ノアノアテラス Noanoa-terrace Nursing Home
東側外観
静岡県沼津市
2015 04
特別養護老人ホーム・デイサービス・ショートステイ
2,275.64㎡
CONCEPT
敷地は沼津市郊外の大平地区で、北に富士山、南から西に沼津アルプスを望み、周囲に田畑が広がる自然あふれる環境である。この場所は内陸部である為、沼津市の多くの地域で懸念される津波被害もなく、また事業者の社会福祉法人がある三島市に隣接するので交通の便も良い。施設は1階にデイサービスと事務諸室、2階が特別養護老人ホーム、3階にショートステイである。
建築形態の大きな特徴は2階の特養居室部分が大きく跳ね出していることで、これは施設の中で大きなボリュームを占める特養部分をワンフロアーで納める為に、構造的な工夫により実現したものである。この跳ね出し部分の下は1階ピロティとして開放され、屋根は3階屋上庭園となり田畑の緑に景観が連続する。
環境計画では緑が周囲の山並みに連なる中庭や裏庭を設け、そこに共同生活室や食堂、階段室など主要な空間が面する構成とし、また富士山や山並を見渡す気持ちの良いテラスや食堂には大開口のガラスを用いて、自然光や展望を積極的に取り込んだ。
景観においては3階の勾配屋根や外壁の濃緑色などが、隣接する住宅への威圧感を抑え、背後の山並みの風景に溶け込む外観となった。
特別養護老人ホームは終の住処でありる。この施設は安心かつ快適で、かつ緑溢れ展望に優れるなど、人生の最晩年に相応しい癒しの空間となることを求めた。