偶産種・疑問種について


 長野県で記録のある下記の3種については、偶産種・疑問種として本リストには含めませんでした。

(1) キソコマベニハナカミキリ   Stenurella meranura (Linnaeus,1758)
 1978年8月6日、木曽駒ケ岳で1♀が採集された記録がありますが、本種はヨーロッパからシベリアまで分布するものの、バイカル湖以東の分布は知られず、日本における記録は疑問視されています。
【参考文献:東海大学出版会 日本産カミキリムシ(2007.2.20発行)、財団法人 日本民俗資料館 図説長野県のカミキリムシ(1982.11.20発行)】

(2) トガクシフサヒゲアオカミキリ   Agapanthia (Epoptes) yagii Hayashi,1982
 1974年7月9日、戸隠山で採集されたとされる1♂について記載されましたが、その後の記録はなく、偶産か記載に使用された標本のラベルの誤りの可能性が高いとされています。
【参考文献:東海大学出版会 日本産カミキリムシ(2007.2.20発行)】

(3) ムツボシシロカミキリ   Olenecamptus taiwanus Dillon et Dillon,1948
 1979年7月7日、松本市旭の信州大学構内に飾られた観葉植物のガジュマルから羽脱したものが数頭採集されたもので、このガジュマルは市内の園芸業者が九州の指宿方面から購入し、随時当地の会社・官庁などに貸し出していたもので、本種がこの植物とともに持ち込まれたことは明確で、明らかに偶産種と見なされます。
【参考文献:財団法人日本民俗資料館 図説長野県のカミキリムシ(1982.11.20発行)】



HOME