Side Kanon
ここはどこだろう?
誰もいない。
食べ物とかは普通にあるのに、人だけが全然見当たらない。
「夢なら誰かいてくれてもいいのに…」
ずいぶん長い間ここにいる気がする。
「会いたいな…」
それが無理なんだってことはわかってる。
けれど、会いたい。
名雪さんや秋子さんや、たくさんの人達に。
そして、祐一くんに。
〜奇跡の果てに〜
どうしてかわからないけど、気がついたらそこにいた。
今思えば、偶然ではなかったのかもしれない。
祐一くんと出会えたこと。
あの日に願い事を残していたこと。
運命だとしたら、それはあまりにつらいものだけど…。
「最後まで、笑っていられたよね?」
祈りは通じたはずだから。
願いは叶ったはずだから。
そう信じられるから…。
「ホントは寂しいんだよ?」
虚空に向けてつぶやく。
当然、言葉は返ってこない。
それでも、やめない。
「たくさん思い出があるから、耐えられるんだよ」
たった一人で。
「温もりを覚えてるから…」
自分でも気づかないうちに、涙を零していた。
本当は誰かに傍にいてほしい。
思い出や温もりだけで大丈夫だって言えるほど強くはないから。
だからボクは、歩き出した。
誰かと会えるかもしれないから。
そして、『目覚める』ことを願って。
ボクは歩き出した。
そして、みんなと出会った。