ホンドアカガネカミキリ
Plectrura (Phlyctidola) metallica yoshihiroi Takakuwa,1984 


  体  長    8 〜 13mm

  出現時期    5 〜 10月


ナナカマドの枯れ枝を歩行するホンドアカガネカミキリ
下高井郡山ノ内町 2013.9.06

 東北地方から中部山岳地帯東部にかけて分布するカミキリで、長野県内では北東部の山系だけに生息します。後翅が退化しているため飛ぶことができません。
 9月中旬、近年採集記録の多い場所はあえて避け、県内では初めて記録された山へと、現在の生息状況を確認することも兼ねて行くことにしました。コブヤハズカミキリ類と同じく、秋にヤマハンノキなどの樹木やハリブキ、フキ、ハンゴンソウなどの枯葉内で採集されているので、これをターゲットにして登ります。
 かなり高度をあげ、とっくに生息地域まで来ているはずなのに発見することができません。1頭のコブヤハズカミキリを見ただけです。
  とうとう尾根筋に出てしまい、樹林帯から草原へと植生が変わってしまいました。ここまで来たのだからとピークまで登り、さらに隣の山まで足を延ばしました。
 半ば諦めの心境になりながら下山をはじめ、尾根筋を降りてきたところ、一部樹林が尾根を覆っている場所にやってきました。登山道の脇に数本のハリブキがあり、登るときにもチェックしたところです。時間も相当経過していたので改めて覗き込むと、ころりとした本種が顔をのぞかせていたのです。第一印象はとにかく可愛いカミキリです。
 相当疲れていたはずなのに、このカミキリから大きな元気をもらい、足取りも軽く一気に下山することができました。


ハリブキの葉裏に潜む個体
下高井郡山ノ内町 2008.9.10


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