ア リ
(ハチ目 アリ科)


 フィールドワークをしていると、アリが他の昆虫を攻撃したり、死体を運んでいるシーンによく出会います。土場や薪置場では小型のアリが材の割れ目を出入口にして巣を構えていることがあり、ここにカミキリムシが近づくとアリから攻撃を受けます。
 カミキリムシはいち早く退散し何事も起こらないのが普通ですが、稀に衰弱した個体だとそのままアリの餌食になるケースがあります、
  下2枚の写真はどういう経過でこのような事態になったのか分かりませんが、ルリボシカミキリはこの時点ではまだ生きていて、アリは大顎を中心に攻撃をくわえていました。
 数十分後、アリの数はさらに増え、片方の触覚はすでに割れ目に引きずり込まれていました。
 下3枚目の写真は、材上で絶命したチャイロホソヒラタカミキリを運んでいる場面ですが、カミキリの頭部にはまだ木くずが付いていることから、羽化脱出中に襲われたものと推測されます。


アリの巣の出入口付近で攻撃を受ける
ルリボシカミキリ(安曇野市:次も同じ)


数十分後、すでに右の触覚は材の割れ目
に引きずり込まれていた


アリに運ばれるチャイロホソヒラタカミキリ(松本市)




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