2004年3月23日(火) |
地獄の年度末進行がようやく終了。 相変わらず今年度の予算をどうにか使い切ろうと必死な大中小企業の連中がこぞってデカイ仕事を突発で持って来やがる上にその中の一会社の担当が滅法アホで二週間前に出して来いよと小一時間怒鳴り散らしたくなるような訂正指示を堂々と入稿二日前に入れて来るため(←大事なお得意先になんて言い種を)、駅の便所御用達の一枚紙トイレットペーパーより脆い当方の堪忍袋の緒はここ数週間頻繁にぶっ千切れており、日記に書くことといえば仕事の愚痴とブラックエレメンタルのベクレムの成長っぷりぐらいしか無い有様であった。 もうアレだ。言い訳がましくて申し訳ないが、ここ数週間は「この項目に××個当てはまったら要注意! 貴方のストレス度チェック」という記事を作りながら、作っている当人が15個中11個当てはまっている有様だったのだ。 しかも当てはまっていない項目と言えば、 1)酒・タバコの量が増えた(←当方非喫煙者) 2)やるべき事が手に付かない(←やるべき事をやらないと永久に終わらない) 3)仕事に集中できない(←集中せざるを得ない) 4)職場で評価されていないと感じる(←当方が解雇もされずにのさばっている時点で大いに高評価) といった不可抗力によるものが大半であり、むしろ2と3は平常時の当方なら真っ先にチェックを入れてしかるべき項目である(←そんな状態を平常とは呼びません)。 さらにアレだ。言い訳がましくて申し訳ないが、先々週の『相棒』を素で見逃した。 放映3時間くらい前までは確実に覚えていた筈なのに、なんか呑気にPS2を起動してベベルの地下迷宮を80Fぐらいまで探索してふと我に返ったら10時半。 これに気付いた瞬間は自分でもその事実が信じられず、もう無念だとか遺憾だとかいう感情を超越して、ただただ茫然とするばかりであった。己への罰として4月上旬のサガオンリーコミケにフルブライト閣下の扮装で出かけねばなるまいかと本気で考えたほどである。あの上着の市松模様を一格子縫ってるだけで当日になりそうだったので諦めたが。 そしてさらにアレだ。言い訳がましくて申し訳ないが、去る先週の18日「チキショウ今日は某ほのぼのRPGの発売日だが絶対買ってやるものか、俺は未だ前作に味わわされたポリゴン酔いと読み込みストレスの恨みを忘れてはおらぬぞ」と勢い込んでいたにも関わらずそれをスッカリ忘れてゲーム屋にふらふらと立ち寄り、 気が付いたら『ピューと吹く! ジャガー 〜明日のジャンプ〜』を定価購入していた。 しかもゲーム屋店員による『ボボボーボ・ボーボボ』の漫画単行本を持っていった際に本屋のレジ係が当方へ毎回投げかけるそれと同じ哀れみの視線に耐えながら、『本日発売』と店頭に書いてあるにも関わらず「この『初回特典がっかりDVD』というのはちゃんと付いて来るんだろうな」といらんことを心配し、購入後にそれを見て心底がっかりして途中で視聴を打ち切った。 さらにゲーム本編も原作ファンにはネタが全割れで素直に笑えず、原作を知らない人には何がなんだかサッパリ解らないという微妙な内容が目白押しであり、そんな内容にも関わらず土日ぶっ通しでクリアした挙げ句、6800円も費して何やってんだと本気で落ち込んだが不思議と後悔はなかった。 まあそんなわけで、ここ数週間の当方はこれほどまでにヤバイ状況にあったため、こんな状態で中途半端な日記を書いて読者諸兄に不快な思いをさせるに忍びなく、やむを得ず、仕方なく更新を自粛していたと言うわけなんだ。本当だよ。君にだけは信じて欲しいんだ。 嘘です。すみません。単に面倒でサボってただけです。 (↑正直にそう書けば一行で済んだ話じゃないですか) ところでどうやら我が親愛なる友人I(※同業者)も、ちょっと前まで当方と同じく、この世の果てを彷徨っていたようだ。 年度末進行突破おめでとう、我が友よ。お祝いに「炎多留2」と「ジャガー」貸してやるからポポロ2貸してくれ。……いや、やっぱり良い。
※1)ブラックエレメンタルのベクレム……FFX-2の魔物育成システムでは育てる魔物に好きな名前を付けることができるため、当方は本物のベクレムを育てられない腹いせとして、他の魔物をベクレムと名付けて悦に入りながら育てている(陰湿)。育ててはみたが滅法使い物にならないあたり本物と実に良く似ている。
※2)ピューと吹く! ジャガー 〜明日のジャンプ〜……週刊少年ジャンプで連載中の 作者がたまに原稿を落とすことで 有名なギャグ漫画を原作として、 阿漕なキャラゲー商法で今日もあぶく銭をかすめ取る悪徳会社 コナミから発売されたゲーム。 ※3)ボボボーボ・ボーボボ……同じく前述の少年誌で連載中の非常に意味不明なギャグ漫画。当方は後悔するとわかっているのに単行本を買って後悔し、しかしまた次の巻を買って後悔するという不毛な連鎖を続けていた(過去形)。先日最新刊を購入してまた後悔したばかりである。 |
2004年2月25日(水) |
Final Fantasy X-2・インターナショナル&ラストミッションを先週水曜に購入。 クリーチャークリエイトのコンプ率が50%を超えた現時点で、ようやくベクレムが仲間にならないことを悟ったため、そろそろまともに日記の更新をしようと思う(←色々な意味でヤバいですよ貴方)。 悪かったなチキショウ同じくXのチョイキャラポリゴン使い回しなヤイバルが仲間になったんで「無理だろうな、でももしかして」などと『なかよし』に出てくる元気が取り柄のドジっ娘みたいな淡い期待を年甲斐もなく抱いちまったんだよあまつさえチャップも参戦して二人で協力攻撃なんて出してくれちゃった日にはもうソフト代が十倍に跳ね上がっても余裕で買う覚悟だったよ笑ってくれよこんなバカな俺をようおうおぅぉぅ とまあそんな当方の空回りはさておき、先日のレベルXにおいて夏面森でボッコボコにやられるという失態を犯した「影の伝説」、あまりにも悔しかったので翌日押し入れの奥から実機を引っぱりだしてやってみたところ、冬面森まで余裕で進めた。どうも周囲に人がいるため、緊張し過ぎていたのが原因だったようだ。 当方には間違っても衆人監視の場で重要なことをやらせてはいかんな、と自分で痛感。先日ワールドカップ予選に出ていたオマーンの選手のごとく、ウッカリ味方のゴールへ見事な自殺点を決めるくらいならまだ許せるが(許せません)、スペースシャトルにでも乗った日には発射スイッチと間違えて自爆ボタンを押すこと請け合いである。自爆ボタンが無ければその隣の緊急脱出レバーを引く。間違い無く引く(←両方無いと思います)。 ついでに「忍者ハットリ君」をやってみたら、こちらは11面あたりで連続池ポチャの不覚を取って力尽きた。白猫斎の出るとこなんてもう忘れてたよスッカリ。 とまあそれもさておき、当方は社員4名で危うく経営中の小さな会社に務める会社員である。 いつもいつもゲームと覆面のことばかり書いていて仕事の話をろくにしないため、実は脳内会社へ通うパーフェクトインサイダーではないかとお疑いの方もおられるだろうが、一応 この設定は 事実なので信用されたい(←わざわざ強調するから怪しまれるんですよ)。 さて、数年前の不況ドン底時には存続すら危ぶまれた当社だが、当方という経営上の癌を抱えつつも健気に奮闘を続け、最近ようやく社員を増やすゆとりが出てきた。 そこで、先月よりハローワークへ若いヤングな(重複)人材を募ったところ、日本画と洋物ミステリーをたしなむ即戦力の才媛が、新入社員として春から当社へ仲間入りすることになったのである。 新入社員嬢の御歳、二十八歳。 同時に当方、入社八年目にして社員最年少(一番下っ端)の更新が確定。 この調子で行けば十年目にして社員最年少も夢では無いであろう。心優しい上司らは「いつまでも若くて良いじゃない」と訳の分からないことを言って励ましてくれたが、若いのは相対年齢のみであって絶対年齢は無情にも増える一方であるため一層の無情感を抱くのみに終わった。非常に遺憾である。 ……いや、年下が入ってきたところを首根っこ捕まえて「おい、お前パン買って来いや」とかそういうことがやりたいわけじゃなかったんです。なんとなくいいからです。当方はタメ口で腹割った会話とかそういうものは大好きです。 とまあそれもさておき、本日の相棒はあまりにも萌えどころとツッコミどころが満載であり、興奮のあまりまともな文が打てなくなってきたため、今日の日記はこれまでとする(←まともな文が打ててないのはいつものことだと思います)。 すいません、まちがいました、もういいです。
※1)なかよし……講談社から発行されている古参少女漫画雑誌。元気が取り柄のドジっ娘が出てくる漫画が今でも連載されているかどうかは当方に知る由もない。
※2)脳内会社へ通うパーフェクトインサイダー……ネット上で会社員だと偽っている引きこもりの意(造語)。 ※3)すいません、まちがいました、もういいです……意味の分からない貴方は「パンツは布です」で検索してみるのが吉である。世の中にはどうしてこうも愉快極まりない文章を書くことができる者が存在するのであろうか。 |
2004年2月7日(土) |
皆様の予想通り仮面マスクとゴドー検事にメロメロ(死語)でサイトの更新もままならなかった春原である(いい加減にしなさいよ)。 おまけに今月半ばにはFF-X2インターナショナル&ラストミッションが発売だ。噂によるとサブキャラクターを戦闘に参加させられる新システムが搭載されているらしいので非常に心配である。もし戦闘時に使えるキャラの中にベクレムが混じっていたら、当方は軽く三ヵ月は更新をサボり続けること請け合いだからだ(←あんなチョイキャラ絶対仲間になり得ないので安心してください)。 閑話休題、今週水曜は親愛なるリアル友人K(A型)と共に、恵比寿の東京写真美術館で開催されているレトロゲーム展示会「レベルX」へ遊びに行っていた。 未だに首がつながっているのが不思議なほど出鱈目な仕事っぷりで知られるダメ社会人の当方は「スミマセン、友人とレトロゲームの展覧会に行きたい為休ませてください」と社長に堂々と談判してまるまる一日休みを取っていたのだが(←そのうち本当にクビになりますよ)、片やKは多忙かつ勤勉な地方勤務の社会人、その日も仕事で上京してきたついでに「レベルX」を観に行こうかと思ったついでに年中ヒマな当方へ声をかけてくれたという寸法だったため、待ち合わせは午後からということになっていた。 人が少ない平日の休みは有効に使う主義の当方、一時には来られるというKを「ちょっとヤボ用が」と舌先三寸で丸め込んで待ち合わせ時刻を三十分延長、その足でS宿映画館・朝一番の『ラスト・サムライ』を観に行く(二回目)。実のところ明日もリアル母と同じ映画を観に行く予定であり、それはこの時既に決定していたのだが気にしない(しろよ)。 序盤のチョイ役の兵隊のおっさんのアップが凛々し過ぎて涙ぐみ、捕虜にしたトムを村へ連れ帰るシーンの渡辺謙の乗馬姿があまりにも格好良過ぎて泣く。後半〜終盤の展開には言うまでもなく、スタッフロールの最中にまで内容を思い出しては泣く。連れが誰も居ないので、どうせなら泣くだけ泣いておかないと勿体ないと思い(貧乏性)、周囲をはばからず滂沱の涙を絞り落とす。 そして映画終了後、待ち合わせ時刻15分前に何食わぬ顔で恵比寿へ到着。どうもKはまだ来ていない様子であった。 ふらふらと駅ビルを散歩したのち、定刻ピッタリに待ち合わせ場所へ向かってみると、早速そこにいたKに「15分くらい前に着いてたんだけど」と怒られる。どうやら当方と同じく早めに到着したので、一足先に美術館へ向かい下見をしていたようだ。 早くもここで、会場とは正反対の方角で食い物を眺めていた当方との性格の違いが大きく露呈(両者とも落ち着きがないのは共通している)。とりあえず渡辺謙見たさに時刻を三十分ズラした前科持ちなので素直に反省しておくことにする。 で、早速目的地へと向かう両者。件の建物は恵比寿ガーデンプレイスと呼ばれる場所にあるらしいが、当方は名前を知っている程度で実際に訪れたことはない。お台場のビーナスフォートも六本木ヒルズも東京ビックサイトと同じようなものだと思っている人間であるから当然である。
K「(それらしきレンガ造りの建物を指して)ここが恵比寿ガーデンプレイスだよ」 当方「へえ、意外に小さいな」 K「いや、この敷地全部がガーデンプレイスなんだけど」 当方「意外に大きかった(動揺)」 お前は本当に東京都民か。 ハリウッドコメディの三文役者でもよう演らんような漫才(ただしボケ側は本気)を軽く繰り広げていると、ほどなく会場である東京写真美術館が見えてきた。真新しい小綺麗な建物にくっきりと垂れ下がった幕には「レトロゲーム展示会 レベルX B1にて開催」の文字。 期待のあまり「B1という数字に地方の同人誌即売会等に見られる露骨な隔離の意志を感じるな」とわけのわからないことを口にする当方に、相手方は早くも辟易している様子だがいつものことなので良しとする。 さて、会場内はそれほど広くない。 まず入口付近に手前の試遊台を映し出す巨大なスクリーンが鎮座し、その背後に有名ゲームクリエイター各氏のインタビュー映像を流したビデオコーナーと、および十数台に及ぶ丸く並んだ様々なファミコンソフトの試遊台が置かれている。この三つを取り囲むように年代を追ってケース展示されているのは、かつて発売されたファミコンゲームソフト全種。 他にも様々な展示品が置かれていたが、詳しいことはあちこちで語り尽くされているだろうから省こう。なにぶん明日(日曜)で終わりでもあるし。 水曜昼にも拘らず、会場内は当方と同年代とおぼしき男女の姿でごったがえしている。女性の姿も案外多く、オタク向けの催しといった印象はそれほど強くない。特にソフトの陳列棚付近では、みな少年時代にプレイしたゲームの思い出を楽しげに語っており、当方は幾度となく変態扱い覚悟で会話に割り込みたい衝動に駆られた。 まずひととおり会場内のソフトを一緒に見て回ったところで、協調性のないこの二名、早速別行動。 骨の随まで理屈大好き学究肌のKはクリエイターのインタビューを嬉々として眺め続け、アホな当方はもちろん試遊台へ。自分でプレイしても五秒で撃沈するのは目に見えているため(実際そうなった)、他人が遊んでいるのを背後から眺めて悦に入る。やはりここでも入場者のマナーは良い。 試しに怖々「半熟英雄」と「影の伝説」のコントローラも手に取ってみて大満足した次第だ。現役時代は楽に一周できた「影の伝説」の夏面森で三機続けて即死したのは凄いショックであったが。 結局三時間ほど逗留し、時間潰しに入った近くのエビスビール記念館で「何故エビスビール記念館の隣にサッポロビール本社があるのだろうか」という、社会人とは到底思われない問題発言に呆れられたり自分でも自分が嫌になったりしつつ、夕食(というか酒盛り)を共にして別れることになった。
K「折角だから食事は(高度が)高いところにしないか」 当方「済まないが(値段の)高いところは入口で止められる危険があるため賛成しない」 最後まで気の合わないこの両者。というかホントごめんなさい俺貧乏人なんです。 結局食事場所は夜景きらめく38階のダイニングバー(高い)に決定。 そんな場所の窓際に座っていながら「『やらないか』と『ウホッ、いい男』の語源」「近年進んでいる少女コミックのポルノ化」「睡眠障害および過食症の具体的な症例」といったムードとは半万光年かけ離れた会話を繰り広げ、あまつさえウェイトレスの女の子にさんざっぱらセクハラ発言を繰り返していたこの二名(←そんなことだからいつまでたっても独り身なんですよ)。 正直これが土日の夜であったら、怒り狂った周囲のカップル諸兄に叩き出されていたこと請け合いであろう。隣に座っていたのが若い恋人同志でなく、女性の二人連れや分別のありそうな年輩の男女であってよかったと今になって思う当方である。 余談として、この水曜日以前に電話で交わされた当方とKとの会話を紹介しよう。
K「予定の日だが、火曜も木曜も仕事の都合で厳しい。水曜日なら時間が取れると思うが」 当方「その日は相棒の放映日なので、夕食時までは付き合えないが良いか」 K「録画失敗したことそんなに根に持ってるのかよ! っていうかビデオ予約ぐらいまともにやれよ!」 当方「駄目だ、当方は相棒録画運に見放されている。どれほど細心の注意を払おうとも、間違いなく人智を超えた力が働いて録画は失敗に終わるであろう」 K「それなら俺も念のためビデオに撮っておいてやるから!」 当方「……わかった。それなら仕方がない(貴様まで録画失敗したら本当にフルブライト閣下のコスプレで町内一周の刑だからな)」 こんな人間と友人付き合いを続けているKの忍耐力にいい加減畏怖を抱きはじめてきた当方である。 ああ、ちなみにKよ。今回の相棒はあんまり話が面白くない方に入るため、録画したビデオを観てガッカリしないようにお願いしたい(←少しは反省しなさいよ)。
※1)仮面マスクとゴドー検事……GBA法廷バトルゲーム最新作「逆転裁判3」の登場人物。
※2)連れが誰も居ない……当方は映画でもテレビでも一緒に観ている人が居ると涙をガマンしてしまう性格である。その反動で、一人の時はアホかと思われる程よく感動して泣く。 ※3)影の伝説……タイトー発売の有名なACTゲームで、主人公の忍者が何度も攫われる姫を救出するのが目的。森→お掘→城内→ボス戦の4ステージで一面を構成しており、面をクリアするごとに夏→秋→冬と季節が変わる(以降ループ)。 ※4)エビスビール記念館の隣にサッポロビール本社がある……エビスビールの販売元はサッポロなのだから当然である。当方はこの瞬間「既にサッポロビールを作っている会社がよもや別のビールを販売したりしないであろう」と思い、エビスビールが何処で作られているかを完全に忘却していた。 ※5)『やらないか』と『ウホッ、いい男』の語源……平成生まれのバラのつぼみちゃんは知らなくてよろしい。既に成人した貴方は、周囲に誰も居ないのを確認してからネット検索するように。 ※6)相棒の放映日……水谷豊が主演を務める刑事ドラマの放映日(関東圏では水曜午後九時)。当方は一昨年・昨年の年末にこのドラマの録画失敗を二度もやらかしており、水曜夜に外出を強要した者にこの世で最も恥ずかしい格好をした男の服装で町内一周をさせることを固く心に誓っている。 |
2004年1月14日(水) |
暖を取るために酒を飲みながらゲームをやっている春原である(最低)。 1月5日を過ぎてからようやく届きはじめるリアル友人からの年賀状を目にしつつ「類は友を呼ぶ」という言葉の意味を深く噛み締める今日この頃、皆様如何お過ごしでありましょうか。 遅くなりましたがあけましておめでとうございます。 (↑寒中見舞いも申し上げられない時期に何をぬけぬけと) 相変わらず今年も、ゲームと有明冬の祭典を除けば森山直太朗のもったいぶった歌い方と中居正広の破滅的なAメロぐらいしか記憶に残っていない、実にひきこもりライクな年末年始を過ごした当方であるが、親愛なる友人Iの日記を読んでみるとほとんど同じような休みの過ごし方であったためほっと一安心(←そういうことは人として言わない方が良いんじゃないでしょうか)。 年明け早々書くこともろくに無いため、この年末年始に当方がプレイしていたPSゲームソフト3本のうち、特に印象的だった超マイナーゲーム「砂のエンブレイス」について解説などしてみたいと思う。 当方はクリアするまで「エンブレイス」がどういう意味だか解らず、レアアイテムの名前かラストダンジョンの名前だと思っていたら全然そんなことはなく、英語で「抱擁」という意味であった(無学)。単なるイメージタイトルだったようだ。 そんなポエミィなゲーム名と、可愛い女の子の周りに悪魔だのメガネだの騎士だのといった萌えツボ属性を非常にわきまえている美形の男ども数名が描かれた、乙女の皆さんに強烈アッピールといった趣のパッケージデザインに騙されがちだが、実のところこれは大変硬派な苦行系穴掘りRPGである。 まず冒険の目的からして硬派だ。主人公の少女(14歳)は、老衰で死んでしまった祖母を生き返らせるために「なんでも願いの叶う石」を探して旅立つことを決意するのである。 老衰で死んだ人をワザワザ生き返らせても二度死ぬ苦しみを味わわせるだけなのではないか、などと考える軟派者にこのゲームをプレイする資格は無い。 次に取り巻く環境が硬派だ。自宅周辺は水を持たずに出歩けば瞬く間に体力を消耗して渇き死ぬ不毛かつ無人の荒野であり、迂闊にダッシュ移動をしようものなら、ひとりぽっちの主人公に序盤から4匹がかりで毒攻撃を仕掛けてくるおどろおどろしいデザインのザコ敵が、これでもかといわんばかりに襲いかかってくる。 思わず人恋しさに涙してしまうが、相手をしてくれるのは風の精を名乗る亡霊のような発光体(しかもヒントを喋るとすぐ消える)と、人間語を喋るのがまだ救いと思われる、明らかにヒト科と異なる進化形態を辿った知的生命体のみ。 歩いてればエンカウントしないし確実に逃げられるし一応人間型した恋愛イベント対象者が6人いるじゃん、などと考える軟派者にこのゲームをプレイする(略) さらに生計手段が硬派だ。不幸中の幸いにも、この不毛の地は穴を掘れば無限に毒消しだの飲み水だのが湧き出てくる便利な地層を持っており、最寄りの村へ向かう途中で手持ちの水が尽きた際にも、Yボタンでザックザックとその辺を掘り起こせばなんとかなってしまう。 勿論通貨などという低俗かつ軟派なものは存在しない。商人との取引は全て物々交換、それも交換対象は生命そのものに等しい飲み水である。 戦闘で毒を受けるも手持ちに薬がなく、死ぬ思いで地面を掘りまくって出てきた毒消しをひと息に飲み下す瞬間や、砂漠のまっただ中に立っている商人の隣で黙々と穴を掘り続け、出て来た水をありったけアイテム購入に注ぎ込み、取引終了直後に瀕死になる主人公をさらなる穴掘りに追い込む際の硬派感はもうたまらない。 そして硬派の真骨頂ともいえるのが、旅の途中に出会う異性パートナーの存在である。 彼らは揃いも揃って主人公の自宅から遠く離れたダンジョンの奥地や集落等でスタンバイしており、一定の条件を満たして話し掛けると恋愛イベントが発生する。これを何度か繰り返すと、最後は主人公の旅に同行を申し出てくれるようになるのだ。 パートナーの能力値は軒並み主人公より高い。また、強力な合体技を繰り出すこともできるため、苦しい戦闘は一気にラクになり、最後まで共に旅を続ければ恋愛エンディングも見られる。──こう書くといいことずくめに思えるが、じゃあサッサとパーティ組んじゃった方が楽じゃん、などと考える軟派者に(略) そう。このゲームにおけるパートナーとは、文字通り伴侶なのだ。 最大パーティ人数は厳として2名。そして誰かをパートナーにしてしまったら最後、愛想を尽かして見捨てられる以外に、彼をパーティから外す方法が存在しない。 別の異性と改めてパーティを組むことはできるが、一度別れた仲間とはもう会うことすら不可能である。 それだけではない。恐ろしいことに、主人公が発見したレアアイテムを記録する図鑑(いわゆるコンプリートアイテム)には、彼らが初期装備として所持しているアイテムがひとつずつ含まれている。 つまりアイテム図鑑をコンプリートしたければ、対象異性6人全員とパートナー関係を結び、うち最低でも5人に徹底的に嫌われて見捨てられ、彼らの貴重な所持品を持ち逃げしなければならないのだ。これを硬派と呼ばずして何と呼べようか。 付け足すなら、彼らをパートナーにする時期はシナリオ中のいつでも構わず、恋愛イベントの発生時期も全く不問である。 極端な場合、クリアギリギリまで主人公ひとりで頑張れば、出会って2分で「お前がかけがえのない存在であることにようやく気付いた」などという素っ頓狂なセリフと共にパートナー成立、二人の旅はラスボスを倒して即終了・恋愛エンディング突入という荒技も可能だということだ。 そこに辿り着くまでの過程のなんと硬派であることか。 当方は6人全員の恋愛エンドを見るためにいちいち最初からやり直すのが面倒だったため、孤独に耐えながらパラメータ上昇アイテムを売っている商人の隣で10時間粘って主人公の体力と腕力を3倍に上昇させ、用もないのに一歩進むごとに穴を掘って発掘レベルを稼ぎ、主人公ひとりでラスボスを倒せるまでレベルを上げまくったのである。 ちなみにこの際一番最初に見た恋愛エンディングは、ラストダンジョンに最も近い場所に立っていたアンクロワイヤー氏(22歳軍人)。 そして、ゲームプレイ中に最も多く口ずさんだのは日本ブレイク工業の社歌。 もともとこのゲーム、先月中旬に「たまにはバラのつぼみちゃんたちの感性に触れるため、女の子向けのゲームでもプレイしてみるか」と思い立ち、まとめて勇者買いして来た女の子向けっぽいゲーム3本のうちの1本だったのだが、よもやこれほど硬派なゲームだとは思いもよらなかった(←貴方のプレイスタイルが異常なだけではないでしょうか)。 唯一硬派でなかったのは、一部の恋愛イベントと恋愛エンディングのみだろうか。 対象の歳が上に行くほどセリフが恥ずかしくなる傾向にあるため、アンクロ先生およびメガネ神父狙いの方はひきつけを起こさないよう特に注意されたい。 などと書いていたら「今年もよろしくお願い致します」等の殊勝なことを書くスペースが全く無くなってしまったがまあ良しとする(←全く良くありません)。 今年も相変わらずです。勘弁してください。
※1)1月5日……ちなみに今現在における最新年賀状の到着日付は1/12である。
※2)有明冬の祭典……これ以上あの場所の人口が増えるのは真っ平御免であるため、ご存知ないピュアな貴方は知らなくてよろしい。 ※3)森山(略)Aメロ……昨年の紅白歌合戦における「さくら〜独唱〜」および「世界にひとつだけの花」の意。 ※4)アンクロワイヤー……攻略対象者最年長、主人公との年齢差8歳。他のキャラが恋愛イベントで微笑ましいやりとりを見せる中、真性ロリを疑うほど熱の入った口説きを入れたりホラ貝を吹いたりとやりたい放題の人。 ※5)3本のうちの1本……ちなみに残り2本は「かえるの絵本」と「ベアルファレス」(いずれもRPG)である。「ときメモGS」等の直球をあえて狙わない(狙えない)辺りが当方の敗因であろう。 ※6)日本ブレイク工業の社歌……神奈川県にある解体工事請負会社の社歌。社歌にあるまじきハジケっぷりが全国のマニアに受け、先日遂にCD化を果たした。なんかいつの間にか当方も暗記していた。 |