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Studio:Sahamongkol
Theatrical Release Date: April 28, 2005
DVD Release Date:
Run Time: 101.00 Mins.
Aspect Ratio: Anamorphic Widescreen - 1.85:1
Available Subtitles: None
Available Audio Tracks: Thai (Dolby Digital 5.1)
EXTRA:
・ TARILER
・ TV SPOTS (2)
・ POSTER (3)
・ BEHIND THE SCENE (15:00)
・ CHARACTER PROFILES (7)
・ WALL PAPER (8)
・ FLASH GAME
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・時は1940年代、大東亜共栄圏の名の下に真珠湾襲撃を手始めに中国、台湾、フィリピン
を制圧した日本軍はアジア全域確保の中心基地として資源が豊富なタイに目をつけ、タイの
現状を探るべく密偵を派遣していた。その密偵を追っていた軍曹ら7人だったが…
前作『7 Pra Chan Ban (2002)』がまるでターミネーターのような感情を表に出さない非情な
米兵相手のお馬鹿アクションコメディだったのと比べ、予告編ではそれとは雰囲気の違った
日本兵が敵役、画面構成とかもレベルUPして娯楽作品としてよりグレードアップした続編に
なっているかと思ったんですが… 映画としてはグッと作りも巧くなって前作にあった個々
のエピソードを廃してる分だけテンポアップして、予算も増えたお陰か火薬の量もアクション
も見栄えがするものになっていますが…
いやぁ参った。っか、弱った。
序盤は購入する前に思ってた通りでスマートな日本軍人の立ち居振舞いに前作との作品
としての姿勢っか意気込みの違いを感じたのですが、軍曹がウッカリ密偵の父親の将軍を
蹴り殺してしまってからというもの、スマートだった先遣密偵の彼氏、殺戮しまくり。軍曹らに
襲撃されてメタメタにされた腹いせに橋の建設に従事させてた捕虜と攫って性奴隷にしてた
タイ女性を惨殺しまくって河に投棄。あまりの彼氏の非道っぷりに
「いくら戦場とは言え貴様、気でも狂ったか! お前のような奴は事が終われば軍事裁判に
かけてやるからな!」
と言った上官まで刺殺しちまうわとベタベタな悪人にまっしぐら。
多分『メナムの残照』のパロディと思しき彼氏の部下?の日本兵の臆病で品性下劣で卑怯
で卑劣な様といい、かつて香港映画や韓国映画で描かれていた日本軍のような外道っぷり
ったら… なまじ表現がコメディ系なだけに陰惨な大量殺戮場面が余計に陰惨になっていて
そんな日本兵を殺しまくるお膳立てにはなっているのは解るものの、『Ong-Bak ((2003)』で
の学生服男ならまだ笑えても、流石にここまで描かれると… ちょっと気楽に、呑気に楽しむ
ってワケにはいきませんって。
タイは親日国、って言われてはいますが実際んトコは多民族国家な上に戦争時の被害も
地域それぞれって事で一概に言うべきではないと思ってはいたんですがしかし… もぅ少し
言うならば戦後、日本人がタイで何をしてきて、かの国の人達とどのように接してきたのか?
ってのの一面でもあるんだろうなぁ… っと思うとゲンナリする気分にもなりますよ。
「こんなのは歴史的に間違ってる!」
って言うのはナンセンスなんですよ。軍曹ら7人を倒すべくやって来た隠密部隊が忍者や
侍や子連れ狼モドキとくのいちの七人がパキスタン人みたいなのも込みでギャグにしている
部分と彼らにとっての歴史観ってののミックスになってるのは意識的であり、加えて変装で
インド人に化けた時のギャグや助けた白人捕虜の描き方からしても特別に日本人だけを
蔑み、笑い者にしているってワケでもないんですよな。
で、いとうせいこう氏は「先見日記−タイ映画、ナショナリズムの理由」で
各国が映画を国民国家幻想の増強化に使うのは、この21世紀においても今なお常識で
ある。日本でもいまだに戦争賛美映画が作られていることが、その一例になるだろう。がし
かし、タイの場合、その頻度が激しすぎる。そこまで国民の士気を高めなければならない理
由はなんなのだろうか、と僕はノンキに考えたのであった。
答えは簡単だった。90年代に起きた経済危機であった。タイはあの時、ほとんど敗戦に近い
打撃を受けたのであり、いまだに“戦後”復興の途上にあるのだ。海外のハゲタカファンドは
いつまたタイを混乱におとしいれるかわからない。そのトラウマが彼らの映画をナショナリズ
ムへと導いているに違いないのである。
としているのだが、果たしてそれだけなのか? と思うんですよ。
この映画は、これで商品になるって踏んだんですよ。
タイ国内での成績はあまり良くなかったらしいんですが、結果としてこれで売れると踏んでの
商品なのは、このDVDに収録されてるFLASHゲームが
「軍曹が日本兵を撃ち殺したり蹴り殺しながら仲間を助け出す」ってのでも解るように、これ
を単なるナショナリズムとするのも反日精神とするのと同様違うんじゃないかと。単なる反日
ならもっと残虐にも出来たし、もっと陰惨にも出来た。でも、そうじゃぁないんですよ。もぅ少し
色々な感情やらが、少なくともこの映画を作った世代とこの映画を観るであろう観客層には
ある(と想定&判断してた)んじゃぁないのかなぁ… っと。
まぁ、彼の地の国民でもないし在住でもない身には考えても答えは出ないんでしょうけどね…
…という感想はさておき、DVDソフトとしましては
・画質、音質については良好。流石新作ってトコロでしょうか。
タイ語のみで字幕無し、って仕様ですが、怪しいながらも日本語だけの台詞の場面も少なく
ないんでそんなに困りませんでした。ま、やってる事がやってる事なんで観て解らない事は
殆どない映画、ってのもありますが。
特典は多いんじゃぁないんでしょうか。ただまぁFLASH GAMEは、ねぇ… サービス精神も
ここまでくるとワルノリとは言わないけど、ちょっとなぁ… と思うのは私が日本人、だからな
んでしょうけど、ね…
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