鬱日記
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2003年12月18日(木)

 やってしまった。今年もまたやってしまった。


 今年最後の「相棒」を。
 また半分ビデオに撮り逃す。


 ザ・今年最大の不覚(1年ぶり2度め)。


 それは先週木曜のこと。高校時代からのリアル友人から、突然に忘年会の誘いが入ってきた。
 忘年会の日付けは12/17。水曜。
 当方が現在この世でもっとも楽しみにしている水曜の風物詩、テレビ朝日系列の秀作刑事ドラマ『相棒』の放映日。


 既に少々嫌な予感はしていたのだ。
 昨年末、相棒1stシーズン最終回に会社の忘年会が重なり、途中で録画しておいたビデオテープが切れて後半部分を一年近く見逃すという不幸に見舞われた当方、「今年こそはその過ちを犯すまい」と固く自分に誓い、今シーズンの相棒が放映開始されて以来、水曜夜は完全蟄居を貫いてきた。

 だが、社会人として多忙な生活を送っているため(当方除)なかなか機会の取れない仲間うちの会合。 まさか「ゴメンその日は相棒の放映日だから行けない」と断るわけにも行かず、ここはやはり参加しておきたいという友情の念につい心ほだされてしまった。

 いつもならここで

 それが誤りの元であった。

 とフォントを若干大きくするところであるが、そんなことをしたら最後確実にリアル友人の数が激減するため自重する(←思いっきり書いている気がしますが良いんですか)。


 さて、そんなわけで忘年会行きを決めた当方は、勿論その夜放映する「相棒」をビデオに録画、帰宅してから観ることにした。

 ここで解説しておかねばならないのだが、当家にはGコード予約対応の割合新しいビデオデッキと、時間設定録画のみに対応している旧式のテレビデオの二台が設置されている。
 そして平素の当方は、専ら居間に置かれている新型の方を録画用として用いている。テレビデオは時折再生に使うくらいで、録画用としてはほとんど使用したことがない。

 だが、この日というかここ数日は、フジテレビ系列で「北の国から」のドラマアンコールが連夜放映されている。遥か昔から欠かさず視聴し、保存用にビデオ録画を行っている方々も多いことであろう。ご多分に洩れず当方の両親も同様である。
 このため、既に居間のビデオデッキは録画予約済みの状態になってしまっていたのだ。
 そこでやむなく当方は、扱い慣れないもう一台のテレビデオで録画予約を行うことにした。

 今度こそ本当にこれが誤りの元であった。


 昨年のことがあったため、言うまでもなく当方は万全の注意を払って予約操作に臨んでいた。
 ビデオテープが完全に巻き戻されていることを確認し、日付け・時刻の午前午後を入念に確認したのち、「17日(水)午後9時〜午後10時」と慎重かつ確実に入力し、それらが録画予約リストに並んでいるのを間違いなく確認した。しかるのちおもむろにテレビデオの電源を切り、「確実に予約されていますように」と入念に拝むことも怠らなかった。


 しかし。この日、予約タイマーは録画時間になっても作動しなかった。
 9時半を回った頃、それに気付いた母が慌てて録画ボタンを押したらしいのだが、時既に遅し。前半部分は綺麗に録画しそびれてしまったことになる。


 なぜタイマーが作動しなかったのか──それは、このテレビデオの「悪魔の罠」としか形容しようのない恐ろしい仕様のせいであった。

 現在流通しているたいていのビデオデッキは、録画予約リストを入力終了した時点で予約モードに切り替わり、時間がくればきちんと録画を開始するようになっている。
 だが、なんとこの悪魔の機械は、予約時間を設定した状態で「タイマー録画予約」というボタンを追加入力しておかないと、時間が来ても録画を開始してくれないのである。


 しかも、録画予約作業の根幹に関わるこれだけ重要な事実であれば「この後録画予約ボタンを押さないと録画されねェぞ!!」と極太ゴシック120ポイント超のキンアカ白フチ文字でテレビ画面上に大書してしかるべきはずであるのに(←テレビ画面に収まらないと思います)それに関する画面インターフェース上での説明は皆無である。
 よって、最後にこのテレビデオで録画を行ったのが年単位の昔である当方は、タイマー録画時にそんなボタンを押さねばならないことを完全に忘却していたのだ。

 これぞまさしくAV界のアンリミテッドサガ、否、アンビリーバボーである。


 「てめえ、当方にオプティックブラストが使えていたら、お前など跡形もなく粉砕してくれたわ」とテレビデオに向かって意味のない脅しを吐きつつ、勤労意欲を完全に失って出社する当方(←それはいつものことじゃないですか)。
 会社へ向かう道すがら、こりゃあもう当方は完全に相棒録画運に見放されていると実感、もはや例え身内の葬式があろうと水曜日の夜は決して外出すまいと重ねて固く深くしっかりすっかりバッチリガッチリ心に誓った次第である。


 よって、来年3月までの間に当方に水曜夜の外出を強いた者は、フルブライト閣下のコスプレで町内一周の刑に処すことに決定。(←いい加減大人気ない発言は慎んでください)

 今回はいつにも増してどうしようもない発言を繰り返しているが、この前日の夜に見た夢が「朝起きてビデオテープをデッキから取り出してテープの減りを確認し『よしよし、相棒はちゃんと録画されているな』とほくそ笑んでいる」という可哀想な内容だったことに免じて勘弁して欲しい。

 こういう回に限って話の評価が高いんだ。もうガッカリだ。超ガッカリだ。


※1)蟄居(ちっきょ)……家にこもって外出しないこと。またはそのように命ずる刑罰。
2)極太ゴシック120ポイント超のキンアカ白フチ文字……とても文字幅の太いゴシック体で1文字あたり4cm四方の大きさで色は真っ赤でなおかつ周囲に白い色で縁取りを施した状態の文字。業界用語。
3)アンリミテッドサガ……我らが怪傑ロビンを輩出したRPG、サガシリーズの最新作。初心者お断りな敷居の高さと中古ゲーム屋の在庫の山の高さが見事に合致し、現在の中古平均価格980円。それなりに完成度は高いと思うのだが。
4)オプティックブラスト……アメコミ「X-MEN」の登場人物、サイクロップスの必殺技。目から破壊光線が出る。
5)フルブライト閣下……ロマサガ3に登場する、緑色の羽根帽子と市松模様の襟無しチュニック(黄緑+紫)と袖が蛇腹になった妙に薄いコートと青いタイツと紅色の上履きを身に付けた金持ち。




2003年12月11日(木)

♪ 地獄の底からボンソワ〜ル 勝ち気なお前はボンドガ〜ル
(歌:愛咲ルイ『地獄のジゴロ』)

 というわけで地獄の底から生還してきた春原である。
 一週間以上強烈な病にむしばまれて過ごし、ようやくぼちぼち快方に向かってきたところだ。

 「これはまさか過労ではないか(←働く気もないダメ社員が月曜になに言ってるんですか)」「あるいは出社拒否症候群か(←上司から出社拒否を喰らうことはあってもそれはあり得ません)」「やはりこの前買った『炎多留・魂』で男のフンドシだの半ケツだのばかり見る羽目になったから脳髄が反乱を起こしたのだ(←とうとう買ったのかお前は)」と、寝込みながら原因を考えたりもしたが、どうやら今にして思えばただの風邪だったようである。


 先公も走る12月、年末進行の多忙な時期に風邪など引いたものだから会社を休むに休めず、普段だったら一日寝て過ごせば治るレベルの風邪がたまたまこじれたらしい。
 月・火の夜に発熱、水曜早退、木曜気絶一歩手前、そして金曜ついに欠勤、といった見事なていたらくを演じる羽目になってしまった。


 決して風邪に対して何の対策も講じなかったわけではない。
 当方は今回の風邪にあたって、一刻も早く完治させるための病院通いはもちろんのこと、食欲のない際にはヨーグルトで熱冷ましの薬を飲み込み、飲み過ぎて鼻血が出る程栄養ドリンクを摂取し、毎週水曜日の生き甲斐である『相棒』の視聴も断念して絶対安静を貫き(後でビデオで観たが)、職場ではコートと手袋を着用しながら仕事に励むといった気合いの入れようで臨んでいた。だが、薬が切れると襲ってくる熱と寒気がいっこうに良くならなかったのだ。


 しかし、会社を休んだ途端に風邪の症状が好転した金曜、当方は思いもよらず、これが何故であるかを知ることとなった。
 まさしく症状悪化の原因は、片道一時間の通勤電車にあったのである。


 当方が通勤に用いているのはT都を東西に貫く2本の路線、総武線および中央線である。

 そしてこの2路線には『殺しの区間』と(※当方にのみ)呼ばれる魔の区間が1本ずつ存在している。すなわち、体調不良や泥酔時の人間を沈めるにはうってつけの区間ということだ。

 これは何故かというと、『殺しの2区間』は他の区間に比べて駅の間隔が1.5倍ほど長く、さらにどちらの路線も駅到着の数分前に高確率で徐行をかけるためである。

 具合の悪い人間は「早く着け、早く次の駅に着け」と死に物狂いで祈りながら電車内での時間をやり過ごそうとする。そこに徐行がかかる。苦しむ乗客は「もうすぐ着くのか?」と無意識のうちに期待を抱き、精神的な緊張をわずかにゆるめてしまう。
 だがいつまで経っても次の駅に着く気配がない。もっと早く走れと祈るも電車は徐行、焦りが気分の悪さに一層拍車をかけ、哀れな乗客の生命力をひとこそぎに削り取る。

 これが『殺しの2区間』の罠なのだ。

 しかも中央線の『殺し』はただ長いのみに留まらない。よりにもよって徐行運転開始直後から、電車が強烈な蛇行運転を始めるのである。
 この悪質さはもはや、JRの職員が意図的にゲロを吐かせようと考えているとしか思えない。

 先ほど木曜に気絶寸前と書いたが、これはまさに総武線における『殺しの区間』での出来事であった。健常時ですら、問題の区間でうかつに読書でもしようものなら覿面に酔って倒れそうになる走る凶器に朝晩2回も乗せられていれば、これは具合も悪くなろうといったものである。

 JRもそのへんは良く分かっているのか、総武線の『殺し』直後の駅には、他駅に比べてベンチが多い
 中央線は普段からバッタバッタ人を殺しているだけあってそんな配慮はお構いなしであるが(←人聞きの悪いことを言わないでください)。


 ……まあ、具合の悪い時には乗り物に乗るなと言うことであろうが。
 ちなみに先週引いた風邪の日記を今頃書いているのは、倦怠という当方の持病が為せる業であるため心配には及ばない次第だ(←もう誰も心配してませんよ)


【私信その1→L様】遅ればせながらリンク修正対応しました。4月は当方も一般人として是非是非参加したい所存にございます。
【私信その2→N様】早いもので一周年おめでとうございます。眩しいライムが病み上がりの脳に大変美味しく浸透いたしました。

※1)愛咲ルイ……岡田あーみん著『ルナティック雑疑団』の登場人物で、あまりにも良い作詞センスを持つ学園のアイドル。ちなみに当方のお気に入りソングは『チンピラ キッド』である。
2)炎多留・魂……パソコンの18禁ホモゲー(本物の方向け)を「全年令向け漢の友情アドベンチャー」としてPS2へ移植したもの。優しい漢たちの友情にしばしば心温められるが、元が元なので濃ゆい男の裸が大層頻繁に出てくる。




2003年11月26日(水)

 ホリデーインサイダーの当方にしては珍しく、三連休のうち二日をリアル友人との外出に活用。
 土曜は映画鑑賞、日曜は午前4時半の地獄起きを乗り越え、富士急ハイランドへ行楽に出向いた次第である。


 土曜に観た映画は「マトリックス レボリューションズ」および「ラスト・サムライ」の2本(合計尺280分)。
 何も考えずに映画館の上映スケジュールを調べてみたら上記の2本があったので『今回はこの2本でどうですかネ?』と同行者のN氏に打診のメールを送ったところ、直後に『ラスト・サムライ 12.6』とテレビCMが流れ、当方の妄想狂もいよいよ行き着くところまで来てしまったのかと本気で落ち込む(後で先々行上映であったことが判明)。

 本格上映開始前なので詳しいことは省くが「ラスト・サムライ」。驚いたことにかなりの良作だった。
 「ああこの映画撮った異国人ホントに日本が好きだな」という思いが充分に伝わってくる内容で、とにかく終了直後、色々な人々に頭を下げて謝りたい気分になった。


 まずトム・クルーズ(主演)。
 「仮にも日本映画に出るってのにチョロチョロ無精髭生やしやがって小汚い異国人だぜこん畜生め」とか思っててごめんなさい。格好良かったです。和服も鎧も片言の日本語もすげえ似合い方です。無精髭バンザイです。

 続いて真田広之
 「真田か。どうせ今回もみみっちい小悪党役で決定だな」とか思っててごめんなさい。案外渋くて美味しい役でしたね。劇中では大変な男前でしたが小悪党ヅラに関しては本当のことなので謝りません(←ファンの方に木刀で殴り殺されますよ)。

 そして渡辺謙(準主役)。
 何も申しません。地にひれ伏して唯一神と崇め奉る所存であります。


 と思ったが、ここで上映直前に劇場前で流れていた記者会見に出ていた渡辺謙を見たN氏が「ダウンタウンの松っちゃんに似てるね」と申されたのを思い出し、崇め奉るのは現人神どまりにしておこうと考え直す。
 同時に当方内部でのインテリジェンスオジン御三家が『水谷豊・渡辺謙・松本幸四郎』永久決定

 マトリックスに関しては別の意味であまり申し上げたくないので割愛。
 今期は「日本人だけが大笑いできる場面」の含まれる映画が随分多いような気がする。



 また、日曜日の富士急ハイランド。こちらは友人4名(当方含)で出かけたのだが、往復の移動時間とアトラクションの行列時間の長さを除けば、我々には(※重要)非のうちどころのない素晴らしい遊園地であった。

 何より素晴らしかったのはの存在である。売店前で軽食をとっていた当方らの横に何の前触れもなく出現し、今にも死にそうな様子でベンチに腰掛けていた彼の姿は今もなお目に焼き付いて離れそうにない。


 時間にしてわずか10分程度のコンタクトであったが、我々4名の当日の話題は彼についてのあらぬ妄想で占められ、最終的には「殴りたい男No1」だの「父親は又吉イエス」だの「好物はシケモク」だの「もう何もかもあいつが悪いことにしよう」だのと散々な言われ方をしていた。

 なお、友人ら曰く「春原(仮名)、あの人スッゴイ好みでしょ」。
 どうして分かったのか。貴様らさては超能力者の集まりだな。
 (↑友人たちだって別に分かりたくもなかったと思います)


ハイランダーのマスク  ちなみにこの彼が付けているマスクだが、眉や目は外から全く見えないのに、鼻梁のラインだけがすっきりとシルエットになっているというなんとも絶妙なスモークの掛け方をしていて(右図参照)、個人的に大変ツボである。
 園内随所に見られるネタ看板といい、彼といい、マニア心を存分に知り尽くした通の遊園地を存分に味わうことができた一日であった。
 ていうかハイランダー萌え。超萌え。奴隷にさせてください。


※1)マトリックス レボリューションズ……説明するまでもなく『マトリックス』シリーズの完結作。何も考えずに観る分には面白い映画。オタクには向かない気がする。
2)ラスト・サムライ……トム・クルーズ主演の「ハリウッドが作った日本映画」。歴史にあまり詳しくない日本人なら、全編通じてほとんど違和感なく楽しめる、美しい『侍』の映画。
※3)又吉イエス……詳しくは→こちら。先日の衆議院議院選挙・東京1区に立候補し、698票という大量票を獲得するも落選。日本は金さえ払えば誰でも立候補できる良い国である。




2003年11月18日(火)

 何気なく某経済流通新聞に目を通していると、ホビー欄で聞き捨てならない事実を発見。


「ファイズの場合、変身ベルトに携帯電話を合体させることで(仮面)ライダーに変身するアイデアはバンダイが出した」


 今期の仮面ライダーは携帯電話で変身するんですか!?(今更……)


 携帯普及率95%の日本国内において未だに携帯を所持していない5%マイノリティであるところの当方が、この記事を目にして真っ先に思い浮かべたものは


N丁丁D×COMO御利用料金明細(11月分)
乾 巧 様

ダイヤル通話料金
基本使用料(おはなしプラスL)……………………………………… 5,900円
パケット通信料
基本使用料(パケットパック40)……………………………………
iモード情報料……………………………………………………………
ネットワークサービス……………………………………………………
4,000円
630円
350円
ライダー料
基本使用料(ごくせんプラン55)………………………………………
変身料………………………………………………………………………
必殺技使用料………………………………………………………………
890円
1,788円
460円

小計……………………………………………………………………… 14,018円


 というN丁丁の料金明細であった。


 そもそも電話会社が普通に売ってる携帯で変身できるのだろうか、という疑問が書いてから沸き上がってきたが、もう書いてしまったので気にしないことにする。

 なお、当然明細の内容はN丁丁と東映のファイズ公式サイトを適当に回ってでっち上げたデタラメであるため信じてはいけない。
 D×COMOを御利用の方は、本物の明細と見比べて違いに失笑するのも一興かと。


※1)未だに携帯を所持していない……当方は電話が嫌いであり、嫌いなもののために500円以上金を払うのは真っ平御免である。
※2)ファイズ……正式名称「仮面ライダー555(ファイズ)」。日曜の朝に放映されている特撮番組。「ポポロクロイス」の放映時間帯(午前9時)ですら命懸けの起床となる当方に詳細な内容を知る術はない。
※3)乾 巧……(たぶん)仮面ライダー555の主人公の名前。茶髪のロン毛だった。(←適当にもほどがありますよ)




2003年11月17日(月)

 リアル母が「自民党も民主党も一旦解散して、右翼と左翼の党に分かれちゃえば良いのに」と、朝のワイドショーを観ながら愉快なことを言っている。

 確かに、派閥ごとにまるっきり意見が食い違っている与党も、そもそもの合併元が左派政党と右派政党で両極端の野党も、党内で政治思想が食い違ってしまっている感は否めない。
 政策も分野ごとに方針がバラバラで一貫していないので、「これは与野党どっちが唱えてる政策だっけか」だとか、「この分野では与党を推したいが、こっちでは野党のほうが良いこと言ってるんだよな」と迷ってしまうこともしばしばだ。
 なるほど。どうせ二大政党制を復活するなら、せめて左右の旗色くらいはハッキリしておいた方が分かりやすくて良いかも知れない。


 そう思っていたら、今度は「学校で思いっきり右寄りの授業だとか左寄りの授業だとかをやっちゃえば、もっと政治に関心を持つ人が出てたかも知れないのにね」などと、さらに凄いことを言い出しはじめた。
 要するに社会の授業を「歴史」「地理」「公民」ではなく、「社会科(左)」「社会科(右)」に分けちまえ、ということらしい。


 今の日本の学校では(一応)政治思想に関することは吹き込んじゃならんことになっているので、「太平洋戦争はアジアの解放戦争だった! だから日本は悪くないんだぞ!」だとか「南京大虐殺で私たちがヒドイ目に合わせた中国の方々に、皆でお詫びの贈り物をしましょう」といったようなことを先公が発言すると、大問題になってしまう。

 しかし「右翼→ヤクザ・戦争大好き・街宣車」「左翼→市民団体・土下座外交・弱者礼讃」といった間違った両翼のイメージが国民に定着してしまっている昨今、あえて教育の場で両翼の正しい思想、およびその長所と短所を教えるというのは、意外に面白い試みのような気がしないでもない。
 少なくとも、知名度だけで議員に票を投じるようなアホな有権者の数は確実に減るだろうし(←自分もその一人だということをわきまえて発言してください)。


 せっかくなのでもう少し具体的なことを考えてみよう。

 まず、(左)では社会・共産主義の仕組みと歴史、他国における社会主義国家の事例とその考察、国際貢献のありかた、異文化交流などについて学ぶ。
 そして(右)では資本主義の仕組みと歴史、日本国有文化の理解、経済/防衛面の自立に向けた可能性の模索などについて学ぶ。

 実施するなら、やはり中学〜高校1年くらいまでは(左)(右)の両方を生徒が学習できるようにし、高校2年以降はどちらかを選択して学べるようになると望ましい。
 進路が分岐してからは、一ヶ月に一度くらいの頻度でディベート(討論)を行い、それぞれの学科の生徒が知識を総動員して議論を戦わせる。
 相手を言い負かすことではなく、現実・建設的な意見のやりとりをすることが目的であるため、感情論や理想論は極力排除。もちろん、基本的に両科に関する根拠のない中傷は禁止。


 そして、公平を期するため、両科の教師は年令・性別・容姿などの近しい者同士を配属するのが理想的だ。
 思想的にあまりにも極端な偏りがあるのは望ましくないが、両科目の活性化を考慮して、両者の仲は悪ければ悪い程望ましい。


教師A「右山(仮名)! 今日の討論のザマはなんだ、お遊戯ごっことでも勘違いしてたんじゃないだろうな?」

教師B「フン……左川(仮名)、お前は俺の生徒の発言に何の意味も見出せなかったのか? 左翼の奴らがいかに言葉の上っ面しか見ていないかが良く分かると言うものだ」

教師A「なんだと……この野蛮人どもめ! 貴様らの暴力的な価値観に裏も表もあるものか!」

教師B「敗北主義のお前たちに言われたくはないな、奴隷の平和というのを知っているか?」

教師A「くっ、貴様!!」


 すみません、真面目な話をしていたはずなのに途中からめっちゃ萌えてきました。(←本当に最低ですね貴方)


 まあ「教師調達の時点で実現は100%不可能」なのは火を見るよりも明らかなのであるが。
 なお「右が『山』で左が『川』と人名に意図的な高低差を設けているのは明らかな左翼差別であり侮辱であり謝罪と賠償を要求(略)」というお言葉は慎んで頂戴するが反省はしないのでご了承されたい。

 国と国民のためになるんなら、右でも左でも構わないんですよ、本当は。
 たまたま、ためにならない右と左が多過ぎるだけで。


※1)右翼……保守・国粋主義者の意。国内文化第一、外人も異国文化もいらねえよ! 出てけ! と考えている方々……までいくと極右になってしまうが、まあ要するに多少不自由しても自国は自国でやっていきたい人たちのこと。思想が無骨なので軍国主義と混同されやすい。
※2)左翼……革新・国際主義者の意。世界中が貧富も差別もない同じひとつの国になったら良いなあ、と考えている方々……までいくと極左になってしまうが、まあ要するに多少不自由しても他国と仲良くやっていきたい人たちのこと。思想が似ているので社会主義や共産主義と仲が良い。





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