チャイムが鳴り、担任が教室に入ってくる。
「えー、今日は転校生を紹介する」
入ってイキナリのその言葉に、俺と名雪は顔を見合わせた。
「しかも、2人だ」
「……?」
1人は、おそらく観鈴のことだろう。
だが、もう1人のほうはさすがに知らない。
「誰だろうね?」
名雪が不思議そうに俺に訊いてくる。
「俺が知ってるわけないだろう」
ため息混じりに言う。
「入ってきなさい」
その言葉に促されて、一組の男女が姿を現した。
同じ時期に男女という組み合わせは、考えようによってはカップルにも思える。
観鈴のことを知っていなければ、俺もそう考えたかもしれない。
「神尾観鈴です。よろしくお願いします」
緊張しているせいか、少々堅苦しい挨拶。
……人のこと言えないか。
「折原浩平です。よろしく」
こっちはぶっきらぼうな言い方。
が、誰もそんなこと聞いてなかった。
「……」
クラス中がざわめいている。
てか、男子は吼えてる。
「あー、男子落ち着け」
呆れ顔の担任。
「とりあえず、席を決めよう。まず神尾だが――」
その言葉に、
「ぜひ俺の隣に!」
「いやオレだ!」
「僕のだよ!」
叫ぶヤローども。
「いや、もう決めてある。水瀬の後ろだ」
……それは死刑宣告ですか?
担任が示したその場所は、俺の隣の席でもある。
ちなみに、名雪の前に香里の席があり、隣が北川だ。
「「「また相沢か!?」」」
今、男子生徒の心はひとつとなった。
……ヤだなぁ。
「で、折原は……」
ざっとクラスを見回して、
「まあ、やっぱり相沢の後ろでいいか」
安易な決定だな。
まあ、端っこだからだろうけど。
「はあ……」
自然とため息がこぼれた。