インタビュー・現代を問う(10)
問われる日本固有の価値



岡田 フィンランドにもそういう考え方があるのですか。

高橋 そうなんです。トルコもそうです。ですから日露戦争で日本が勝ったときに一番喜んだのはこれらの諸民族なんです。自分たち有色人が白人系の近代文明の土俵の上に立って、初めて勝利を収めたというので決定的だった。フィンランドとかトルコでは、当時、名前を東郷さんに改めた人が大勢いた。フィンランドにトーゴービールというのがありますが、あれも日露戦争を記念しているのです。ところが肝心の日本人の中に、世界史的に決定的な事件だという自覚がない。日本人だけがその意味を理解していない。

高橋巖氏(元・慶應義塾大学教授)「ちにか」(地域から日本を変える)1996.1月号
(http://www.mskj.or.jp/chinika/9601cnktaidan.html)より


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