鬱日記
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2003年11月7日(金)

 本日午後2時半。遅い昼食をとるために入った店での出来事である。

 その日頼んだランチセットの代金は677円であった。
 手持ちの小銭をみると、100円玉が2枚、50円玉が4枚、その他が数枚ずつ。

 主婦の方ならだれしも御経験のことと思われるが、財布の中身がこのような状況だった際、当方はわざと余分に100円玉を足して支払うことにしている。
 説明するまでもないが、677円の会計に1,177円を払えば、お釣りは500円。首尾良く500円玉が返ってくれば、1,077円を払って100円玉4枚を受け取るのに比較して、大幅に小銭スペースを節約できる寸法である。


 そこで今回も、いつものように1,177円を支払ったところ、レジのお姉ちゃん(推定10代後半)が思いも寄らぬことを口走った。

 「1,077円頂戴致します」

 ただの言い間違えだろうと思ってレシートとお釣りをみると、トレイに載っているのはまごうかたなき100円玉、4枚。
 どうやら『どうせだから50円玉を減らしてしまおう』と姑息なことを企み、100円玉の代わりに50円玉2枚を用いてしまったのが仇となったようである。「あっ」と思わず叫ぶも時すでに遅し、100円多く支払った動かぬ証拠の50円玉3枚は、今まさにお姉ちゃんが手にした1000円札から滑り落ち、無情にもレジの小銭入れの中に投げ込まれたところであった。


 やむなく当方「あ、あの、支払ったのは1,177円だったのですが」と、手遅れの恥を覚悟で進言を試みる。
 「えっ?」その途端に、レジのお姉ちゃんは隣にいた別の店員と顔を見合わせ、怪訝な表情を浮かべた。

 これは痛い。まごうことなくクレイマーを見る目である。釣り銭に難癖を付けて店員をいびる嫌な客だと思われている。
 だが、言ってしまったものは仕方がない。軽い後悔に苛まれつつ500円玉の降臨を待っていると、レジのお姉ちゃんは「申し訳ありませんでした、こちらお釣りになります」と、改めてレシートと小銭の載ったトレイを差し出してくれた。

 そこには100円玉が3枚載せられていた。


 えっ、もしかして当方釣り銭サギだと思われてる? これは「変な言い掛かり付けやがってウゼエんだよ帰れよバカ」という遠回しな意思表示? っていうか、釣りが100円足りないことを申告してもう100円減らされるってどうよ?


 「………………」もはや呆然のあまり言葉もない当方。危うく「スミマセンでした」と300円を受け取ってそのまま帰りそうになるが、レジのお姉ちゃんの顔を見ると、どうやら悪意を持っての行動ではないらしい。レジの打ち直しをしていなかったので、単に暗算を間違えたのであろう。

 そこで、最後の精神力を振り絞って必死のアイコンタクトを送る。お姉ちゃん、よく考えてくれ。1,177から677を引いたら残りはいくらだ。300じゃないだろう。なあ。

 「………………」「………………」そのようにして5秒間ほど見つめ合った後のことであった。
 「……あ!」お姉ちゃん、ようやく計算ミスに気付いてくれたようである。

 よかったよかった。多少の回り道はあったが、これでようやく500円玉を手に入れることができそうだ。思わぬところでとんだ緊張を強いられてしまったことであるなあ。
 そう考えてスッカリ安堵していた当方の前に、三たび差し出されるお釣りのトレイ。

 100円玉が5枚載ってました。


 敗北感を噛み締めつつ帰社。
 「時を誤ったツッコミは墓穴でしかない」という良い教訓を得た一日であった。


 【私信→友人I】
 当方はポリスさんとマオたんが相手なら銃殺上等ですが何か?(変態)


※1)クレイマー……「クレーム(苦情)を言う人」の意。一般的には理不尽かつ身勝手な苦情を付けてくる、口うるさい客を指す。建築法を完全に無視した形状の高層ビルをよじ登る人のことではない。




2003年11月6日(木)

 日本人とは不思議なもので、3日以上の連続した休みがあると、それを使ってどこかへ出かけなければならない、という強迫観念が発生するように出来ているらしい。
 実は当方、(今年も)お盆休みが仕事で潰れた為、先月末に1週間ほどまとまった休みを取っていた。
 それを上司に願い出たところの第一声は、もちろん『どこか行くの?』である。

 当社の社員は皆非常に良い人なのだが、揃いも揃って旅行大好きアウトドア派なのが玉に瑕で(←それはむしろ美徳ですよ)、中でもMさん(前々回参照)は学生時代から欧州一周・ホームステイ等をやりこなしてきた旅の強者である。土日の休み明けには精神科のカウンセラーよろしく「どこか出掛けた?」と尋ねてくるのが慣例になっていて、当方は毎度のように返答に窮している。


 実のところ当方は、毎日書物や漫画やゲームや頭の中で旅を楽しんでいる為、平素の旅行欲は皆無に等しい。仕事で追い詰められてギリギリの際などに『どこか遠い所へ逃げたい』と思うのがせいぜいである(←その発言は社会人としてどうでしょうか)。

 だがまさか「休みはコロナ砲片手にバイオベースへ殴り込んだ後、立ち喰いソバをたぐりながら仔竜の育児に専念する予定なので」などといった言い逃れが利くはずもない。

 「折角だから旅行にでも行って来たら?」「今は三日前くらいからでもネットで簡単に予約できるんだよ」「どうせだから海外行っちゃいなよ、韓国なんてどう?」という旅行のススメを毎日の挨拶のように幾度となく吹き込まれた結果、出無精ではあるが小心者の当方はあっけなく洗脳された。
 昨年の同じ時期に取った一週間の休みを完全にホリデーインサイダー状態で過ごした結果、それが三ヶ月近く語り継がれる伝説となったことが余程身に応えたものと見える。



 そんなわけで行ってきましたとも。箱根に。一人で。(寂)

 普通、旅行と言えば一ヶ月以上前から綿密に予定を立て、観光スポットの下調べも抜かりなく済ませ、資金と欲求に折り合いを付けつつ万全の体調で臨むものと相場が決まっているが、そもそも何処へ行きたいのかすらハッキリしない当方。
 結局ようやく旅行プランを練る気になったのが休日2日目の金曜。いくらIT社会(死語)とはいえ、出発日3日前に参加を受け付けてくれる旅行ツアーなどあるはずもない。

 そこで「1泊2日で簡単に帰って来られる場所」「1人で泊まっても自殺者扱いされない」の2点を条件にネットでホテルを片っ端から検索してみたところ、どうやら箱根が最適のようであった。

 その日のうちに1泊2食付8,000円の格安ホテルを予約し、満足して寝る。「折角だから観光スポットでも調べてみるか」などといった殊勝な心掛けは一切存在しない。


 ところが、後でよくよく調べてみると、予約したホテルは「桃源台」という芦ノ湖畔の辺鄙な場所に建っており、ロマンスカーと登山電車とケーブルカーとロープウェイを乗り継いで大規模な山越えをしなければ辿り着けないことが発覚した。新宿から直通の高速バスが出ているのだが、どうやらどちらのルートを使っても所要時間は2時間半程度であるらしい。
 出発当日、新宿駅でしばし逡巡するが「せめて乗り物ぐらい色々乗っておかないと旅らしさに欠けるだろう」という消極的な理由で、結局前者を選択。
 3時間後にその選択を心から悔やむことになるとは露知らず、箱根フリーパスと特急乗車券を購入する。


 そう、当方はこの日が日曜日であることをスッカリ忘れていた。
 そして、箱根がエブリデイ休日のジジババ共、否、御年配の方々の定番旅行地であり、日帰り旅行先の代名詞であり、現在が紅葉シーズン真っ盛りであることを完璧に忘却していた。


 当方がホテルへの移動手段として使用した箱根のロープウェイは、大涌谷(おおわくだに)という観光スポットを中継点に、芦ノ湖方面と強羅(至箱根湯本)方面の2方向に路線が通っている。このため、箱根湯本から芦ノ湖へ向かうには、大涌谷で一度ロープウェイを乗り換える必要がある。

 だが、よりにもよってこの2路線のうち、大涌谷←→桃源台間のロープウェイだけが、あり得ないほどに混雑していたのだ。

 大涌谷と名付けられてはいるが、そこは標高700m超の有名な温泉谷、四方を山に囲まれた高山地帯である。桃源台への交通手段は車かロープウェイに頼るより他になく、免許を持たない当方は事実上逃げ場無しといえる。


 結局、山のてっぺんで老人会と家族連れとカップルと異国人の団体に囲まれて1時間半の行列。


 日程を誤った己の不明を心底噛み締めつつ、なんとかホテルへ辿り着く当方。もはや心中は「今なら女性支援団体と老人支援団体と児童保護団体と障害者福祉団体と外国人支援団体の全てを敵に回して自爆テロを決行するにもやぶさかではない」と物騒なことを素で考えるほどにすさみきっていた(←危険な発言は慎んでください)。


 だが、予約したホテルが予想以上に快適な場所だったため、単純な当方は一気に機嫌を回復する。
 トイレのドアがショルダータックルを掛けないと閉まらない作りであったり、廊下の足音が丸聞こえであったり、食堂の給仕長らしき男性がパパイヤ鈴木に似ているといった難はあるものの、静かで食事が美味くて風呂が空いていた。パパイヤ鈴木似の給仕長(推定)も、シケた一人旅の当方に分け隔てなく世話を焼いてくれる、大変親切な紳士であった。


 翌日は思いがけず午前6時に目覚めてしまったため、早めに朝食とチェックアウトを済ませ、芦ノ湖周辺を散策。シーズンオフのキャンプ場を突っ切って、3キロ程先にある水門を見物に向かった。


 すがすがしい空気と風景の美しさ、そして人気の無さ。あまりの感動と幸福にちょっと泣きかける。

 これだ! これが旅ってもんだヨ、ママン!
 (↑いい加減自分が旅行向きの人種でないことに気付いてください)


 これにスッカリ気を良くし、旅の目的は既に達成されたと確信した当方、芦ノ湖遊覧船で軽く船旅を満喫したのち、桃源台から出ている正午の高速バスで、早くも新宿へ帰投。
 「次に来る時は芦ノ湖一周ハイキングでもしてみるか」などと考えていたら、新宿駅で強烈な筋肉痛を起こして危うく行き倒れかけた。恐らく、ブーツで砂利道を往復6キロ歩行するという暴挙がたたったのであろう。



 なにはともあれ、色々波乱はあったものの、総合的に振り返ってみるとなかなか貴重な体験であった。
 ぶっちゃけた話、誰もいないキャンプ場の広場で、ウッドチップを踏みしめながら四方の山を見回した際の爽快感は、ここ数年見聞きしたあらゆるメディアの物語を上回るものであった。冗談抜きでそう思う。

 都会で部屋に閉じこもっていては得られないものは、確かに存在する。それを再確認する良い機会になったと思う。


 なお、これだけカッコ付けたことを書いておきながら、宿泊したホテルで暇にあかせて逆転裁判を最初からプレイし直し、ぶっ通しで第3話まで終了させてしまったことは当方の名誉に関わるため秘密である。


※1)「休みはコロナ砲〜」……「休みの間にラグランジュポイントをクリアして、すぐさまサンサーラ・ナーガ2の攻略に取り掛かりたいので何処へも行きません」の意。
※2)ホリデーインサイダー……せっかくの休みに何処へも行かず、引きこもっている人間。
※3)普通、旅行と言えば〜……当方のリアル友人には、毎回凝った手製のしおりを作成し、帰宅後には撮り溜めた大量の写真を編集してファイリングする人物がいる。当方内部ではこれが『普通の旅行』の基準である。
※4)ブーツ……当方が昨年末にサイズが小さいにも関わらず購入し、何度も血を見る羽目になった革のブーツ。幾多の試練を乗り越えて完全に履きこなした今では、ブーツというよりウォーキングシューズに近い無茶な酷使をされている。
※5)逆転裁判……今ではスッカリ有名になった、ゲームボーイアドバンス用法廷アドベンチャーゲーム。収録内容は全4話。




2003年10月21日(火)

 ここのところ、しばしば本屋に入り浸っては大量の本を買い漁っていた結果、数カ月で書棚の中身が1.5倍に膨れ上がってしまった(ついでに月間消費金額も倍に跳ね上がった)。
 流石にこれはイカンと思い立ち、日曜日に要らない本を古本屋で一斉処分。どこへ夜逃げするのかと問いたくなるようなデカイ鞄に大量の本を詰め込んで、息も絶え絶えにカウンターへ担ぎ下ろした次第であるが、戻ってきたのは1,580円(計36冊)であった。

 とりあえず資源の節約と若干の収入を喜びつつ、帰途に就く当方。
 確かに家へ帰ろうとしたはずなのだが、気が付いたらゲーム屋の店内で中古ソフトを物色していた(←しない方がマシな言い訳は慎んでください)。


 以前の日記にもチラリと書いたとおり、当方は生産中止直前にスーパーファミコンが故障したため、新品のスーファミジュニアを購入している。
 そしてその一ヶ月後、「ファミコンもいつ壊れるか解らないから買っとくか」と、やはり新品のAVファミコンも購入していた。
 しかし「これが壊れたら後が無い」という危機意識および貧乏根性から、購入直後に動作確認をして以来、どちらも箱に仕舞い込んだっきり、一度もまともに使用したことが無かったのだ。


 だが、強大な力があれば使いたくなるのが人の常(←用法が違います)。
 そして悪いことに目の前にあるレトロゲーム陳列棚には、伝説の名作ファミコンRPGと名高い『ラグランジュポイント』、および『サンサーラ・ナーガ』……の続編で伝説の迷作スーファミRPGと名高い『サンサーラ・ナーガ2』の姿。

 ラグランジュポイントが980円。サンサーラ・ナーガ2が780円。
 税込270円の足が出ました。(←最近辛抱というものを忘れてきてやしませんか)


 何かを得ようとするなら、それと同等の代価を支払わなければならない。
 それが錬金術における等価交換の原則である。

 という『鋼の錬金術師』のセリフ(超ウロ)が思わず脳裏をよぎったが、どちらかといえば錬金術というより野菜を売りに上京して海苔を買って帰る田舎のオバチャンに近い行為であったことは認めざるを得まい。

 プレイしてみたら『ラグランジュポイント』、少なくとも確かに古本36冊分の価値はあった訳だが。
 現在も根強いファンが存在することが頷ける、作り込まれた世界観。全く気の抜けない戦闘時のケズり合い。中盤からの快適なシナリオ自由度。そして何より音楽が素晴らしい。


 ところで最近一番の驚きは『鋼の錬金術師』がものすごい人気漫画だったことである。
 絵も話も地味(←結局単行本を買った)で小さな本屋には単行本が一冊も置いてないので、てっきりマイナーな漫画だとばかり思っていた。そりゃあアニメ化するわけだ。
 来年の今頃にはあの漫画のヤオイ同人誌が有明に大量に並ぶのだろうか、と考えると、何かこう恐いもの見たさにも似た戦慄を覚えてしまう当方である。


※1)ラグランジュポイント……コナミから発売されたファミコンRPG。ファミコン情報誌上で読者からの投稿を募り、その内容をタイトルロゴからキャラクターに至るまでゲームに反映させたことで有名。
※2)サンサーラ・ナーガ2……竜使いの少年(少女)となって、竜と共に冒険をするRPGの第2作。ゲームをクリアするとファイル1のデータが飛ぶという恐怖の隠しシステムが存在する。当方は高校時代に同級生からソフトを借り、この事態に遭遇。あまりの衝撃に主人公の性別を変えて最初からゲームをやり直した。
※3)鋼の錬金術師……錬金術で母を蘇生させようとしたため、バチが当たって片手片足を失くしてしまった兄と全身鎧化してしまった弟が、元に戻る方法を探して旅する話。オヤジ率とヒゲ率が高い。




2003年10月10日(金)

 昨年末に見逃した『相棒』の最終回を、火曜の再放送で遂に完全視聴成功(9ヶ月15日ぶり)。
 かろうじてビデオ録画できていた途中までの展開を観た限りでは、とても予測できなかった結末に改めて舌を巻く。名作は最後まで名作だった。

 そして改めて、当サイトをご覧くださっている方々の寛容な精神に頭が下がる。
 実は密かに、掲示板やメール等で「実は最終回の犯人は××で○○は△△だったんですよゲヒヒヒヒ」等の悪辣極まりないネタバレを喰らうのではないかとビクビクしていたのである(←人を信頼しないにもほどがありますよ)。

 そんなことをされていたら当方はインドの山奥で修行を積んでマインドダイブ能力を修得し、ネタバレを行った者の頭の中身越しに最終回を見てやる所存であったのだが、どうやら当方の懸念のみに留まったようだ。世の中まだまだ捨てたものではないようである。

 一昨日始まった相棒2ndシーズンも、相変わらず『いかに水谷豊をナイスミドルに見せるか』8割、『いかに岸部一徳を妖しげに魅せるか』2割をコンセプトに製作されていて大変よろしい(←そんなコンセプトあり得ません)。
 万が一我が家のテレビに公安の秘密特殊部隊がコッソリと視聴率調査装置を仕込んでいたら大変であるため(ありえねえよ)、裏番組のトリビアとはスッパリ縁を切ることに決定。とにかく1クール打ち切りにならないことを祈るのみである。



 さて、本日出社してみると、同僚のMさんが「志源(仮名)ちゃん、これ要らない?」と何やら平たいものを差し出してきた。
 どうやらマウスパッドのようだ。御主人が会社で顧客から貰って来たらしいのだが、いざ受け取ってみて使い道に困ったものとみえる。


マウスパッド1



 真っ先に当方に持ってくるあたりよくわかっている。

 当方が真性オタであることは既に社内で周知の事実となっているため、これは人選としては正しい。次点はPCの終了音にファーストガンダムのアムロの声を使用している上司のK氏であるが、その時K氏はまだ出社していなかった。

 しかしこの絵は明らかにオタ萌えを意識したギャルゲー系、紳士たる当方の趣味にやや反する。腹を括ってマウスパッドとして使おうにも、サイズが小さく薄いのであまり役立たないように見える。

 申し訳なく思いつつも「スミマセン結構です」と言おうとした当方の前に、だがその時「こんなのもあるんだけど」と、別のデザインのマウスパッドが差し出された。


マウスパッド2




 当方「喜んで頂きます。」(即答)

 Mさん「そう、良かった。」(ドライに)


【問】春原さん(仮名)が2枚目のマウスパッドを喜んで受け取った理由を答えなさい。
配  点
平成生まれの一般人:70点平成生まれのオタ:40点
70年代生まれの一般人:30点70年代生まれのオタ:2点


 また使い道に困る物を室内に増やしてしまった当方である。
 ……RFスイッチのみならずディスクシステムまであると来たか……やられたゼ……


※1)昨年末に見逃した……よりによって最終回が会社の忘年会にぶつかった上、帰宅してみたらビデオテープが途中で切れ、後半の1時間が録画できなかったという不幸な出来事。当方の昨年最大の不覚。
※2)コンセプト……真面目に回答するなら「時代の流れに媚びない」5割、「良い意味でお約束を大事にする」5割ではないかと思っている。激昂とか紅茶とか鑑識とか。
※3)公安の秘密特殊部隊……視聴率調査を行っているのは民間のリサーチ会社である。政府は関与していない。
※4)オタ……ゲーム/漫画/アニメオタクの別称。
※5)アムロの声……K氏のPCは起動時に「おはよう(女性の声・詳細不明)」終了時に「おちろ、おちろォッ!!」と声を出す。




2003年10月6日(月)

 おなじみ秋の番組改編によって、無駄に尺の長い特番の間に、ジャンルを問わずチラホラと新番組の姿が見え始めた今日この頃。
 「ビデオ録画が面倒」「朝起きられない」「リアル家族に賞味期限の切れたヤクルトを見るような目で見られる」という理由から、ここ数年は『まる子』『サザエ』『X-MEN: EVOLUTION』以外のアニメをほとんどまともに観ていなかった当方も、このたび、この機に乗じてアニメっ子になってみようと志した次第である。

 そこで選んだのは『鋼の錬金術師(土曜夕6時)』『ポポロクロイス(日曜朝9時)』の2本である。
 前者は 漫画単行本を買う金を浮かせるため 書店で見かけた原作漫画の表紙に興味を引かれ、どのような内容であるのかを知りたくなったため。
 そして後者は 『はじまりの冒険』でドブに捨てたも同然のゲーム代5800円を少しでも取り戻すため 当方が愛するゲームのひとつである『ポポロクロイス物語』の続編がアニメで放映されるとなれば、見逃すわけには行くまいと考えたためだ。


 ポポロクロイスの放映日を間違えてウッカリ土曜の朝まで8時半に起きてしまったため、この週末は随分多くのアニメを見る機会を得たのであるが、それをつれづれ眺めつつ抱いたのは、今のアニメは随分絵が綺麗になったものだ、という畏敬の念である。

 約10年前の当方が『ダイの大冒険』という少年漫画に現を抜かしていたのはご存知の諸兄も多いであろうが、その頃の民放アニメ、特に東京フレンドパークが始まる前のTBSのアニメに対する扱いといったら、一部を除けばそりゃあええ加減なものであった。
 一重になったり二重になったり背が伸びたり縮んだり眉毛の色が黒くなったり水色になったり妙に睫毛が長い耽美な顔になったり(これはむしろ喜んだ)と毎週のように別人さながらの様変わりを見せるアバン先生に、それでもウットリと見入っていた記憶は、今もなお当方の脳裏に新しい。

 初回で作画に気合いが入っていたこともそう感じた要因なのだろうが、例えもう少し劣るクオリティであったとしても「こんなの○○じゃ無ェー!!」と絶叫したくなるような場面がないだけで、当方の中では大合格である(←どういうアニメ遍歴を辿ってきたんですか)。


 まあ要するに、今の作画技術でダイの大冒険のアニメもう一回作ってくれと言いたいだけなのであるが。とりあえず白い服のアバン先生がアニメで見られたら、後はもう何も要らない。頼む。TBSよ。



 そして、先週末にまたしても新宿のアメコミショップで懲りずにX-MENの異国語TPB(単行本)を購入。
 前回買った4500円の物は、300ページ近いボリュームに圧倒されてスコットとジーンが出てるコマ以外の翻訳を完全放棄していたのだが、今回は100ページ程度であるため、あえて最初からセリフ翻訳に挑んでみた。

 が、まともに英語の勉強をしていなかったのが仇となり、知らない単語が出てくる出てくる。1ページ平均20語は見覚えのない単語である。そのうえ当方は一文内に10単語以上含まれている異国文の解読を試みるとOSが強制終了する体質の持ち主であるから、仮に知っている単語ばかりだとしても気を抜けない。

 どうしても意味が飲み込めない所は放置、それ以外は最低でも何を言っているのかが解る程度まで粘るといった具合で、ようやく4話中1話目を読了したところである。たった5ページを訳すのに2時間半。チキショウもう少し真面目に英語の勉強しとけば良かった。
 年を取ると記憶力が落ちるというのは本当である。ちょっと前に調べたばかりの単語を何度も辞書で引き直すもどかしさといったら、他に例えようがない。そのくせ『blow away (ぶち殺す)』といった下品な熟語は登場一発で記憶できているのだから我ながらアホである。小学生かお前は。


 まあ要するに、学生の諸兄は頭の働きが良いうちにいろいろと役立つことを覚えておいた方が良いぞ、と言いたいだけなのであるが。
 特に近所の図書館でデータベースを集団占拠して『最遊記』を連続予約したり少女漫画のリストを眺めたりし続けていたガキんちょ共。お前らの後ろで『X-MEN』の映画ノベライズ本を探して順番待ちしているダメな大人のようになっても良いのか、なあ。絶対後悔するぞ。当方はしてないが。


※1)鋼の錬金術師……月刊少年ガンガンで連載中の漫画。当方もまだ良く内容が飲み込めていない。
※2)ポポロクロイス……SCEIから発売されているRPG『ポポロ』シリーズの4作目。過去3作の主人公を務めた王子ピエトロの息子・ピノン(8)が主人公。これを定価で買うのなら『物語』が題名に付いた方を1・2セットで買えと強くお勧めしたい逸品。
※3)ダイの大冒険……週間少年ジャンプで連載されていた、ドラゴンクエストの世界観を下敷きにした長寿冒険漫画。
※4)別人さながらの様変わり……それでも声がフェニックス一輝(迫力満点)な上、銀髪なのに眉毛を黒く設定されてしまったヒュンケルよりはいくぶんマシである(失礼な)。
※5)X-MENの異国語TPB……今回買ったのは『THE ADVENTURES OF CYCLOPS AND PHOENIX』。サイクロップスとジーンが遠い未来へタイムスリップし、別人に憑依して子育てに励んだり戦ったりする話。相当マイナーなので邦訳版が出ていない。
※6)最遊記……月刊コミックゼロサムで連載中の DQN漫画 若者人気を誇る冒険漫画。西遊記の登場人物を美形かつアナーキーに再構築したアクの強い作風が特徴。





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