何度ノックしても祐一は返事をしない。
「あぅー」
どうして?
…わからない。
秋子さんに聞いても、
「今は一人にしてあげましょう」
て言うだけ。
名雪も同じだった。
祐一が悩んでる。
祐一が苦しんでる。
何もできない自分が、悔しかった。
〜ともに歩くということ〜
ずっと一緒にいられると思った。
けれど、その想いは叶わなくて…。
それが最初の記憶。
二度目に会ったときは、お互いに忘れてて。
でも、想いは繋がったはずだった。
なのに、今度はわたしがいなくなった。
……三度目。
ようやく、願いが叶うと思った。
いつまでも、穏やかな日々が続くと思ってた。
それも、今なくなろうとしている。
そんなの、もう嫌だった。
ずっと一緒にいるって約束したのに。
一人きりで閉じこもっている。
そんなのオカシイ。
嬉しいことも、悲しいことも、分かち合うのが一緒にいるってことだと思う。
それが、支えあうってことだと思う。
…漫画に描いてあったことだけど。
でも、一緒に歩いていくって約束したんだから……。
だから、傍にいてあげなくちゃならないはずなんだ。
ほかの誰でもない、わたしが。
壊しても構わないというような思いでノブに手をかける。
――簡単にドアは開いた。