暗闇の中、謝罪の言葉が静かに響く。
迷いも、悩みも、苦しみも、悲しみも……。
――想いも。
たくさんの気持ちを込めた、言葉。
伝わっただろうか?
「……」
抱きしめる腕に力を込める。
それが、今の俺にできる精一杯だったから。
〜天使の羽根に包まれて〜
いくつもの思い出とともに、いくつかの季節が過ぎた。
そして今、季節は冬。
俺たちは、相も変わらず一緒にいる。
今でもあの時のことを思い出すと辛い。
けれど、それでいいんだと思う。
どうやったって、過去は変えられない。
受け入れて、前に進むしかないんだ。
「だから、これでいいんだよな?」
今はいない、想い出の中の少女に。
「なにしてるの、祐一?」
駆け寄ってくる真琴。
響く鈴の音。
変わらない風景。
「何でもない」
そっけなく答える。
そして、空を見上げる。
風が吹き抜けた。
「綺麗な青空……」
「そうだな」
積もった雪が、キラキラと陽光を反射する。
「あっ…」
「へぇ…」
ふわりと舞い落ちる、白い結晶。
「天気雨ならぬ、天気雪だな」
少しの間それを眺める。
「帰るか」
「うん」
「…またな、あゆ」
ちいさくつぶやく。
二人そろって、歩き出す。
いつまでもともに、歩いていく。
かけがえのない、想い出を胸に