あくまでも復讐の物語と主人公らの精神的成長がメインなんですよな…
  いや『ムトゥ〜』がわざと泥臭く昔風にベタにやっていたのは解ってはいても、画質とか良く
 なかったし繋ぎ方とか無理矢理だしオッサンの恋愛話がメインだったし… っと楽曲には好
 印象を持っても映画としてはそない興味が持てなかったんですよ。でも、この映画はそうじゃ
 ないんです。嘘と思うんでしたら「Elaan (2005)」Googleイメージ検索結果を見てくださいよ…

  ホント、撮り方が慣れていて手堅く、CGやワイヤーワーク等のSFX技術水準も高くてスタ
 ジオもセットもデカくて人材も手間もお金もかかっていて無駄になっておらず、その上で美男
 美女の競演という、映画という娯楽の醍醐味、快楽に満ちてるんですよね。

  そんな本作、ハリウッド的過ぎるからかインド国内でもそれ程ヒットもしなかったようで…
 BoxOfficeIndia.comによれば年間興行収入27位なれど制作費や宣伝費も込みでの評価は
 Flop(涙)だそうで… まぁそれも仕方ないかな? と思わないでもないんですが、ぶっちゃけ
 全部英語吹替え&日本語字幕にして心象描写のミュージカルシーンを全部カットして観たら
 ハリウッドのB級半アクション映画と間違える人も少なくないんじゃない? っか、インド映画
 とかハリウッド映画関係無しに普通にアクション映画として楽しめるんじゃぁないの? っと
 思えるくらい、インド文化特有の部分は殆ど無いんで視覚的にも感覚的にも理解し易いエピ
 ソードの上にアクションですから話として解り易い。確かにストーリーの繋がりが甘い部分が
 あったりちょっと展開に強引な点も見られますから傑作だとは言いませんけど、これ迄インド
 映画に対して偏見っか、画面が汚くてただただ恋愛モノで民族衣装で踊って歌ってだけの
 イメージしか無くて敬遠してた人には本作はオススメ出来るかも。

  っか、2時間半つるッと妻共々観終えてしまった私は今、大いにインド映画に興味を持ちま
 したよ! でも調べってみると年間800本だか製作されてて、そのせいか出演者も内容も
 似たような作品が多そうなインド映画界のあまりの広さに困ってますけどね(笑)

 ・さてDVDソフトとしては…

  画質は普通。
 ズームアップすると流石にブロックが目につきますが感覚で言えば外国映画の日本版DVD
 並の綺麗さはあります。元のフィルムによる色合いのバラつきが若干ありますが画質として
 は普通と言っていいのではないかと。

  音質はノイズとかも特に無く良好かと。気持ち奥行きに欠ける気がしなくもないですが、そ
 れは元がそうってだけの話なんでソフトとして悪いってのではないと思うので。

  流石に本編が長い分だけ特典は少なめ、ではありますが本編からミュージカルシーンだけ
 を再生する「MUSIC VIDEO」、(英語中心で喋っているから外国での?)記者会見でのインタ
 ビューを中心にした「MAKING OF」、ハリウッド映画の予告にしか見えぬ「TRAILER」に比べ
 ミュージカルシーンだけで構成されて何の映画かサッパリ解らないTV. PROMOTE」(笑)、と
 これだけあれば充分じゃぁないんでしょうか。

  ただ、2時間半と長い本編のワリにチャプターがたった8つってのは難点ではありますが
 英語字幕もついていてNTSCでリージョンALL、という点でもお買い得のソフトではないか?
 っと思いますよ。


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