マツノマダラカミキリ
Monochamus (Monochamus) alternatus endai Makihara,2004 


  体  長     14 〜 27mm

  出現時期      6 〜 10月


アカマツ衰弱木の枝上で交尾するマツノマダラカミキリのペア
松本市 2016.7.18(次も同じ)

 松枯れ病の媒介者としてあまりにも有名になってしまったカミキリです。直接の病原体はマツノザイセンチュウ(松の材線虫)という1ミリ足らずの線虫ですが、移動手段に本種を利用します。
 被害木のマツ(長野県ではマツ科マツ属のアカマツと植栽されたクロマツなど)の材内で羽化した成虫は、材から脱出すると健康なマツの若い樹皮を後食します。気管には大量の線虫が潜んでいて、摂食中マツに移り新たな被害木をつくります。そのマツが衰弱したり枯死すると本種の産卵場所となり、感染が拡大するというメカニズムです。
 線虫は北米原産で木材輸入で人為的に持ち込まれました。松本地方では6月中旬から成虫が羽脱しはじめ、メスは10月中旬まで見られます。活発に活動する夜間、アカマツやモミ、ドイツトウヒなどの新しい伐採木や衰弱木を見て回ると発見できます。


アカマツの枯れ枝に静止するメス


若い枝を後食するオス
松本市 2021.8.04


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