魔法先生ネギま!SS

おまじない(前編)

作者:山上 創助

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 早朝にクーフェイでの中国拳法の稽古を行い、

 放課後にはエヴァの魔法修業をするネギ。

 しかもエヴァの時空では時間軸が現実世界よりも長い。

 カモと一緒に寮へ戻る途中のネギ。

カモ「アニキ、あまり無茶するのは良くないッスよ」

ネギ「うん、わかってる。心配かけてごめんね、カモ君」

カモ「気にするのは野暮ってもんだぜ、アニキ」

 夜道の途中にネギに声をかける友達が現れた。

小太郎「オーイ!! ネギーーーッ!!」

ネギ「あっ、小太郎君!? どうしたの?」

小太郎「おうっ、ちょい散歩しとるとこなんや。

    お前とこんな所で会えるとはな」

カモ「おいおい、まさかアニキと決着つけるつもりッスか?」

小太郎「当たりや!!

    ネギ、俺と勝負しろ!! あの時の決着今ここでつけたる!!」

ネギ「ちょ、ちょっと落ち着いて小太郎君!! 夜中だし人の迷惑になるし!!」

小太郎「問題無用や!! いくでぇ!!」

 小太郎が拳を腰に構えて踏み出そうとした瞬間。

千鶴「うふふふっ、ダメよ小太郎君♪ 勝手に外に出て、いけない子ね♪」

 小太郎の背後から飼い主(保護者)の千鶴がやって来た。

小太郎「ちっ、ちづ、姉ちゃ、はうっ!!」

 ガシッと千鶴が小太郎の頭を鷲づかみする。

千鶴「ネギ先生、すみません。ウチの孝太郎がご迷惑かけて」

ネギ「い、いえ、そんな事」

小太郎「ちづね!! 俺は今からネギと勝負するんや!!

    邪魔せんといてくれ!!」

 鷲づかみされてる状態から小太郎が抗議の声を洩らす。

 すると千鶴は笑顔のままのオーラーがさらに激しくなった。

 それを感じ取った小太郎はかなりビビッている。

千鶴「小太郎、帰るわよ、いい?」

小太郎「は、はい……」

千鶴「それじゃ、ネギ先生。また明日」

ネギ「あ、さようなら」

 小太郎はシュンとした様子で千鶴に連行されていく。

 ネギは呆気に取られながらも寮へ帰る道へ向かっていった。



 明日菜&このかの寮。

ネギ「ただいま」

明日菜「お帰り、ネギ」

このか「ネギ君、お帰り。今日もフラフラやな」

刹那「ネギ先生、お邪魔しています」

ネギ「あれっ? 刹那さん、どうして?」

刹那「ほ、本当は部屋の周辺を調べるだけだったのですが……」

このか「ウチが泊まって欲しいってお願いしたんよ」

明日菜「刹那さんにとっては近くで、

    お嬢様をお守りできるし断る理由はないでしょう?」

このか「あーーーん!! お嬢様っていわんといて!!」

 このかと刹那をからかいの種にしている明日菜。

 刹那はタジタジになりながらも断ろうとする。

刹那「いや、しかし……寝る場所もありませんし」

このか「せやったら、ウチと一緒に寝よ。小さい頃はよう寝とったやん」

刹那「そ、そ、そんな……あまりに恐れ多いです……」

 だが、結局二人に説得された刹那は泊まることになった。

 電気を消して就寝タイムとなっていく。

 暗闇の中で僅かに聞こえるのは時計の音。

 深夜2時頃。

ネギ「………」

 ネギは夢遊病のようにフラフラと起き上がる。

 目はうっすらで意識のない状態にあるネギ。

 お手洗い場に行ってトイレを済ませて戻ってくる。

 ネギはフラフラしながら明日菜のいる二段ベットに登る。
  
明日菜「zzzzZZZZ」

 熟睡している明日菜の布団にネギが潜り込む。

 10歳の男の子として甘える姿がそこにあった。

ネギ「zzzzZZZ」

 一人で寝てる時よりも心地良さそうに眠るネギ。

 明日菜のすぐ隣にネギが同じ布団で寝ている。

 数時間後。

明日菜「んっ……」

 ふと明日菜が眠たそうな目を開けた。

 ボーとした状態で隣にいるネギを見つめている。

 数分が経過してネギが潜り込んでることを理解する。

明日菜(また潜り込んできたわね。甘やかすとすぐこれなんだから)

 そう思いながらもさすがに熟睡しているネギを起こそうとはしない。

 明日菜は子ども嫌いであるが、お姉さんのようにネギの世話をしている。

 明日菜とネギの姉がそっくりという事もあってか、

 他人事には思えないのかもしれない。

明日菜(ホント、世話が焼けるわね。無茶するし、一人で抱え込むし……。

    でも、それがアンタらしいって言えばそれまでだろうね)

 無垢な寝顔を浮かべるネギが寝返りをうつ。

 ゴロンとしたネギは明日菜の体に抱きついた。

明日菜「!?」

 彼女は、声をあげるのをグッと堪えた。

 明日菜の胸元に、ネギが顔をうずめている。

明日菜「このエロガ……!!」

 拳を固く握り締め、ハンマーのように振り上げる明日菜。

 しかし、ネギが全く反応せず、静かな寝息をたててることで、
 
 わざとやってる訳ではないことがわかり、明日菜の手は空中で止まった。

 もし彼が意図してやったことならば、

 彼女が拳を振り上げた時点で頭を庇う仕草をするであろう。

明日菜「……」

 振り上げていた拳を降ろす明日菜。

 彼女はそっとネギの両手に触れ、ゆっくりと引き離した。

 すると横寝だったネギが再び仰向けになって静かに吐息をたてる。

 どうやらネギは明日菜に負けないくらいに寝相はよくないらしい。

 明日菜は軽くあくびをして再び眠りについた。



 麻帆良学園の放課後。

 成績の悪い女性生徒のには居残り授業が待っている。
 
 バカピンクのまき絵。

まき絵「てへへ」
 
 バカブルーの楓。

楓「んーーー」

 バカイエローのクーフェイ

クーフェイ「勉強、苦手アルよ」

 バカブラックの夕映

夕映「勉強……嫌いです」

 バカレッドの明日菜。

明日菜「悪かったわね!! どうせ私は頭悪いわよ!!」

 クラスで有名なバカレンジャーがその対象者となっていた。

ネギ「だ、大丈夫ですよ!! 丁寧に教えますから!!

   では10点満点の英語の小テストをやりますので、

   6点以上取るまでは帰ったらダメですよ!!」

 こうして英語の補習授業を開始していくネギ。

夕映「ネギ先生、できました」

ネギ「は、早いですね、採点しますんでちょっと待って下さい」

 採点した結果、夕映は10点満点中の9点であった。

ネギ「凄いです!! 夕映さん、やれば出来るじゃないですか!!」

夕映「勉強嫌いなんです」

 後ろの方で待ってるハルナとのどかがやって来た。

ハルナ「夕映、ちゃんと勉強しなよ」

夕映「やだ」

のどか「そ、それじゃ、ネギ先生……さようなら」

ネギ「はい、気をつけて帰って下さいね♪」

クーフェイ「ネギ坊主、出来たアルよ」

楓「拙者もでござる」

まき絵「ネギ君ネギ君、私も私も」

ネギ「はいはい、ちょっと待って下さい」

 クーフェイ4点、楓4点、まき絵2点という結果となった。

ネギ「アスナさんは?」

 明日菜が顔をそらしながら答案用紙をネギに渡す。

 すると採点結果は2点であった。

 明日菜の悔しそうに体を震わせている。

ネギ「では、ポイントの所をしっかり覚えて下さい!!

   大丈夫ですよ!! 頑張ればすぐに出来ますから!!」

 ネギの授業が一通りやり終わって再び小テストが開始。

楓「ネギ坊主、出来たでござる」

ネギ「はい!! えっと……7点!!

   やったー!! 7点ですよ、楓さん!!」

 自分の事以上に大喜びをするネギ。

楓「ネギ坊主におかげでござるよ」

クーフェイ「やるアルね、楓。私も出来たでアルよ」

ネギ「えっとクーフェイさんは……ああっ惜しい!! 5点で
すよ!!」

クーフェイ「うっ!! 詰めが甘かったでアルか!!」

楓「ではお先に失礼するでござる」

ネギ「はい、楓さん。さようならです」

まき絵「ネギ君♪ 採点お願い♪」

ネギ「わかりました、えっと……3点です。さっきより1点上がりましたね」

まき絵「えへへ、もうちょっとでいけるかな?」

ネギ「頑張れば出来ますよ、僕が保証します」

 そしてまた最後に明日菜が無言でネギに答案用紙を渡す。

 すると1点というさっきより悪くなっていた。

ネギ「だ、大丈夫ですよ、明日菜さん一緒に頑張りましょう!!」

明日菜「ううっ……」

 どことなく悔し涙を浮かべそうな明日菜。

 負けず嫌いな彼女にとってこれほどの屈辱はないであろう。

 ネギの根気強い授業によってクーフェイは7点で合格。

 まき絵は6点によりギリギリ合格となった。

クーフェイ「ネギ坊主、また明日アルよ」

まき絵「バイバイ、ネギ君♪」

 クーフェイとまき絵は教室を去っていった。

 そして最後に残るはバカレッドこと明日菜である。

明日菜「……」

 無言で答案用紙を渡されたネギは期待をしながら採点する。

ネギ「うっ……」

 結果は2点であった。

 明日菜のテストは3点以下しか取れない状況が続く。

 カラスが鳴く夕方頃になっても明日菜は居残りをしているまま。

明日菜「いいよ、もう……どうせ私なんて……」

 半泣き状態で机に突っ伏している。

ネギ「あわわっ、ど、ど、どうしよう……」

 すると耳元にあるカモが明日菜に聞こえないように小声で話す。

カモ「アニキ、俺っちに考えがあるぜ。

   ちょっと人気のないトイレに行ってくれ」

ネギ「う、うん」

 ネギは明日菜にお手洗いに行くと行って一旦席を離れる。

カモ「いいか、アニキ。

   『頭の良くなるおまじない』という凄いものがあるんだぜ」

ネギ「お、おまじないって何?」

カモ「ま、相手のやる気をさらに引き出す魔法みたいなものッスよ」

ネギ「頭を良くする魔法はあるけどそれとは違うの?」

カモ「チッチッチ、全然違うぜアニキ。

   おまじないで姐さんを喜ばせてやるッス」

ネギ「本当にアスナさんがそれで頭よくなるの?」

カモ「そりゃもう、額にチュッてすれば頭はフル回転ッスよ」

ネギ「そっか、チュすれば……ってええっーーーー!!」

カモ「さぁアニキ、今すぐおまじない開始だぜ!!」

ネギ「そ、そ、そ、そんなカモ君!? で、できないよそんな事!?」

カモ「じゃあ、姐さんをずっと悲しませるんッスか!!

   今だって出来ない自分で悔し涙を浮かべてるじゃないッスか!!」

ネギ「うっ……でも、それだけで本当に頭良くなるの?」

カモ「俺っちの情報は間違いはない!! アニキ、GOだぜGO!!」

ネギ「わ、わかったよ……」

 カモはネギのポケットに隠れ、ネギは明日菜の居残りしている教室へ戻る。

 明日菜は悔しそうな表情で自習をしていた。

ネギ「ア、アスアさん……」

明日菜「なによ……どうせ私なんて馬鹿だよ馬鹿……悪かったわね」

ネギ「いや、そうじゃなくて……その……お、おまじないしますから」

明日菜「おまじない? なによ、それ?」

ネギ「そ、その、だから……元気出してくださいね」

 ネギは俯きに手をモジモジさせて顔を赤らめる。

 それでもネギが明日菜の席に近づき小さな両手で彼女の頬に触れる。

明日菜「なっ!?」

 突然の行動に明日菜はギョッとした表情で固まる。

 ネギが明日菜の額にチュッと唇を押し当てた。

明日菜「っ!?」

 ビクッと明日菜の体が震える。

 彼女は今何が起こってるのかわからない様子。

 ネギは目をギュッと瞑って唇を離さない。

ネギ(えっと……どれぐらい触れたいいのかな? 何かすごく恥かしいよぉ〜)

 数秒後。

 明日菜は自分の額にネギがキスしていることを頭で理解する。

 理解した後の明日菜は高熱を宿したかのように赤くなった。

明日菜「こ、このアホォーーーーーーーーーーーーーーーー!!」

 アデアットでハリセンを取り出して、ネギに体に叩き込む明
日菜。

 彼女の武器は相手の魔法シールドを簡単に無効化してしまう。

 反射的にネギが結界を作ってもそれを超えて物理的に衝撃が与えられた。

ネギ「ぎゃうっ!!」

 教室の天井にネギが激突してそのままバタンとうつ伏せに倒れる。

明日菜「はぁはぁはぁ……も、もう知らないわよ!! バカ!!」

 猛スピードで教室に飛び出してしまう明日菜。

ネギ「あううっ……アスナさんが……カモ君、これ本当におまじないなの?」

カモ「ふむっ……。

   そういや、姐さんは相手の魔法攻撃を無力化できる能力があったな。

   となると、おまじないの方でも無力化してしまうやもしれないぜ」

ネギ「そ、そんな!! ど、どうしよう!? アスナさんが怒ってるよぉ〜!!」

カモ(俺っちは暇つぶしにアニキをからかっただけだが……)

 結局、明日菜が戻ってくることはなくネギは仕事を終えて帰ることにした。

 もちろん、エヴァの修業を終えた後である。

ネギ「ただいま」

このか「おかえり、ネギ君。なぁなぁ、アスナと何かあったん?」

ネギ「うえっ!! そ、それは、ど、どうして!?」

 出迎えのこのかによる鋭い指摘でネギはたじろいだ。

 このかは相変わらずニコニコ笑顔でネギに言う。

このか「アスナとは長い付き合いやもん。

    それぐらいの事はわかるしまうんやで」

ネギ「うっ……それでアスナさんは?」

このか「何や機嫌悪そうにベットの中で横になっとるでぇ」

ネギ「はうっ……このかさん〜。

   僕、アスナさんに嫌われちゃいました〜」

このか「えっ? そうなん? まっ、とりあえず中に入りや」

ネギ「はい……」

 明日菜に聞こえないようにネギが事情を説明する。

 するとこのかはクスクスとした笑い声を洩らして言った。

このか「可愛いなネギ君。大丈夫、アスナは怒ってなんてあらへんよ」

ネギ「だって、不機嫌そうに寝てるってさっき……」

このか「う〜ん、アスナは素直じゃないからな……もうちょい様子見たり」

 このかの言葉に釈然としないネギだが大人しく従う。

 その夜、ネギは明日菜のベットに潜り込まず一人で寝るしかなかった。


後編へ続く


<あとがき>
 
 こんにちは、山上 創助です。

 カモにたぶらかされ、頭の良くなるおまじないを明日菜に行
った。
 その結果として、明日菜に嫌われたとショックを受けるネギ

 果たしてネギは明日菜と無事に仲直りすることが出来るので
あろうか?
 ということで次回に続く。

 では、また。(^^/



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作成日:2004年12月12日(日)