・『The Texas Chainsaw Massacre - Special Edition (1974)』 (PAL) - Region 2
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Studio: Universal Pictures Video DVD Release Date: March 10, 2003 Run Time: 80 minutes Aspect Ratio: Widescreen 1.78:1 Available Audio Tracks: English - Dolby Digital Surround ・Special Features ・Audio commentary ・'The Shocking Truth' ・interviews director Tobe Hooper ・interviews Kim Henkel ・Deleted scenes(6) & alternative footage(4) ・Outtakes ・Original theatrical trailers(2) & Sequel trailers(3) ・Original TV ads ・Props & Sets ・Film & Production Still(56) ・Poster and lobby card(24) ・DVD-Rom link |
・スラッシャー映画のクラッシックの１つとされていますが、初めてコレをレンタルして観た時、
「これってコメディじゃねぇの？」
と思ったのは既にその時に８０年代に入っていたからなのかもしれませんが、異常さを現わす
演出とは言え、ビックリしたり慌てたりするレザーフェイスの妙に愛嬌ある仕草やお爺ちゃんの
やり過ぎなメイクも含めて怖いとか異様とかキモチワルイとかでなく、どこかユーモラスと言うか
呑気な雰囲気だと思うんですが… 変ですかねぇ私？
再見してみるとヒロインのマリリン・バーンズの絶叫と目ン玉ひん剥きがとにかく長く長く長く、
あそこまで絶叫させ続けたスタッフの人非人っぷりの方が余程怖いよ(笑) ってのは半分冗談
ですが、リメイクに決定的に欠けていたのはこの人非人っぷりとマッチョイズム、そして出演者
達の熱意っか野心なのかな… とは思いましたが。
歴史的に観て、ベトナム戦争とオイルショックによるアメリカ国内経済の疲弊、それに伴う映画
産業の構造転換の丁度谷間の時期ってドサクサに展開して成功したドライブシアターって興行
形態の中で最大のヒットとなった『Night of the Living Dead』に追従したネタの集大成の映画、と
いう点も含めて時代のものであり、果たしてこれが日本人にとってもホラー映画における崇高な
オリジナルとして賛えるに相応しいのか？ となるとまた別ではないかな？ って気がしないでも
なかったりして。しかし計算され尽くし、綿密に構成したおして、才能と予算が奔流の如く溢れ出た
映画ではない… この作品以降の監督、撮影監督、出演者達の辿った道から見ればこれもまた
映画の奇跡の１つだと私は思うのですが、『奇跡』だったからこその価値が、輝きが、迫力がッ！
…ってのはリアルタイムでは観ていない世代だから持つ感慨なのかもしれませんけれど。
とか何のかんのと言いつつ、結局
「ほら、お爺ちゃん！ 殺っちまってよ！」
って家族愛溢れるソーヤー一家が好きなんで買ったんですけどね(笑)。
・『悪魔のいけにえ』にも世界中で色々な版があるらしいんですが、結局元を辿るとパイオニアが
出したＬＤをソースにしたＤＶＤしか無いらしい。となると素直にＵＳ版を買うかねぇ？ と思ってた
んですけど、たまたま知ったＵＫ版の異様に充実した映像特典と価格に惹かれて買ってしまった
一品でございます（ボッタクリ価格の中古の字幕焼付けの日本版なんか買う気しねぇし）。
しかし、Amazon.UKのTechnical Informationに「Number of discs: 2」とあるブツが実際は１枚
のみってのはヒヤリとしましたな（訂正を求めようにもAmazon.comと違ってフォーム対応ではな
いんで見送ってますが、このブツを買われる方はその点は注意してくださいませ）。
・さて、ＤＶＤソフトとしての本編ですが画質・音質共にＬＤ版がソースと言われて納得するくらい
正直言ってあまり良いものではありません。勿論、手持ちのＶＨＳ版と比べれば鮮明さや色合い
は綺麗なんですが闇やディティールが潰れている場面も結構あるんで勿体無い気がしないでも
ないんですが、元々ドキュメンタリータッチな本作においてはこのくらいの画質の方がかえって味
がある、という気もしないでもありません。ま、微妙なトコかと。
特に音質はもうちょっと何とかして欲しかったですなぁ… 音が潰れているせいで聴き取り辛い
トコが結構あるんですよ。無理矢理なＤＴＳ化、５.１化も問題ですが（でもフランス版はそうなって
いるそうですが… どないなんでしょうな）、もう少しクリヤーにしても良かったんじゃぁないの？
新緑の音声解説程度くらいには… いくら台詞はあまり重要ではない映画とは言ってもノイジー
で割れた感じがするのもなぁ… と思うです。
・それと比べると特典はボリュームと資料的価値の両面で満足ですねぇ。
特に'The Shocking Truth'！ このＤＶＤのメインと言ってもいいドキュメンタリーですな。
ナレーション担当を本編と同じJohn Larroquetteってトコからも本気度がよく解りますが、単なる
メイキングや回顧談、自慢話に終わらず、製作当時のアメリカの映画産業の状況、モデルとな
ったエド・ゲイン事件、テキサスという土地について、当時の社会的状況、ファンイベントの様子、
以後の続編の製作について（撮影風景もアリ）、フォロワーの氾濫、そして最後はこのドキュメン
タリーに出演しなかった人も含めて判明している範囲内での出演者＆スタッフのその後の略歴、
っと大変に充実した内容でして、これだけでもこのＤＶＤのモトは充分に取れるかと。そりゃコレと
フランス版の特典で商売したくもなるわなぁカプコン！（ … 買わないけど）と納得。
まぁこの作品について熱く語るゲストが『MANIAC』の監督WILLIAM LUSTINGと『The
Manson
Family』の筈なのにテロップでは『CHAELIE'S FAMILY』と誤表示されてるJIM VAN
BEBBER監督
ってのが哀愁を誘いますが、『The Texas ChainsawMassacre』という作品を中心に製作に留まる
事なくその周辺と歴史をもフォローした、ドキュメンタリーとして非常によくまとめた一品かと。
特に映画誕生前の潮流として『イージー・ライダー』を代表とする当時のムーブメントと『NIGHT
OF THE LIVING DEAD』の商業的成功（とその形態）から『鮮血の美学（LAST HOUSE
ON THE
LEFT (72)）』で１つの到達点となったへと続くアメリカン・ニューシネマをちゃんとフォローしてあり
それがともすれば独創、オリジナルだとトビー・フーパー自身がしようとしてるのをさりげなく修正
している姿勢はドキュメンタリーとしての視点として真っ当じゃぁないですか。
あと、撮影にまつわるエピソードは既知外話もいいとこで、一番大変だったマリリン・バーンズ
は”Crazy〜”と連発されておりますが、それこそ予算ギリギリの中でスタッフも俳優も寝る時間を
削っての３０日間って撮影期間じゃ頭もおかしくなってくるわなぁ… っと納得。
・それ以外にも『悪魔のいけにえ／レジェンド・オブ・レザーフェイス(1995)』の予告まで収録してる
「Original theatrical trailers & Sequel trailers」、音声無しでノイジーな画面ですが存在そのもの
が貴重＆見れば削除されるのも納得（笑）の「Deleted scenes」、日本版だけでなく『THE
TEXAS
CHAINSAW SAMURAI』って謎のポスターまで収録している「Poster and lobby card」、監督Tobe
Hooperと撮影監督Daniel Pearl、そしてレザーフェイス役のGunnar Hansenの３人が揃っての
「（Full LENGHT）Audio commentary」、その他の特典も楽しいし、まずメニュー画面が赤を基調に
した立体的なオシャレな画面、っと手抜かりは無し。
紙製のアウターケースの中の本体のケースもオシャレなデザイン、それに付属する１４ｐオール
・カラーの「Collector's Booklet」は映像特典の'The Shocking Truth'と内容がカブりますが、
「The Texas ChainsawMassacre - The Makin Of A Horror Classic」
「THE STORY OF ED GEIN - A Man Who Inspired Modern Horro」
「BIO GRAPHY OF DIRECTOR TOBE HOOPER」、
っとの章立てでの作品解説をしていて、これだけでも入門書としてよく出来た一品（欲を言えば
もちっと写真は欲しかったが）。
メーカー担当者の熱意と愛情と手間に満ちたこのＤＶＤ、本編は決して好きだとは思わない私
でも大満足の一品でしたよ。これは買って良かった！
でも、Ｓｕｂｔｉｔｌｅは欲しかったッ！
あれば完璧なのに！ 特典部分も英語が得意ではない私には結構辛かったですわ…