・『Garuda (2004)』(PAL) −  All Regions


 Screenformat : Anamorphic Widescreen

 Language : Thai (DTS/5.1)

 Subtitle : English

 Run Time: 110 minutes

 ・ SPECIAL FEATURES
  - Behind the Scene
  - Theatrical Trailer

・今年公開のバリバリの新作タイ映画、来年には日本でも公開予定、しかも怪獣モノ… って
事で購入してみた品。

・1975年(西暦かタイ王国歴かは不明)、インドのカシミールの辺境で発掘作業をしていた
博士が遂に伝説の神獣ガルーダを発見するものの、折からの地震により遺跡は埋もれ、協力
者の死もあって発掘は断念しなければならなくなった。
 そして時は流れて2005年、バンコクの地下ネットワーク拡張工事中、異様な物体と遭遇し…

 という王道的な怪獣映画のプロットですが、なんというか
実に微妙ぅ。

・ってのは、ガルーダ本体をはじめCGを多用しているのは構わないんですが、キモのガルーダ
本体の造形があまりにもアレなのと、CG全般にテクスチャーが甘いと言うか雑、んでもってフル
CG部分でのカメラワークがあまりにもダサ過ぎ(5年くらい前のPSのムービー並)、と本来なら
血湧き肉踊る破壊崩壊残骸大混乱シーンで一気に白けるんですな。
 それが全編そうだったらいいんですが、なまじ実写とCGの合成場面… 『MATRIX』のタイム
スライス、ブレッド・タイムをパクったシーンの出来そのものはメチャクチャいいんですよ、日本製
の『リターナー』なんかよりも。使い方にしても決して悪くないんです。でも、前記の3要素のせい
で、本来盛り上がるべき場面で画面がチープになるんでテンション、下がるんですよ…

・例えば地下通路で主人公の一人の軍人とガルーダが対決するシーン、ガルーダの攻撃を躱わ
してナイフでガルーダの指を切り飛ばす、ってショットの画面構成やエフェクト自体はとてもいい
んです。でも、切り飛ばされて壁に突き刺さった指から粘液が垂れるシーンの細かさと比較する
と肝心のガルーダの造形もアレならモーションの付け方が一昔前の格ゲーで溜めもブレも重み
も無いチープ故にすげぇチグハグっかバラバラになってるんですよ。
「ひょっとして映像の特殊効果とCGモデリング&アニメーションは別会社?」
 って思うくらいに精度も出来も違い過ぎて、本来だったらもっと褒めようもある作品になれた筈
なのにそうはなってないんですよ。これが『ウルトラ6兄弟VS怪獣軍団』のようにハナからただの
怪獣映画として製作された、とか、そもそも予算が無い、とか、金も手間も人手も時間もかかって
るけど監督に才能が無かった、ってのなら全然問題が無いんですな。しかし、この映画の場合、
キモの場面のクオリティが低いだけで、後はマトモなんですが、
「でも、キモが駄目な映画ってのも、ねぇ… 」
 って言いたくもなるんですよ。
実は映像特典のメイキングを見ると、
どうも実物大ガルーダのロボット・モデルの動きにCGの
動きを合わせたよう
で、何でお前らそんな事をしたのかと。どうりで実物大モデルには無い翼の
動きだけは凄くいいけど、後の胴体の動きとかが駄目過ぎじゃぁないか…

・と、いささか冷たい評価をしてしまいましたが、変にゴージャスなトコロとやたらとチープなのが
混じっていても画面トータルでの色彩コントロールが出来ているので気になりませんし、主人公
の軍人とヒロインの科学者のそれぞれのドラマも悪くない。ガルーダが画面に出てないパニック
シーンもよく出来てる(翼の風圧でビルの窓ガラスが吹っ飛んで中にいた人達に破片が叩きつけ
られ… なんて素直に驚いたですよ)んで、私は貶す気にはなれないんですよ。

 
でも、ガルーダがなぁ…

 多分、日本での公開が決まったのはこのガルーダのチープさ故なんだろうけど、映画自体は
チープでも無いしカルト扱いされるものでも無いんだから興行的には失敗するんでしょうけど、
その結果がタイ映画への貶めになりそうであんまりいい気分はしませんなぁ…

・って感想はさておき。

dvdとしての画質、音質は宜しいんではないかと。
特に画質は監督の意向なのか画面全体に常に何色かのフィルターをかけた色彩となってます
がその
発色が綺麗だと思いましたしね。
(だから余計にガルーダとCGムービー部分が辛くなるんですけどね)。


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