・『Miracle (Widescreen Edition) (2004)』 - Region 1


 Studio: Buena Vista Home Vid
 Theatrical Release Date: February 6, 2004
 DVD Release Date: January 25, 2005
 Run Time: 136 minutes
 Package Type: Keep Case
 Number of discs: 2

 Aspect Ratio(s):
 Widescreen anamorphic - 2.35:1

 Captions: English

 Available Audio Tracks:English,French
  (Dolby Digital 5.1 - THX Certified

 DVD Features:
  Disk-1:
  ・"The Making of Miracle"
  ・Audio Commentary
  (director, editor, director of photography)
  ・Sneak Peeks(他商品予告)

  Disk-2:
 ・"First Impressions"
 ・Outtakes
 ・"From Hockey to Hollywood"
 ・Miracle ESPN roundtable
 ・"The Sound of "Miracle"
 ・Theatrical Trailer

 ASIN: B0001US66E

・1980年、アメリカはレイクプラシッドで開催された冬季オリンピックにて20年近く国際試合
無敗で世界最強と呼ばれたソヴィエト代表アイスホッケーチームを破り金メダルを獲得した
アメリカ代表チームの実話を元にその軌跡と奇跡を描いたスポーツ映画。
 去年アメリカで公開されてそれなりの好興行成績をあげたものの、アイスホッケーという題材
が日本ではマイナーに過ぎるからかようやく今年になってからビデオスルー… 発売元がブエ
ナビスタなのが気に入らないのとUS Widescreen Edition版にあった特典ディスクが無さげな
のがなんとなく嫌だったので注文した一品。

・単純なアメリカ万歳映画かコーチと選手との友情モノかと思っていたのですが、アメリカにとっ
て暗い60、70年代を当時の様々なニュースフイルムを利用したOPから始めるように、丁寧に
当時のスポーツと政治状況との対比も重ねたドキュメンタリータッチな作品で、1つ1つはとって
も地味ながらも積み上げていったからこそ最後の栄光までの過程にリラリティがあるのと、撮影
も編集も楽曲も実にを手堅くまとめてあってこれがなかなか面白いし、地道な衣装や髪型や小
道具の徹底した時代考証っぷり、そして試合シーンの再現っぷりとGCを使わず人力で撮影した
からこそある迫力、ってので結構気に入りましたよ。
 メイキングで解るんですが、機材とカメラマンを載せた台を数人がかかりで俳優達と一緒にス
ケートで押していたり、チェイスシーンでも実際にカメラマンがスケートで追走して撮影してるんで
吃驚CG紙芝居のような派手さや奇妙な画面ではないんですけど、逆に生々しいスピード感を感
じれるんですよね。勿論、それにはホッケー経験をも重視したという選考を経てトレーニングを経
て… って過程があったりするワケですが、地味ではあるもののだからこそのリアリティが凄く、
個人的に好感を持ちましたね… 『The School of Rock』同様、リアルの(土台の)上に、手間で
リアリティを備えたからこそ白けない、と言いますか。

 出演者で言えばハーブ・ブロックという実在人物をカート・ラッセルが演じる、って聞いた時は
「え〜 『ニューヨーク1997』のスネイクがぁ? 『遊星からの物体X』のマクレディがぁ?」
 っとワリと懐疑的だったのですが、ただの鬼コーチではない、人間的な弱さや脆さ、家庭人と
しての問題のある人物像を無理なく演じていて結構好感が持てましたし、選手達を演じたまだ
有名とは言えない若手陣も皆いい雰囲気だったですね… っと、ハリウッドの厚みと言うか底辺
の広さを見せ付けられた気がしますよ(すごく私的ですがサブコーチのクレイグ・パトリック役の
ノア・エメリッヒが『トゥルーマンショウ』のマーロンまんまなのがニガ可笑しかったです。マーロン
は白人主体のTVドラマにおける典型的友人役って「設定」だったんだが、こちらでそれをやられ
てもなぁ… まぁそういう役柄にはピッタリなんでしょうけどねぇ)。

・アメリカにとって80年代がどういう時代だったのかは日本人の私にはよく解りませんが、この
映画を観るに製作者達には80年の奇跡をスタートとして以降、消費主義など暴走していった局
面についての反省もあるのではないかと思ったのが最後に出る
「数年後、アメリカはオリンピックにプロ選手を参加させるようになった。
 ドリームチームと言われているが、それは本当に夢のチームなのだろうか」
 というハーブ氏の言葉で、そういうトコからも色々と考えれる余地や題材も含めた映画だと思
いましたし、それが説教とかではなく歴史の事実としてそれ以上にも以下にもしなかった点も好
感を持ちましたよ。
 まぁ、これが80年代に同じ題材で映画化したらソヴィエト代表は皆すげぇ悪役になっているか
もしれなかったのを思うとあの歴史への視点は現代的なバランスなのかもしれませんけど。

 そりゃまぁ欲を言えば、ソヴィエト代表との公開練習試合でボロクソにやられてからオリンピック
本番までの2週間のエピソードが無いのが説明&盛り上げ不足で勿体無いとは思いましたが、
それを除けばアラらしいアラも無い佳作だと思います。スポーツもの好き、青春群像劇好きの人
なら観ておいても無駄にはならんと思いますよ、ええ。

・で、DVDソフトとしてですが… 良いんじゃないんでしょうか。
画質、音質共に良し(まぁ毎回書いてますがTHX認定って私にはよぉ解らん)で、製作、モデル
になった人、実際の試合、削除されたシーンにスコア、っと揃った映像特典といい映画本編同様
特別な、特出したウリは無いものの、丁寧に充分に色々な要素をまとめてあって良いんじゃない
かと思いますよ、はい。


輸入版 MOVIE Index

Index