・『クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ モーレツ! オトナ帝国の逆襲 (2001)』


 製作国:日本
 公開年:2001/04/21

 販売元: バンダイビジュアル
 発売日: 2002/11/25
 時間: 89 分

 音声仕様:日本語
 1:Dolby Digital 5.1ch Surround
 2:Dolby Digital Surround

 画面サイズ:ビスタ

 字幕:日本語

 <映像特典>
 ・ ノンテロップオープニング(クレイアニメ)
 ・ 特報
 ・ 予告編
 ・ TVスポット集
 ・ キャラクター設定資料
 ・ 美術・小物設定資料
 ・ 美術ボード

 <封入特典>
 ・オリジナルライナーノート(8P)

4年前の感想に4年後の今、DVDを観終えての感想を付け加えるとするならば
「スタッフらがつきつけてみた問いに答えるオトナは一体どれだけいたのだろう?」
 ってのかなぁ…
それくらいにコンビニでは懐かし系オマケをつけた菓子が溢れているだけでなく、DVDソフト
もTV番組も雑誌も【あの時代】、過去を商売としていてそれが成立してる現状を見るにつけ
「オラ、オトナになりたい!」
 っと、しんちゃんにあえて言わせるような世の中なんだろうか? っと思うと暗い気分になら
ざるを得ないんですけどね… まぁ希望としてはこの映画を観た子供達が、少しでも自分達
にとっての『未来』を、現状の… それこそしんちゃんに「ずるいぞ!」っと言われても仕方の
ないだらしないオトナ連中との相対ではないところから見つけてもらいたいものですが…

 結局、万博や【あの時代】ってのが設定として絶妙であり過ぎたが為に、スタッフらが示した
テーゼやらも理解出来ないのか何だか知らんがこの映画を現実のみっともない、卑しい自分
達の肯定として「泣ける」「感動した」だのとほざくオトナが多過ぎるもんな… 確かに私だって
観れば泣けてくる場面はあるけれど、それよりも冒頭から何気なくカザマ君が言う
「懐かしいってそんなにいいものなのかなぁ」
 って台詞をはじめとして、本編に散りばめられた台詞や描写には慄然とするんですけどね…

 でも、それはこの作品で、台詞でテーマやテーゼを語らずにいたからなんですよな。
説教するなり能書き垂れるなりする方がどれだけ楽なことか。そんな作品で知ったか解ったか
フリしてるお利口さんは一杯いるけど、この作品はそうじゃぁない。台詞では語っていないけど
よく考えてみりゃぁ… ってトコ、一杯あるよ、この映画。

 だからこの映画は傑作だと思う。
かつて子供だったオトナへの、そして、これから大人になる子供へのメッセージとしてだけでは
なく、アニメーションだから成立しえた作品としてこの作品は傑作だと思う。

・で、作品の感想は兎も角として、DVDソフトの出来としては… う〜ん…

 画質、音質については良いと思うんですな。正直、ビックリする程ではないけど綺麗ですし。

 ただねぇ…
レンタルVHS版先行(2001/11/25)で充分に製作資金を回収以上に儲けておいてからセル版
VHSをリリースして(2002/03/25発売 税込\3990)おいて、やっとこ出したDVD版(2002/11/25
発売 税込\3990)って流れから言えば値段も特典にも不満を感じなくもねぇんですけどね…
 せめて付属のオリジナルライナーノートくらい、もうちょっと大人向きの読める内容でもいいん
じゃぁねぇのかな… 特に次の作品まで完全なコドモ向きではないんですし… って思うんですが
、まぁそれは大人と呼ばれる年齢の私の思う事ですね(苦笑)。

 でも、完全に大人向けの、監督や出演者の音声コメンタリティーとか、EDロールが終わったら
間をもってトップ・メニューに戻るようにした大人版を¥3990で、そうではないアニメメニューや
らお遊び特典満載の子供向け版を¥2980くらいで出していたんならな… って思ったりもする
んですけどね… ちょっとこのソフトの場合どっちつかずの中途半端でややお子様向きにシフト、
ってなってるのが気に入らないんですよ、こんなに凄い作品なのになぁ… ってね。


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