長い長い夏が過ぎていった。
大切な人ができて、大事な人を失った。
そんな夏だった。
〜願い星〜
いつものように学校へ行く
授業を受けて、部活をして。
そんな、当たり前の毎日が続いていた。
「ふぅ…」
小さくため息を吐く。
「やっぱり、寂しいよ」
茜色に染まった空を眺めながら、そっとつぶやく。
なぜだか、涙があふれてくる。
「いけない……」
約束したから。
いつまでも笑っているって。
なのに……。
「っ……!」
こらえきれずに、俯いた。
そして、静かに泣いた。
いつの間にか、黄昏から濃紺へと変わっていた。
いくつもの煌めきが散りばめられている。
「あっ」
流れ星がひとつ。
消えるのを見届けてから、星に願った。
大切な人が、大事な人が。
笑顔でいられますように、と。
握り締めた星の砂に。
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あとがき
美凪のSS。
やっぱし慣れないねぇー。
こういうあんまししゃべらないキャラは好きだけど、書くのは苦手。
舞さんもそうだし。
ま、好き嫌いなく、得手不得手も気にせずにばんばん書きたいです。
では、黒犬でした。
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