Side ONE
司以外では初めての、男の友達。
それが浩平だった。
一緒にいて楽しい。
一緒にいられることが嬉しい。
そんな人だった。
〜雨が上がる日は〜
きっかけは、本当に些細なことだった。
あの場所で会った。
ただそれだけ。
クラスメートだけど、話したことさえなかった。
すれ違うだけだったはずが、浩平から話しかけてきた。
「まるで、ありきたりな恋愛小説のよう…」
悪戯好きの主人公と、物静かなヒロイン。
けれど、その主人公には大切な人がいて……。
そのヒロインにも、かけがえのない人がいた。
それでも、いつの間にか彼の姿を探していた自分がいた。
「好き……なのかな?」
よくわからない。
誰かを好きになる……そんな、当たり前のことが。
司は消えた。
そして、浩平もまた、同じように。
違うのは、待たないだけ。
「だって……」
浩平を待っている人は、もういたから。